今週、日本未輸入のチリの2ワイナリーが来日し、在日チリ大使公邸にてプレゼンテーションを行ないました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4f/8e/6dc32a8815afdfe44bc64c6c669d1a16.jpg)
Villard Fine Wine / Casa Romero Winery
チリワインは、チリを代表する産品で、今や世界中にその名を轟かせています。
「安くておいしい」と、消費者には嬉しいはずですが、その一方で、「安いのは当然だよね」という思い込みが世間的にあり、「チリワイン好きだと公言しにくい」なんていう友人もいます。
Villard(ヴィラール)もCasa Romero(カサ・ロメロ)も、現地での販売価格を聞くと、コスパ良すぎでしょ!と思ったほどの良心的プライスでしたが、なによりも品質が本当に素晴らしかったのです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/shootingstar.gif)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7e/b2/c183c3c9b546ba2fa6db5f5cc8551d9a.jpg)
Casa Romeroからは、シャルマ方式のスパークリングワイン(シャルドネ60%、ピノ・ノワール40%)、ピノ・ノワール、マルベック、シラー、マルベック+シラー+メルロのブレンドが紹介されました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4f/07/edada0a3eb027bf89a7bd45d9c4443a7.jpg)
Casa Romeroのアンヘリカさん
カサブランカ・ヴァレーにアンヘリカさんの父は2009年に設立した若いワイナリーで、すべての畑をオーガニックで栽培しています。
畑としては200万本を生産できる広さを持っていますが、オーガニックでの栽培が大変なこともあり、現在の年間生産本数は72,000本です。
ここの赤ワインは、いったん新しい樽にすべて入れ、6~8カ月たったら2年使用樽に移す、という醸造方法です。
こうすることで、よりバランスのいい味わいになるそうです。
試飲すると、どれも本当によくできています。
特に、赤ワインはフルーツが凝縮し、のみやかさもある、おいしいワインです。
「カサブランカのテロワールを伝えるワインを造りたい」と、アンヘリカさん。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/65/8e/f41cbdc61e7af0c29056642bc26494bc.jpg)
Edicion Limited 2014
アンヘリカさんの友人のアーティストが描いてくれたラベルとのこと。
2014年ヴィンテージの生産量は2,000本のみ。
果実味がよく凝縮し、スパイシーさのある高品質ワインです。
若いワイナリーでここまでの品質を出してくるとは、海に近い冷涼なカサブランカ・ヴァレーの素晴らしいテロワールもあると思いますが、技術力もある、ということです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/xmas_wine.gif)
もう1社 Villard は、来日したジャン・フランソワさんの父(フランス人、チリでチリ人女性ージャン・フランソワさんの母ーと結婚)が1989年にカサブランカ・ヴァレーに立ち上げたワイナリーです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/04/73/d77c0c65aa6a0d3340723d510b918680.jpg)
ほぼステンレスタンクのみで醸造し、飲みやすくリーズナブルなレンジ「EXPRESSION」。
エントリーレベルのレンジでも、バランスよく造っています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4b/58/25628779d98dd2f008f0211a5a138fa0.jpg)
格上のレンジ「GRAND VIN」シリーズになると、脱帽モノです。
だてにグラン・ヴァンと付けていません。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/20/3c/8cff8fd63a04262bdf14860a74f0b8ff.jpg)
ジャン・フランソワさんは、世界各地のワイナリーでの経験を積み重ね、2005年にヴィラールに戻ってきました。
「エレガントで繊細で、酸が乗った、余韻が長いワインを造りたい」と、ジャン・フランソワさんは言います。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/64/4b/f03b367f4b94148aed5f0219d2b04b6b.jpg)
TANAGRA 2017
TANAGRAは、トップキュヴェを造ろう!と、ジャン・フランソワさんが初めて単独で手掛けたワインで、シラー100%。
初ヴィンテージの2005年の時は買いブドウでしたが、2008年に3つの異なる植樹しました。急勾配の畑に株仕立てで密植(8000本/ha)しています。
最初から樽の中で破砕し、1日に樽を8回も回転させて醸造するため、パンチダウンは行ないません。
色が非常に濃く、フルーツがよく凝縮しています。タンニンが非常になめらかで、こっくりとしたボディが楽めます。
父から、まだラベルに「Villard」の名前を載せられない、と言われているため、Villardの名前は表にはありません。
が、これも素晴らしいワインです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7a/61/16cc762829448e14810716420bae23ea.jpg)
ジャン・シャルルさんは、ピノ・グリージョでオレンジワインにも着手。
グルナッシュも植え始めました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/m_0235.gif)
