5月16日モスクワのクレムリンではメドヴェージェフ大統領が、モンゴルのエン
フバヤル大統領との首脳会談を行った。
会談は長年にわたって高いレベルで、信頼と相互理解を保ってきた両国の政
治対話を今後とも継続していく形のものとなった。
ロシアとモンゴルの国交の基礎は1920年代から作られてきた。ソ連時代モン
ゴル経済はソ連に(?)だったものだったが、1990年代初頭からその依存度が弱
まり、モンゴルも国際政治の場で独立したプレイヤーとなっている。
それでも付き合いの長い隣国であるモンゴルが、ロシアにとって相互理解を保
ちやすい国であることは変わりはない。
2006年ロシアとモンゴルは今後、戦略パートナー関係に類似した関係を構築す
る意向を明確にした宣言に調印している。
ロシアはソ連時代からモンゴルが引きずっている借款のほぼ全額を帳消しにし
ている。
このことによってロシアのビジネスが再び、モンゴルで事業を展開する可能性が
生まれてきた。
現在話が進められているのは、鉄道の近代化とモンゴルの抱える天然資源の開
発に、ロシア企業が参画するという計画で、これが実現すれぱ石炭、
銀、
銅、ウ
ランの豊富なモンゴルは、世界市場に躍り出ることが出来るポテンシャルを抱え
ている。
戦略的パートナー関係は景気安全保障分野においても、対話を拡大することに
(?)でいる。
今や北東及び中央アジアは、国際的な安全保障を語る上で重要なファクターとな
っている。
またアフガニスタン、イラン、イラク、北朝鮮も全て直接ないし間接的にモンゴルの
情勢に影響を与える存在となっている。
このことから
モンゴルは平和と協力のメカニズムの構築に参加する意向を持って
いる。
モンゴルはアジア太平洋地域の枠内において、活発にコンタクトを図っており、ま
た最近は上海協力機構の活動にも関心を示している。
上海協力機構ではモンゴルは今まで、オブザーバーの地位で参加してきたが、モ
ンゴル指導部もこの機構を通してロシア、中国、カザフスタンでのビジネス及び政
治的協力を拡大することが次第にわかってきたため、今度は機構に加盟する話が
持ち上がっている。
観測筋らはモンゴルが上海協力機構に加盟すれば、アジア地域の戦略的安定の
保証として機構自体の権威が上がるとの見方を示している。
この問題に付いては政治学者が、ロシアの声からのインタービューに対し次の様
に答えている。
「上海協力機構が創立されてから今日までの間、政治、経済、安全保障分野での
協力の拡大など、実に様々な観点で明らかに連帯の強化が進んでいる。
現在、上海協力機構加盟諸国は、この地域の安全を他に頼らず、殆ど自らの力の
みで保障することが可能となる」
政治学者はこの様に述べている。
ロシアにとってモンゴルは、お互いの関心を善隣友好的原則で築きうる隣国だ。
16日クレムリンの首脳会談で確認された協力の計画を、モンゴル政府自身が(?)こ
そが非常に重要となっている。
※ (?)は発音が不明瞭で聴き取れず
5月17日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル