ワインな ささやき

ワインジャーナリスト “綿引まゆみ” (Mayumi Watabiki) の公式ブログ

豚肉のアレンテージョ風にマデイラワインがドンピシャの相性!

2021-12-09 13:56:30 | ワイン&酒

昨日に引き続き、本日もポルトガルワインの話題をひとつ。

 

それは、マデイラ

 

マデイラは、大西洋に浮かぶポルトガル領マデイラ島でつくられる酒精強化ワインですが、日本では、料理の「~マデイラ風味」「~マデイラソース」とか、お菓子の「マデイラケーキ」など、ワインとして飲むよりも、風味付けの料理酒のように使われることが多いように思います。

ということは、それほどの特徴を持つ風味のワイン、ということです。

 

マデイラ島はポルトガル領ですが、首都リスボンから飛行機で1時間半の距離にあり、位置としてはアフリカのモロッコに近く、もともとは火山島だったそうです。

大きさとしては日本の佐渡島より少し小さく、温暖で雨が少ないことから、冬の避寒地、リゾート地としての産業が島の経済の主軸のひとつです。

もうひとつの島の重要産業が「マデイラ」で、観光客でにぎわう街並みを外れると、山がちの森林地帯が鬱蒼と茂り、森林を切り拓いたところにバナナ畑があり、ブドウ畑がある、という光景が見られます。

 

マデイラは酒精強化ワインですので、ブドウを発酵させてワインをつくる途中でアルコール95%になるブドウ由来のスピリッツを添加して酒精強化します。

ほぼ発酵を終えたワインにアルコール添加すれば「辛口」になり、発酵途中の段階で添加すれば、「中辛口」「中甘口」「甘口」と、4段階の甘さのマデイラがつくれます。

 

そして、マデイラをマデイラたらしめているのが、独特の加熱処理です。

17世紀にイギリスとインドを往復する船に積んでいたマデイラのワインが、赤道を通過する際の温度上昇で大変おいしくなったことから、この工程を人工的にできないものか?と生み出されたのが、「エストファジェン」という加熱方法でした。

 

マデイラ誕生の経緯やエストファジェンについては、以前に書いた記事があり、URLを下に貼り付けますので、参考にしてください。

 

 

マデイラの本業である(笑)「飲む」ということでは、食前酒としてや食後酒として飲むのが定番ですが、クラッシュアイスを入れたり、ソーダで割ったり、いろいろなアレンジでも楽しまれています。

 

今回のピックアップは、バーベイト社「マデイラ  デルヴィーノ  レゼルバ 5年 辛口」

 

BARBEITO Madeira Delvino Reserva 5 year old Seco/Dry(Portugal, DOP Madeira)500ml

 

ティンタ・ネグラ(5年熟成)80%、セルシアル(7年熟成)20%をブレンドしてつくられたマデイラで、Secoなので「辛口」。

とはいっても、残糖度は49.7g/Lあり、飲むと甘みがあります。

でも、酸がしっかりあるので、さらり、するりと飲めるキレイなスタイル。

紹興酒的なニュアンスが少々あります。

アルコール度数は19%と、思ったより高くありません。

色も琥珀色で、黒っぽくて黒糖のようなトロリと濃密なタイプではないので、食前でも食後でも、いつどこでも気軽に飲めると思います。

スターターとして飲む、ソーダ割りにして、もオススメだそうです。

 

 

私が実際に試し、これは素晴らしい!と思ったのは、食中酒として飲み方で、ペアリングの相手は「豚肉」

 

豚肉のアレンテージョ風

 

豚バラ肉の厚切りをやわらかくブレゼ(蒸す)して、アサリの入った甘めのソースで仕上げています。

豚バラの脂のところがとろけるように甘く、ソースの甘みとよく合って、料理だけを食べてもおいしい!

もちろん、私の手料理ではなく、フレンチビストロで出された料理です(笑)

 

「アレンテージョ風」とあるように、ポルトガル南部のアレンテージョ地方の郷土料理「豚肉とあさりのアレンテージョ風」(山の幸と海の幸を同時に楽しめる料理、付け合わせはジャガイモがマスト?)がベースになっています。

この料理には赤ワインが合うだろうと、最初は赤ワインを飲んでいました。

特に、アレンテージョのソフトなタッチの赤ワインと合わせると、やわらかな豚肉とやわらかな赤ワインが手を取り合い、よく合いました。

 

でも、バーベイトのマデイラ・デルヴィーノを口にした時、このトロトロ豚肉ならマデイラの方が合いそうかも?とピンと来たので、合わせたところ、最高~

 

トロトロの豚バラの甘い脂の部分と甘めのソースに、凛とした甘さと酸味を備えたマデイラのセッコの組み合わせは、お互いがやさしくハグし合うようで、本当に素晴らしいペアリングでした

このバーベイトを紹介してくれたマデイラジャパン株式会社の担当者の方も「合いますね!」と激推し。

 

 

バーベイトのマデイラ・デルヴィーノは、発酵がかなり進んだ段階でアルコール度数96度のグレープスピリッツを添加して発酵を止めています。その後、フレンチオークの樽に入れ、カンテイロシステム(倉庫の2階に樽を置き、太陽の光で倉庫内を暖めて加熱熟成させる方法)で熟成させています。

 

輸入元の公式オンラインページで見ると、2,640円(税込み)

※500mlボトル

 

常温で保管でき、いったん開栓しても、その後、長期間飲める(年単位でもOKといわれました)マデイラは、実に「家飲みに最高なワイン」じゃないですか!

ソーダ割り、クラッシュアイスを入れたスタイル、ミントを加えてモヒートスタイルもできますね。

クリスマスから年末年始用に1本確保しておけば、さまざまなシーンに使えそうです。

 

私が今回感動したような、料理とのペアリングもぜひ試していただきたいです。

豚肉のアレンテージョ風は作れないにしても、脂身が適度にあってやわらかく煮た豚をやや甘めの味つけで、色は薄めに、しっとり仕上げるといいと思います。

 

 

マデイラ・デルヴィーノは辛口タイプでしたが、

「マデイラ スイート」のハーフボトル(375ml)のキャンペーンが、輸入元の公式オンラインページで開催中(2022年1月31日までの期間限定)です。

通常価格より安くなっていて(1,980円、税込)、一口分の送料も無料になっています。

気になる方は、キャンペーンページをチェックしてみてください。

https://www.pontovinho.jp/pickup/detail.html?id=200&p=2

 

 

[参考]

 

マデイラワインとは何ぞや?

https://blog.goo.ne.jp/may_w/e/6db8699bdca56eea47705ab2f7c6f178

 

現代風マデイラワインの楽しみ方

https://blog.goo.ne.jp/may_w/e/3fcda89d943f10263ed113f9a0a07fc0

 

コメント
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