2社のバックグラウンドは異なりますが、どちらも、キレイな果実味の凝縮感を持ちながら、アグレッシブさを感じない、エレガントで、しなやかなワインです。
海に近い冷涼なカサブランカ・ヴァレーということもあるのでしょう。
かつて、「チリカベ」と呼ばれていた時代の、ガツンとパワフルなワインではなく、それぞれのテロワールを出そうという努力が表現され、洗練された味わいに変わってきています。
それを知らずにいるのは、もったいないことだと思います。
残念ながら、この2社はまだ日本未輸入ですが、プレゼンテーションには輸入元のバイヤーも参加していたので、どちらかが輸入してくれることを期待しています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/hiyos.gif)
ちなみに、Villardは、小規模生産者のグループ「MOVI」に参加しています。
「MOVI」は10年前に結成されました。
私が6年前にチリを訪問した際、サンチアゴにあるメンバーの一人の自宅に招かれ、彼らのワインを飲む機会がありました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6b/2c/fece03f60f2705716426def196ac7687.jpg)
その時の写真には、ジャン・フランソワさんの姿はありませんでしたが、Villardのワインはしっかりと映っていました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/20/14/1473be17ab76d797cd44b59e9ba938cb.jpg)
小さな、しかし、意思を持った造り手が集まる「MOVI」は、チリワインを探求する上で、今後も注目です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/16/97/e2f2f41d6ba31343b76b23bd81647209.jpg)
MOVIのメンバーの皆さん(2013年9月、サンチアゴにて)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/xmas_winebottle.gif)
チリワインが急成長を遂げた時代、大手3社が全体の生産量の50%を占めていたそうです。
現在は、チリのワイナリー数は400ほどに増え、生産地も南北に広がってきています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/11/fb/83b18deefb72853e8011be892bfe282f.jpg)
北のアタカマ砂漠、南の南極、西の太平洋、東のアンデス山脈と、四方を自然の要塞に囲まれ、細長い国土には、さまざまなテロワールが存在するチリ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/27/69/24489117d6d9f4c90279b91cbb8338bd.jpg)
DOも細分化されてきました。
また、魅力的なワイナリーも増えてきました。
チリのテロワール、生産者の個性に注目して飲む時代が、すでに始まっています。
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Villard Fine Wine / Casa Romero Winery
チリワインは、チリを代表する産品で、今や世界中にその名を轟かせています。
「安くておいしい」と、消費者には嬉しいはずですが、その一方で、「安いのは当然だよね」という思い込みが世間的にあり、「チリワイン好きだと公言しにくい」なんていう友人もいます。
Villard(ヴィラール)もCasa Romero(カサ・ロメロ)も、現地での販売価格を聞くと、コスパ良すぎでしょ!と思ったほどの良心的プライスでしたが、なによりも品質が本当に素晴らしかったのです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/shootingstar.gif)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7e/b2/c183c3c9b546ba2fa6db5f5cc8551d9a.jpg)
Casa Romeroからは、シャルマ方式のスパークリングワイン(シャルドネ60%、ピノ・ノワール40%)、ピノ・ノワール、マルベック、シラー、マルベック+シラー+メルロのブレンドが紹介されました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4f/07/edada0a3eb027bf89a7bd45d9c4443a7.jpg)
Casa Romeroのアンヘリカさん
カサブランカ・ヴァレーにアンヘリカさんの父は2009年に設立した若いワイナリーで、すべての畑をオーガニックで栽培しています。
畑としては200万本を生産できる広さを持っていますが、オーガニックでの栽培が大変なこともあり、現在の年間生産本数は72,000本です。
ここの赤ワインは、いったん新しい樽にすべて入れ、6~8カ月たったら2年使用樽に移す、という醸造方法です。
こうすることで、よりバランスのいい味わいになるそうです。
試飲すると、どれも本当によくできています。
特に、赤ワインはフルーツが凝縮し、のみやかさもある、おいしいワインです。
「カサブランカのテロワールを伝えるワインを造りたい」と、アンヘリカさん。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/65/8e/f41cbdc61e7af0c29056642bc26494bc.jpg)
Edicion Limited 2014
アンヘリカさんの友人のアーティストが描いてくれたラベルとのこと。
2014年ヴィンテージの生産量は2,000本のみ。
果実味がよく凝縮し、スパイシーさのある高品質ワインです。
