この世には思いがけない事があるもの:
ブリンケン国務長官(Antony Blinken):
イスラエルがハマスに急襲されて、密接な間柄であるアメリカからブリンケン国務長官がイスラエルを急遽訪問して、ネタニヤフ首相と懇談したと報じられていた。その会見のニュースでは音声は流れていなかったが、字幕にはブリンケン国務長官が「会談の為の訪問はユダヤ人として当然の事」と述べたと出ていた。
正直な事を言えば、このニュースを見た瞬間は「ブリンケン国務長官がカミングアウトしたのか」と思ってしまった。「また英語か」と言われそうだが「カミングアウト」は正確には”coming out of the closet”なのであり、カタカナ語では短縮形が使われているようだ。
確かにアメリカでは上層に行くほどというか、政府でも教育界でも何処でも主要な地位にユダヤ人(Jewish)かユダヤ系の人を屡々見かける。だが、その人物が自らユダヤ人であると名乗るとか、誰それはユダヤ人であるという類いの報道に接した記憶はなかった。微妙な事だと受け止めていた。それだけに、重要な公開の席で国務長官が自らユダヤ人と語られたのは、やや衝撃的だった。
私はブリンケン国務長官とは、その名字からしてユダヤ系の人であろうとは見ていたので、Wikipediaで確認はしてあった。従って、今回の語り方はそれ故に衝撃的でもなかった。だが、日本のテレビ局のニュースでその通りに流したのは意外だった。因みに、ブリンケン氏はハーバード大学卒で、コロンビア大学で法学博士号を取得している。
因みに、ウエアーハウザーは経営陣にユダヤ人がゼロか非常に少ないという点でアメリカ国内でも異色の方だとは聞かされていた。また、私個人としては20数年間でユダヤ人と承知で語り合った人は2人しかいなかった。その1人は研究所の博士号を持つ研究員で、皆がそのファミリーネームの綴りが珍しいと指摘したら「Russian Jewだ」と名乗って、皆を納得させた事があった。
余談にはなるが、嘗て元通産省の課長だった方が著された小説では、8代目CEOのジョージ・ウエアーハウザーをユダヤ人だと言わんばかりの描写がされていた。その点を上司に確かめたところ「ジョージは私と同じプロテスタントの教会に来ているというのか返事だ」と言われて、疑問は一瞬に解けた。
世界平和統一家庭聯合会に解散命令が:
この件のニュースに接していた限りでは、「文部科学省が地裁に解散命令を請求し受理された時点で直ちにこの会は解散となり、宗教活動は続けられても、従来通りの税制面での優遇措置は受けられなくなる」となるかのような印象だった。それは結構な事だなと危うく受け止めるところだったし、そう思われた方はおられるのではないか。。
だが、実際には地方裁判所には世界平和統一家庭聯合会からも出廷の上で審議され「解散」の判決が出るとして、上級審に控訴され、さらに最高裁までも争われる事になるだろうと、昨日辺りから報道され始めた。実は、このような法律に全く疎い私でも「地裁が受理しただけで解散になるのかな。そんな簡単な事かな」とは疑問に感じていた。
今朝の各局の報道では「最高裁まで上がっていったとすれば、決着が付くまでには3年は要するだろう」という事で、野党は「その間に世界平和統一家庭聯合会が資産を散らさないような法整備を」という立法の準備を急いでいる事も併せて報じられていた。正直な感想は「今頃になって報道するなよ。糠喜びされている方もおられただろうに」なのである。
「貴殿や視聴者の方々の早とちりでは」と反論されそうだが、中途半端な報道の仕方にも問題があったのではと言いたくなるのだ。