原辰徳監督の退任についてジャイアンツ嫌いの見方:
簡単に言えば、あの監督の顔を見ないで済むようになるのは歓迎だ。彼の退任の挨拶を聞いて不思議だと感じたことがあった。それは「阿部慎之助に後事を託すると決めた」と言ったこと。如何に彼が全権を勝ち取った実質的にGMであったにせよ、次期監督まで決める権限を獲得していたのかという疑いである。傲慢に過ぎるのではないのかな。決めたのはオウナー職の山口氏ではないのだろうか。
次に取り上げるのが阿部慎之助新監督。「常勝巨人軍」とされていると言っていたが、それは傲慢とまでは言わないが、思い上がりだろう。原辰徳が2年かけてバラバラにしてしまった「ジャイアンツを全力で再建して、あるべき姿に戻します」辺りが挨拶としては適切だったと思う。原監督は新旧交代を目指していたのか、FAの古手を買ってきてその連中の熟練度に頼るのか、指揮する方針が混乱していたから、勝てなかったのではないか。例えば、松田宣浩まで買ってきたのには驚く前に呆れた。
阿部慎之助は二軍監督になったかと思えば、旧世代の(時代遅れの)指導方針である「千本ノック」式な鍛え方をするとか、失敗をした者たちに罰走を課したとか報じられていた。この程度の考え方で監督になったら、どうなってしまうかは考えるまでもないこと。指導者になると、自分が育った方式に拘泥する傾向があるものだ。今や時代が違うのだ。MLBに行ってあれほど大成長を遂げた大谷翔平に「近代的トレーニングとは」と聞いてくれば良いのではないか。
パシフィック・リーグを見れば、バッファローズでもホークスでも150kmの速球を投げる投手が何名も育っている。ジャイアンツに150km投手が何名いるかを考えているのだろうか。あのホークスに日本シリーズで2年続けて4連敗した結果から何も学んでいなかったように思えるが。
敢えて言うが、当方は阿部慎之助という捕手のリードは、とても一級品とは評価できないと思って見ていた。後継者だったはずの大城卓三を重用した原監督は、2年連続でCSを逃している。この二人の捕手は見事なホームランを打ってみせるように打力は優れていたが、それは捕手の本分ではあるまい。阿部新監督がその打力通りの力量を指導者として発揮できるか否かに、焦点が絞られるのではないか。