新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

続・W杯サッカーの雑感

2014-07-06 14:30:55 | コラム
W杯のテレビ中継を結構楽しんでいる私がいた:

6日朝は「オランダがどういう形でコスタリカに勝つのか」だけが興味で、PK合戦になるまで「自分の見通しが正しいことがどのように証明されるのか」と、手に汗握らずに見続けてしまった。そのために折角の日曜日の朝の予定が小幅に狂ってしまった。

(1)GKの力:
トーナメント形式になってからの緊張感溢れる試合が続く中で、最も感心したことの一つに各国のGKの傑出した上手さがある。何処の国の誰のことかと尋ねられても上手く答えられないが、兎に角上手い。今朝のコスタリカのGKのシュートのコースの読みの正確さと、思い切って前に出て行く間の取り方の上手さには感心するばかりだった。

それにオランダの監督は(当方と同様に!)PK戦に縺れ込むと読み切っていたようで、アディショナルタイムが切れる寸前にPK専用のGKを入れた周到さには感心した。コスタリカも最初から引いて守り切って優れたGKの守備力に賭けたらしく、明らかに引き分け狙いのサッカーだったので、サッカーの試合としての面白さは半減していた。何れにせよ、オランダが我が方の力が上だと読み切った上で、交替で入れたGKに賭けようとの作戦だったのだろう。

ここでマスコミ各社にお願いしたいことがある。それはGKを「守護神」と呼ばないことだ。彼(ないしは彼女)は事前に守備陣と綿密に打ち合わせをして守備体制を整えて、その都度声を掛け合った上で守っているのであって、GK単独の力で防いでいるのだとは言い切れないのだ。バックス陣に失礼だと心得て貰いたい。

(2)当たりの激しさ:既に指摘したが、各国のあの激しさはこれまでに見た記憶がない凄さだった。その上に、今朝のレフェリーのように「細かい(怪我をさせない程度の乱暴さの)反則は見過ごそう」と決意したかのような判定では、コスタリカはかなり思い切って当たっていったし、オランダも当たり負けしないのだからラグビーよりも危険度が高いのではないかとすら思わせられた。ブラジルとコロンビアの試合もレフェリーの甘さが気になった。その結果がネイマールの大怪我だったのは考え物ではないか。

またFIFAの反省材料ではないのか。それとも開幕試合でのレフェリー・西村の判定が基準になってしまったのかなとも感じているが。

(3)選手の健康管理というか医学的配慮の欠如:
私は担架で担ぎ出された後で「腰椎骨折」と判明したネイマールへのその場での措置には、大いなる疑問を感じた。行き届いていないのだった。今時、「人が両手で支えて怪我人を運び出す担架を使っているのは時代遅れだ」という批判である。NFLではこんな人力依存ではなく、負傷部分に合わせて(頭部なら固定して、足だったらそれ専用の台に乗せて固定して)輸送するカート(小型運搬車)で運んでいる。しかも乗せる前には医師が駆けつけている。

W杯では「医学用何とか」と(ポルトガル語なのだろうが)書かれた鞄を持ってトレーナー風の者が駆けつけるだけだ。NFLでは外科だけではなく内科医を始め全ての科の医師が待機しているし、スタジアム内にX線撮影室があると聞く。ブラジルないしはFIFAがそこまで態勢を整えているかどうか知る由もない。だが、もし用意があればネイマールの負傷の状態はその場で診断出来たはずだ。これは経費云々の問題ではあるまい。選手生命ないしは人名の問題にも発展しかねないことではないのか。

(4)ロッベン=Robben:今朝はTBSが中継していたが、このオランダの主力選手・ Robben を彼は最後まで「六片」(=ロッペン→roppen)と叫んでいたように聞こえたのは、私の耳が悪かったのか。何れにせよ、世界的な大会では多くの言語が登場するので人名が聞き取りにくいし、読みにくいのだ。中継する各局には十分な配慮を願っておきたい。

言葉遣いにはお気をつけを

2014-07-06 10:18:19 | コラム
You bet.の品格を問う:

これを読んで何のことかとお解りの方は、かなり深く英語の世界を追求されたのだと思う。私は決して品格がある表現だと思っていない。仲間同士の打ち解けた者の話しの中に出てくれば何と言うことはない「その通りだ」か「あんたの言う通り」か「間違いねーよ」という意味だから。

私も未だそれほどこういう表現が飛び交うアメリカ人の仲間内の会話に馴れていなかった頃には、前後の流れからしてそういう意味だとボンヤリと把握出来た。しかし、どういう言葉(単語?)なのかに好奇心出てきたので、気が置けない間柄の技術サーヴィスマネージャーに解説を依頼した。すると "You bet." であって、"You bet on you." か "You bet on yourself." の簡略形だと教えられた。

それでもまだ納得がいかなかったのでさらに押してみると「『君自身に賭ける』ことなのだから、それほど確実なことはないから転じて『間違いない』と言いたい時に使うのだ」と解説された。さらに、その変形で "betcha" もあると教えられた。これも工場などに行けば、現場の組合員などと語り合えば聞いたことがある表現だった。これは "Bet you."が転訛したものだそうだ。

実は、先ほど何処の局だった流した、某国の大統領がW杯で善戦健闘したが敗退した代表選手たちを電話で慰労した会話の中でこの "You bet.” が飛び出してきた。私は大袈裟に言えば耳を疑ったのだった。以前からこの大統領の言葉遣いに疑念があると言ってきたのだったが「あの場であのような表現を使うのか」と驚かされた。

何を言いたいのかを簡単に言えば、一寸品格が欠けているのだ。まさか、大統領が万人が聞くだろう会話の中で "You bet." とは余りにもくだけ過ぎていないかと言いたいのだ。あれでは「大統領もこう言われた」という追随者が出てくる心配がある。

同じ電話会談の中で彼は "I’m gonna ~." もお使いになった。これは以前から私が初心者には推薦していない "I am going to ~." の簡略形である。即ち、"I am going to ~." をチャンと身につけてからこういう言い方をするのは良いかも知れないが、いきなり安易な表現を使えば「木に竹を接ぐ」ような違和感を聞く者に与えるので控えた方が良いということ。

彼への批判派この程度に止めるが、一事が万事で彼を選んだ某国民には反省を求めたいのだ。一部には彼が選ばれたことを悔やんでいる人がいる。だが、私は"None of your business." とでも言われそうだ。あるいは "Mind your own business." かも知れない。こういう表現は日本語に訳して考えないで、そのまま覚えておけば良いのだが。