1010 Radio

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政治的見解の不一致を超えて、経済的協力を促進する中国と日本

2008-05-14 | ラジオ
経済協力における中国と日本の関心は、政治的見解の不一致を超えるものとな
っている。これは日本の福田総理大臣と中国の胡錦濤国家主席との会談で明ら
かになったものだ。
中国の国家主席の日本訪問は、この10年で初となるものだ。
これに関連してロシアの声の評論委員は、次のようにコメントしている。
この胡錦濤国家主席の日本訪問は、日中の政治対話を完全に再開させるため
のものであり、開催が遅れている差し迫った一連の問題に付いて、決定を下す
ためのものではない。

恐らく日本、中国両政府は今のところまだ東シナ海の天然ガス産地における、管
理区域の境界に付いて合意する用意は無い。
一方この地域を平和的な協力区域にしようということに関して、日中両首脳が合
意に達することは、領土問題解決の為の前提条件を作るものだ。
この地域を安定させるために重要である貿易やエネルギー、運輸、テクノロジー
分野を促進する上で障害とならないように、日中両政府はこの問題を先延ばしに
してきた。

両国の優先事項を踏まえたこのようなケースは、新しいものではない。
日本と韓国との関係を発展させる上で、すでに試され大成功を収めている。
先日モスクワで実施された露日サミットでも、こういった感情的に敏感にならざるを
得ない問題に向けて、同じような妥協的なアプローチを取ることの歴然たるメリット
が確認された。
両国は今のところ領土問題に付いて解決するメカニズムを持っていないことを認め
たが、これは原子力、宇宙、輸送、自動車製造、ハイテクエネルギーなどの戦略的
分野における、相互協力を促進する用意があることを証明する上で、障害となるも
のではない。

この問題に詳しい極東研究所の研究員は、北東アジア諸国の関係を発展させる上
で、とても将来性のある同じようなメカニズムがあると考え次のようにコメントしてい
る。
「もちろんそれぞれの国に問題はある。ロシアと日本にも問題はあるし、日本と中国
にも問題はある。それにも関わらず両国は充分に懸命に振舞っており、お互い相関
関係における、戦略的な優先事項を第一に考えて判断している。
ロシアも日本も中国も、全ての国にとってお互いの安全を保障するという観点から観
て、あまり重要でない問題は二の次となっているのだ」

現在、中国と日本は両国関係の法的基盤となる、新たな文書に調印することで合意
に達した。
この政治的な決定は、今回の会談の大きな成果の一つとなっている。
新たな文書ではアジアにおける、自国の立場を強めようとする日中両国の公然たる
意向が示されており、また政治的見解の不一致のみに注目することなく、逆に協力の
新たなシステムを追加していくものとなっている。
この様な立場は北東アジアの信頼や信頼を強化するために、北東アジア諸国の全体
的な要求にも沿ったものとなっている。

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石 平
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5月8日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル