新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

N紙の「英語学習プログラム」に思う

2014-07-18 15:37:06 | コラム
私の英語の勉強法:

実は、N紙のプログラムについて意見を求められた方がおられましたが、私にはそういうことをするだけのものの持ち合わせはありません。そこで自分の勉強法を振り返ってみます。

私は学問として英語を追求したのではなく、アメリカ人の中にあってその場その場で「こういう時にはこう言うのか」または「そう書けば良いのか」として覚えていきました。飽くまでも受け身で真似(アメリカ人の中には "mimic" という言葉を使っていた例もありました)をして覚えたのでした。

例えばN紙が問うていた "replenish" は何かの機会に覚えていて「在庫補充」と言いたくて使って、日系米人に "Good word." と言って褒められて初めて「そうだったのだ」と知りました。私たちは商売をしていますから、客先が急に買い気を出した時に "They are building inventory up." と言って、値上げ前に在庫を積み増しているのであり、"replenish" とは違うと区別しました。在庫を増やすならば "increase" で良いでしょう。在庫の補充が "replenish" だと思っております。

似たような言葉に "refill" があります。コーヒーのお替わりの意味でも使えますが、私はボールポイント・ペンのインクがなくなって苦心して状況を説明して、「何処に行けば買えるか」秘書に尋ねたら "refill" が欲しいのかと言われて「ナルホド」と覚えました。

1975年だったかにシアトルで三菱商事の支店で随一の使い手と聞いた従兄弟と一杯飲んでいました。(その頃には少し飲みました)そこにウエイトレスが来て "Another round?" と声をかけてきました。従兄弟はグラスに手をかざして "I’ll stay with this for a while." と断りました。そこで「もう一杯お替わりは如何?」と訊いてきたのを格好良く断ったと知りました。

コーヒーは何度でもお替わり出来る国ですが "More coffee, sir?" と言われることが多いのです。そこで「一寸だけ」と言いたいアメリカ人が "Just a dash." と言いました。「これだ」と思って覚えて後刻使ってみたところ、ウエイターが一寸だけ注いだ後で「これが貴方の言う dash ですか」と訊かれて「そうだ」と答えた記憶もあります。

回り道で失礼しましたが、これは「英会話の教科書」みたいなもので覚えておいても「何時、何処で、どのように使うか」は現場にいないと解らないと言いたかったのです。私はこのようにしてほとんどが真似か、記憶にあった外国人が使った例を手探りで使ってみて「当たりか、外れか」を確認しながら覚えたので、日経のプログラムを論評する資格などないと思うのです。

私には自分の勉強法以外については「他人様の方法について何らかの論評をするだけの立場にはありません」と言うのが適切だと思います。