新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

2月27日 その2 また英語の話をしよう

2024-02-27 13:19:28 | コラム
アメリカのご婦人は“Oh my goodness!”と言った:

先ほど取り上げた「偶には英語の話もしよう」で書き損なっていた“Oh my goodness.”の実例があったので、追加しておこうと思う。それは、昨26日夜のテレビ東京の「日本に行きたい人 応援団」なる番組での事だった。

京都に日本人形制作の繊細にして巧緻な課程を勉強しようとして来ていた、かなり高齢と見たアメリカのご婦人が、顔を作る有名な職人の仕事場を訪れた時のことだった。彼女は一歩中に踏み込んだ途端に“Oh my goodness.”と“Gosh.”と感嘆の声を上げたのだが、私はその音声が聞き取れたのだった。彼女はチャンと品格を保ったので、“Oh my God.”などとは言わなかったのだ。Godを使わなかった事で知識階級にある人だと知らしめたのだと受け止めた。

以前から指摘してきたことで、こういう言葉遣いの問題点を知らずにアメリカ人の社会に入って行くと、この“Oh my God.”のような表現を頻繁に聞いてしまい、それが品位を欠く言葉遣いであると知らなければ、何となく格好良く聞こえて「じゃー。今度機会があれば自分でも使って英語が堪能であるところを見せようか」などという誤解と誤認識が生じやすいのだ。彼等が使っていたからと知っても、真似はしないことだ。Godが宜しくないのだ。

困ったことに、トランプ前大統領の支持層には低層の人たちが多いので、彼は意図的だと思って聞いているが、アメリカ大統領であるにも拘わらず、平気でswearwordを使っておられた。それを聞いてswearwordが何であるかを知らないと、つい真似したくなってしまう危険性が潜んでいるだろう。現に、そういう人たちの会話を聞いていれば、この種の言葉が「これでもか」と言わんばかりに多用されているのだ。

私が何度も取り上げてきた実例に「沢尻エリカの“Oh, shit.”」がある。これは、評判が悪くなってアメリカに語学研修と称して出て行った彼女が帰国した際のこと。成田空港で記者団に追い回されハンドバッグを落としてしまって“Oh, shit.”と叫んだのだった。

この“shit”が駄目なのだ。これは言わば汚い言葉の手っ取り早い代表格で、日本語にすれば「こん畜生」や「何と言う事か」や「くそったれ」というような意味の罵る言葉に使われている。これとその他のswearword即ち「汚い言葉」を使うことは「知識階級ではない」と自ら名乗ったのと同じ事なってしまうのだ。

繰り返して指摘しておくと「“Oh my God.”もswearword(例えばshitやGod damn it.やhell等)はnative speakerたちが使ったからと言って、無闇に真似をしてはならないのだと、十分に承知していてほしい」のである。

なお、swearwordではないが、会話の中に“you know”を挟み込むのも禁物である。このような話し方をするnative speakerは非常に多いので困る。この”you know”には「私は非知識階級です」と告白しているのと同じ効果があるのだから。英語には意外な落とし穴が待っていると知っていて欲しいのだ。


偶には英語の話もしよう

2024-02-27 07:23:47 | コラム
OMGって何の事:

President誌の3月15日号の表紙には“3語だけで伝わる「中学英語でどんどん話す」”と大きく掲げられていた。実は、未だ拾い読みすらしていないのだが、チラッと見えた69頁に「チャットが楽しめる英語・スラング10」としてある中に、件名に取り上げたOMGを発見した。解説ではOMGとは“Oh my gosh/goodness.→ポジティブ、ネガティブを問わず、日本語の「ヤバイ」のように、感情が大きくなった時に使えます。”としてあった。

大凡、その通りだと思う。このOMGを私は“Oh my God.”と広い意味で同じだと思っているので、随分と思い切った事を取り上げられたものだと、良い意味でも悪い意味でも感心している。だが、私は上記の解説だけでは不十分だとの恨みは残ると言いたい。以下に述べるように「無闇に使わない方が良い言い方なのである」と警告しておいて欲しかった。

このOMGとは本来は“Oh my God.”という上品ではない言葉遣いだと思う。私が知る限りではswearwordに分類されていないだけの好ましくない表現なのだ。即ち、インテリというか知識階層では使わない、品位に欠けた表現なのだから。

使われ方の解りやすい例を挙げれば、テレビに登場するタレントたちが何かに感動したか驚かされた時に「オーマイガー」と叫んでいる一種の感嘆詞である。英語を正しく教えられていないと、こういう言葉遣いに飛びついてしまうことが多いので困る。

私は使った覚えはなかったし、社内と言うか本部内の公式な場では聞いたことなどなかった。これについて、アメリカ人たちの中にいて自然に覚えたというか教えられたことは「これを言いたくなった場合があれば、一歩踏みとどまって、Oh my goodness.か、Oh my gosh.(goshはガーシュのような発音になる)か、単にGoodness.とだけ言うか、Oh my.か、Gosh.と言うかだ」だった。なお、“My goodness.”という言い方もある。

さらに言えば、上記に掲げたOMGの応用編は「英語での自分の思うところ、または意志の表現を淀みなく出来るような段階に入ってから使う方が良いのだ」と言っておきたい。即ち、「何とか単語を並べたら通じました」のような初歩的な段階にある人が「オーマイガー」などと言うのは釣り合いが取れていないというか「木に竹を接いだような形」で不自然なのだから。

英語には日本語のようなハッキリした敬語がある訳ではないので、このOMGであるとか、私がこれまでに繰り返してトランプ前大統領が使うのを非難してきたswearwordの類いを学校教育では単語だの文法だので家ではなく、こういうこともキチンと教えておかないと、何か格好が良い表現だと思って覚えて使ってしまう結果になる。

そのような話し方をすることは「私は知的下層階級に属する者です」と自己紹介したのと同じになってしまうのだと、十分に弁えていて欲しいのだ。なお「swearwordとは」との解説は今日までに何度も発表してあったので、関心をお持ちの方はお知らせ下されば、何度でも織り上げます。