1010 Radio

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ロシアとの緊張を故意に高めようとするグルジア政府

2006-10-04 | ラジオ
ロシア政府は最近グルジアが、挑発的な行動を繰り返し地域情勢を悪化
させていることに憂慮の念を示すと共に、国連安全保障理事会に対して、
グルジアを交渉のテーブルに戻すための協力を呼びかけた。

9月28日グルジア当局は、グルジアに駐留しているロシア人の軍人数名
をスパイ容疑で拘束した。また黒海に面した港町バトミをはじめ、各地で
ロシアの軍人に対する攻撃が起きているほか、グルジアの紛争地域であ
るアブハジアや、南オセチアで活動しているロシアの平和維持部隊に対し
ても挑発的な行動が後を絶たない。
ロシア政府はこのような動きが、予測不能な状況を引き起こし、ロシア・
グルジア関係やカフカース情勢全体に、否定的な影響を及ぼす可能性が
あるとして懸念の意を表わしている。
これに関してロシアの国連大使は次のようにコメントしている。
「ロシアはグルジア指導部が緊張を高めるような行動をとっていることに対
し、これを憂慮している。したがってロシアは国連安保理と国際社会に呼び
かけ、グルジアが緊張を高める挑発行為を止め、建設的な話し合いに方針
を変えるよう影響力を行使することを求めている」
ロシアの国連大使は、この様にコメントしている。

観測筋では今回のスパイ疑惑に付いて、グルジア国内に展開しているロシ
アの平和維持部隊を、出来るだけ早く排除するため、グルジア政府が続け
ている動きの一環であるとの見方が広まっている。
というのもグルジアはロシアの平和維持部隊を排除することで、NATOへの
加盟を狙っているからだ。さらに最近グルジア当局が見せている挑発的な
動きは、外交的だけでなく内政的な効果も計算に入れたものだと考えられ
ている。サーカシビリ大統領はこのような行動によって、経済の破綻という
事実から国民の目をそらそうとしているのだろう。現在グルジアでは10人に
一人失業し、また国民の半数以下が貧困層となっている。しかもグルジア人
のうち100万人がロシアで移民労働者として働き、毎年20億$を本国に送金
している。さらに10月5日にはグルジア中央選挙があり、これは議会選挙や
大統領選挙の、リハーサルに当たるものとも考えられていると言う。
従ってグルジア政府は国内の不満を外的に、ぶつけさせるという使い古され
た政策を実施しているのだと見ることが出来るだろう。

9月29日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル