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イラク戦争によるアメリカの分断は続く

2007-07-15 | ラジオ
イラク戦争をめぐって、アメリカは分断を続けている。
議会ではイラク駐留アメリカ軍の撤退を盛り込んだ法案が下院を通過した。
法案は来年2008年4月1日までの、イラク撤退開始を定めている。
これは政権に対する議会側からの撤退要求としては2度目のものとなる。
1度目となる法案は5月に議会を通過したが、このときはブッシュ大統領の
拒否権行使により廃案となっている。
ブッシュ大統領の12日の記者会見での発言から考えて、今回の拒否権行
使は間違いないものと考えられる。
大統領は撤退がイラクのみならず、アメリカにとっても危険なものであるとの
見解を表明した。

ブッシュ大統領によれば、それはイラクの未来がアルカイダの手中に落ちる
ことを意味している。
一方で拒否権の行使は、かなり難しくなってきている。
政府が議会に提出したペルシャ湾地域の状況に関する中間報告は、非常に
厳しい結論を出している。
なかでも注目すべきはアメリカの支援を受けたイラク政府が、国内情勢の安
定化、宗派間対立の停止などでの主要な目標を達成できていないという点に
ある。
報告から判断するにイラク当局が政治、経済改革を失敗したことは明白だ。
武装組織の非武装化にも石油収入の公平な分配にも、国内での調停にも成
功していない。

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アメリカでの政権や統制力はこのこと論拠に、ブッシュ政権のイラク戦略は機
能していないのだとの主張を繰り返している。
ブッシュ大統領もこのことを認めており、アメリカ社会も自身もイラク戦争に疲
れてしまったと言うように、注目すべき形で告白している。

一方専門家のレミレンコ氏は、このブッシュ大統領の発言がペルシャ湾沿岸
における政策見直しの契機になるものと見ているとし、次のようにコメントして
いる。
「イラクで起きている困難全体に対する理解が、ようやく育ってきたという感じ
がする。ホワイトハウスからは今にもイラクが安定する。テロリズムが倒される
というような、威勢のいい発言がよく聞かれるが、そんな考えに変わって少しず
つ全体的に健全な考察が現れてきているのだ」

しかしながら健全な考察と実態との間には、時々著しい距離があるものだ。
記者会見の席上、アメリカ社会の疲弊を指摘したブッシュ大統領は忍耐をも呼
びかけた。
大統領は新戦略が実を結ばないうちに、根本的な決定を下すのは時期尚早だ
と主張した。
イラク駐留アメリカ軍の司令官は、9月に議会に対し報告を出すことになっている
。ブッシュ大統領によればその頃には、現在よりもよりハッキリとした絵が描けて
いるとのことだ。

7月14日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル



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