新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

色々と物思うことが

2024-02-14 08:10:40 | コラム
音無しの6日間を振り返れば:

「盛山正仁文科大臣。逃げては駄目なのです」:
この方の国会での答弁を見聞きして思い浮かんだ表現は決して綺麗なものではない「野垂れ死になるのでは」だった。岸田内閣発足以来、総理が野党の攻勢に対して懸命に擁護した後で結局は「事実上の更迭」と報じられたようにせざるを得なくなった例がどれ程あったかという事。自らが選んだ閣僚を擁護するのは当然だろうが、「野垂れ死」と形容するしかなかったようになるまで粘った効果があったかどうかは総理もお分かりだったと思う。

それでも、今回もまた懸命の防戦である。盛山正仁文科大臣の答弁が揺れているのも決して褒められたことではない。私は盛山氏の最大の問題点は「難局に当面して逃げの姿勢を採っている事」であり、この事自体が「大臣がビジネスの世界におられた経験が無く、自力で難局を乗り切った経験もまた無かった事」を悲しいまでに示していると思う。

問題、特に非常に難しい事態に直面した時に絶対と言って良い程採るべき姿勢は「真っ向からその問題に向かって行き、処理し遂げる固い意志を示す事」なのである。経験からも言える事は「難局に頭から突っ込んでいくのは非常に恐ろしい」のである。それは「万が一にも切り抜けられなかったらどうしよう」と負の結果を恐れるからだ。だが、そこで逃げたらお仕舞いで、問題は何処までも追いかけてくる、しかも処理を一層難しくして。

盛山正仁文科大臣の経歴をWikipediaに見れば、灘高から東大法学部を経て神戸大大学院から運輸省となっていた。簡単に言えば、ビジネスの実社会で難局に直面するとか、社運がかかったような難事件を解決されたご経験がなかったと思わせられた。極論を言えば「官僚的な答弁で処理できる事態」とでも読まれて、逃げの態勢に入られたとしか思えない。「逃げたら駄目だ」とはお分かりでなかったのだろう。

では、逃げないのだったらどうすればだが、それは「確かに旧統一教会との接触はあった。その過ちを十分に反省して、今では完全に縁を切ったからこそ、文科大臣に任命されて統一教会との対決姿勢を採っている」と、自らの非を認めてから国会での野党の攻勢に対応すべきだったのではないのか。実社会での経験不足による逃げの態度が墓穴を掘ったのである。

故緒方竹虎氏は彼の配下にいた書生に「政治家を目指すのならば、実務の世界を経験してからにせよ」と説かれたそうだ。

収支報告書不記載問題:
ここでも、岸田文雄総理の逃げの姿勢が目立つのが残念だ。以前にも指摘したことで「岸田総理は何かと言えば『慎重に検討する』のような言い方で素早く対処しないが、何か総理とその内閣にとって不利な問題が生じると直ちに対応される傾向がある」のだ。だが、その対応は概ね弥縫策で根本的に問題の解決にはならない場合が多い。そこで二の矢を放つが、それとても苦肉の策の域を出ない局面を糊塗しただけの策になってしまう。そこで三の矢となる。

今回も朝日新聞に「裏金」扱いにされた結果で、安倍派の閣僚だけを外すとか、突然岸田派会長を辞したかと思えばその派閥の解散を宣言して二階派等々を道連れにして見せた。所謂「五人衆」も党内の役職から解任した。野党の攻勢がそれだけでは止まないと知るや「アンケート調査」とやらを実行したし、批判の的になってしまった小渕国対委員長が同席する聞き取りまでやって見せた。弥縫策の連打ではないのか。

岸田文雄内閣総理大臣論:
岸田文雄という方は「何か自己の信念が太い背骨の如くにあってその体を支えて事に当たっているのではないようで、その時々によって良く言えば柔軟に対応して(その場凌ぎの対応で?)、事態というか難局を切り抜けようと策しておられるかのようにしか見えないのだが残念なのだ。上記の盛山正仁文科大臣の場合などはこれまでの例から見れば、野垂れ死寸前で「事実上の更迭」に至った事例に酷似してきている。

総理大臣がこのような内向きの事案に何時までも関わり合っていられる時ではないのは明らかではないのか。例えば、同盟国であるアメリカの次期大統領選挙の前哨戦を見ていると「もしトラ」から「もし」が明日にも取れそうな事態ではないか。途方もない極論を言えば「明日にでもトランプ氏に挨拶に伺わねばならないのか」と言いたくなってしまう。

中国にしたところで、経済状態の悪化は流石の習近平氏も覆い隠せないところまで来てしまっていると、当然のように報じられてしまった以上、我が国としての対応は焦眉の急のようにしか思えない。それでも習近平政権は着々と近隣以外の諸国にも手を伸ばし、先日の島嶼国会議には多くの国の元首を我が国に行かせない手を打って見せた。何らかの対応が必要では。

インバウンド様の来訪は良い事のようだったが、副次的に方々で深刻な人手不足の状態に陥ってしまっている事態を浮き彫りにしてしまった。運送業界と輸送業界のドライバーたちの勤務時間の制限を実施すると、納期遅れどころか立ち行かなくなる企業が出てしまうことが明らかになってきている。良かれと思って打った手が逆効果になりそうなのは、実務の現場を知らない人たちの「机上の空論」が原因ではなのかと思わせられる。総理の参謀役は何をやっているのか、

6日間の音無しの言い訳:
7日の夜にPCの電源が入らなくなり、HPに相談した結果で13日に修理に来て貰えることになっていました。間に忌まわしき三連休が入っていたために間隔が空いた次第。なお、大谷翔平も論じてみたい衝動に駆られるが、それは後回しにしておこうと思うのです。だが、テレビと新聞の過剰な騒ぎは好い加減にしてした方が良いと思うのですが。