新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

美空ひばりが歌うジャズを聴いて

2014-07-09 12:23:21 | コラム
日野皓正が褒めた美空ひばりのジャズ:

8日夜に偶然にチャンネルを押したTBSのBSで、故美空ひばりの歌を途中から聴いた。私は知る限りの流行歌手(と言うか演歌の歌い手として)で「一番上手いと評価しているのは美空ひばりだ。だが、品がないから好きではない」と長年言い続けてきた。しかし、同時に「美空ひばりが歌うジャズを聴けばその上手さに驚かされ、この人は英語を自在に操って話せる人だと思うだろう」と言って褒めてきた。英語だけではなく、恐らく我が国の女性ジャズスィンガーでは最高だとすら言いたくなる。近頃は八代亜紀がジャズを歌って一応聞かせるが、所詮はひばりの亜流に過ぎないと思う。

昨夜は病気になってからの東京ドーム公演と野外の佐久音楽堂?でのコンサートを聴いた。多分、本気で彼女の歌を何曲も聴いたのは初めてだったかも知れない。上手いのは無類に上手いので感心したが、立派だと思ったのは(まさか口パクではあるまいが)そこらにいくらでもいる流行歌手とは異なって立派に口を開けて堂々たる発声で歌っていた点だった。近頃の優れたマイクの力に縋って口を開けずにもごもごと歌っているのではない点に凄味を感じたし、流石だなと偉いなと思って聞いていた。

ところが、ひばりが引っ込んだ後に出た日野皓正が彼女を連れて出てきて、ジャズを歌ってくれと求めた。ひばりは「私は演歌ばかり歌ってきた中で歌える曲を歌ってみます」と受けて立った。(勿論そういう筋書きだったのだろうが)お陰様で暫くぶりに今は亡き美空ひばりのジャズを聴くことが出来た。上手いことは言うまでもなかった。

特にあらためて感心したのが英語の歌詞の扱いだった。発音、アクセント、イントネーション(抑揚)等の正確さは恐るべきものだった。ジャズ評論家の故油井正一氏は「歌詞を粗末に扱う歌手は好ましくない」と評していたのを想起させられた。

日野は「彼女の歌を聴けば英語が話せない人とは思えないだろう」と、褒めたのか貶したのか不明なことを言って、もう一曲歌わせた。それが懐かしき戦後間もなく大流行した「テネシーワルツ」だった。私はその懐かしさも兎も角「美空ひばりは余程耳が良くて聞いただけで正確に英語の歌詞を聴き取れているのだろう。外国語の習得には耳が良いことを挙げる人がいるのは無理からぬことだ」と痛感した。そして、我が国の英語教育の不備に思いを致して危うく落涙するところだった。

換言すれば、「そこに話しを持っていくか」と言われそうだが、良い発音のお手本があって、聞き取る力があれば英語の学習というか習得に大いに役に立つと言いたいのだ。しかし、遺憾ながら我が国の教育では「外国人離れした発音」で教えられた上に、ローマ字の好ましからに影響があり、そこのカタカナ語があるのだからたまらないと思う。

本題から外れてしまった。矢張り美空ひばりは上手いなと痛感した一時だった。最後に付け足せば、私が上手いと思っている淡谷のり子等の戦前からの歌手は演歌の範疇には入れて考えていないので、美空ひばりが一番上手いと評価するのだ。

W杯サッカーの準決勝第一戦を見て

2014-07-09 08:34:14 | コラム
サッカーはモメンタムのスポーツだったのか:

9日朝は5時前に目覚めたのは良かったが、まさかNHKのEテレでこの試合を中継しているとは知らぬ準備不足だったのだ。気が付いて5時半近くに見始めると、既に目を疑わざるを得なかった「4対0」だった。勝負あっただと捉えた。即ち、ドイツは5点取られない限りまけないのだし、それはこのブラジルの選手の顔色ではあり得ないと見えた。

私は「過去の例から考えても、ブラジルはネイマールが抜けてもかえって結束が固くなって良い勝負になるのでは」と気楽な予想をしていた。だが、主将のカード累積で出場停止があったのを見落としていたのは、我が代表が敗退して関心の度合い不足だったためかと反省。私はドイツはかなり強いと見ていたが、これほどまで勝つとは思っても見なかった。

そこから5点目を取られた辺りのブラジルの動きと全員の生気不足は、完全にモメンタム(弾みないしは勢い)を失っていたとしか見えなかった。そこに大量得点で勢い付いたドイツが攻め上がってくるのだから、流石のブラジルも為す術がなかったと見えた。このアメリカ系ではない競技で、ここまでドイツに弾みが付いてしまうとは考えてもみなかった。大体このような世界的強豪国同士の試合でここまで差が付くほどの得点の差が出てしまったのも驚異的だった。

私の高校時代の経験で確か神奈川県予選の前後半60分の試合で12対0で勝ったことがあったが、補欠だった私は何となく当たり前のような気がして見ていたものだった。しかし、普通にはこの次元で如何に力の差があっても、6点以上も入ることは例外的だっただろう。それをあのブラジルが結局7対1で負けてしまうとは、恐ろしいこともあるものだと思って眺めていた。私にはあれが主力の2人が抜けたことが主たる原因かどうかは解らないのだが。

ドイツは決勝戦ではオランダとアルゼンチンの勝者と当たるのだが、その予想など出来る訳がない。第一、オランダとアルゼンチンの試合の予測はその中継を見るまで閃かないと思っている。これらの試合はただ見ているだけだろう。このドイツ対ブラジルの前には、ドイツで7人もが流感に冒されたと報じられていたが、あの勝ち方ではその気も見えなかった。私が一寸気になることは、ドイツの7点は取り過ぎではないかということ。

それは、野球で往々にして直前の試合でヒット沢山打って大量得点すると、いざというときにはその勢いが残っていなかった例を数多く見てきたからだ。それに、サッカーの国際試合では7点などという大量得点を見たことがないので、如何なる結果出るかは予測出来ない。何れにせよ、モメンタムのスポーツの試合にはしないで貰いたいと思う。