若いワイナリーでここまでの品質を出してくるとは、海に近い冷涼なカサブランカ・ヴァレーの素晴らしいテロワールもあると思いますが、技術力もある、ということです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/xmas_wine.gif)
もう1社 Villard は、来日したジャン・フランソワさんの父(フランス人、チリでチリ人女性ージャン・フランソワさんの母ーと結婚)が1989年にカサブランカ・ヴァレーに立ち上げたワイナリーです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/04/73/d77c0c65aa6a0d3340723d510b918680.jpg)
ほぼステンレスタンクのみで醸造し、飲みやすくリーズナブルなレンジ「EXPRESSION」。
エントリーレベルのレンジでも、バランスよく造っています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4b/58/25628779d98dd2f008f0211a5a138fa0.jpg)
格上のレンジ「GRAND VIN」シリーズになると、脱帽モノです。
だてにグラン・ヴァンと付けていません。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/20/3c/8cff8fd63a04262bdf14860a74f0b8ff.jpg)
ジャン・フランソワさんは、世界各地のワイナリーでの経験を積み重ね、2005年にヴィラールに戻ってきました。
「エレガントで繊細で、酸が乗った、余韻が長いワインを造りたい」と、ジャン・フランソワさんは言います。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/64/4b/f03b367f4b94148aed5f0219d2b04b6b.jpg)
TANAGRA 2017
TANAGRAは、トップキュヴェを造ろう!と、ジャン・フランソワさんが初めて単独で手掛けたワインで、シラー100%。
初ヴィンテージの2005年の時は買いブドウでしたが、2008年に3つの異なる植樹しました。急勾配の畑に株仕立てで密植(8000本/ha)しています。
最初から樽の中で破砕し、1日に樽を8回も回転させて醸造するため、パンチダウンは行ないません。
色が非常に濃く、フルーツがよく凝縮しています。タンニンが非常になめらかで、こっくりとしたボディが楽めます。
父から、まだラベルに「Villard」の名前を載せられない、と言われているため、Villardの名前は表にはありません。
が、これも素晴らしいワインです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7a/61/16cc762829448e14810716420bae23ea.jpg)
ジャン・シャルルさんは、ピノ・グリージョでオレンジワインにも着手。
グルナッシュも植え始めました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/m_0235.gif)
2社のバックグラウンドは異なりますが、どちらも、キレイな果実味の凝縮感を持ちながら、アグレッシブさを感じない、エレガントで、しなやかなワインです。
海に近い冷涼なカサブランカ・ヴァレーということもあるのでしょう。
かつて、「チリカベ」と呼ばれていた時代の、ガツンとパワフルなワインではなく、それぞれのテロワールを出そうという努力が表現され、洗練された味わいに変わってきています。
それを知らずにいるのは、もったいないことだと思います。
残念ながら、この2社はまだ日本未輸入ですが、プレゼンテーションには輸入元のバイヤーも参加していたので、どちらかが輸入してくれることを期待しています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/hiyos.gif)
ちなみに、Villardは、小規模生産者のグループ「MOVI」に参加しています。
「MOVI」は10年前に結成されました。
私が6年前にチリを訪問した際、サンチアゴにあるメンバーの一人の自宅に招かれ、彼らのワインを飲む機会がありました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6b/2c/fece03f60f2705716426def196ac7687.jpg)
その時の写真には、ジャン・フランソワさんの姿はありませんでしたが、Villardのワインはしっかりと映っていました。
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小さな、しかし、意思を持った造り手が集まる「MOVI」は、チリワインを探求する上で、今後も注目です。
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MOVIのメンバーの皆さん(2013年9月、サンチアゴにて)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/xmas_winebottle.gif)
チリワインが急成長を遂げた時代、大手3社が全体の生産量の50%を占めていたそうです。
現在は、チリのワイナリー数は400ほどに増え、生産地も南北に広がってきています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/11/fb/83b18deefb72853e8011be892bfe282f.jpg)
北のアタカマ砂漠、南の南極、西の太平洋、東のアンデス山脈と、四方を自然の要塞に囲まれ、細長い国土には、さまざまなテロワールが存在するチリ。
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DOも細分化されてきました。
また、魅力的なワイナリーも増えてきました。
チリのテロワール、生産者の個性に注目して飲む時代が、すでに始まっています。
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