杯が乾くまで

鈴木真弓(コピーライター/しずおか地酒研究会)の取材日記

すいとんランチ

2008-08-07 20:55:24 | NPO

 昨日(6日)は私が敬愛してやまない女性2人―樹木医塚本こなみさんとNPO法人活き生きネットワーク代表の杉本彰子さんと一緒に、静岡グランドホテル中島屋の和食処ですいとんのランチを食べました。

 すいとんって、戦争中の貧しい食生活を振り返って平和と飽食の時代を考える意味で、この時期、特別メニューで出す店がありますよね。昨日は広島の原爆投下の日だからと仲居さんがとくに勧めてくれました。ホテルの店らしく、それなりに上品で洗練されたすいとんでしたが、健康に気を遣っている2人は大喜びで味わっていました。ホテルで上品にいただくすいとんってのも、何かヘン?と思いつつ、お疲れ気味の2人が、野菜たっぷりの風味豊かなすいとんの味に舌鼓を打つ姿に満足しました。

 

 

 こなみさん、彰子さんとは、(社)静岡県ニュービジネス協議会で出会い、かれこれ15年近いおつきあい。出会った当時、2人は女性起業家として飛ぶ鳥を落とす勢いで注目を集め、NPOの事例研修にチームを組んでニューヨークへ行ったりもしました。ひと回り年下の私は、職業人として、また女性として潔い生き方を貫く2人の背中を追いかけるのに精一杯でしたが、頼れる先輩や目標になる上司を持たないフリーランサーの身としては、2人の活躍が大きな励みとなり、2人が与えてくれるチャンスや仕事は、自分を大いに鍛える場となりました。

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 こなみさんは誰も手を出さなかった大藤の移植を成功させ、足利フラワーパークを集客数日本一観光植物園にし、一昨年のNHKプロフェショナルの出演によって、日本を代表する樹木医として名実共に知られるようになりました。

 彰子さんは長年の業績が評価されて一昨年は少子化担当大臣から、昨年は総理大臣から直接表彰を受けました。

 

 マスコミに取り上げられたり、お上から賞を貰うからエライというわけではありませんが、2人はそういう扱いをされて何ら不思議ではない、それ相応の仕事をしている人たち。バックにエライ人でもいて、推薦されて晴れ舞台に上がったわけではなく、本人たちはいたって自然体で、なんら偉ぶるところはありません。

 

 思うに、2人がスゴイのは、こうと決めたことに、爆走トラックのごとく突進し、途中で投げ出さないところ。馬力が続くのは、仕事でありながら仕事というよりも、いのちをかける、生きがいにするといったレベルで取組んでいるから。人がやれないことを成功させるのは、常識や慣習にとらわれず、対象物(人)の身になってどうしてもらいたいかを考え、口先だけでなく、ちゃんと実践するから。

 

 

 3人で会ったり食事する機会はめっきり少なくなってしまいましたが、いつ会っても2人の強烈なオーラは変わりません。異性と呑みに行くよりも、2人と会うときのほうが楽しくて気が楽で帰りには勇気や元気がもらえたりして、とても充実しています。もっとも、異性と2人で呑みに行く機会こそ、すっかりなくなってしまいましたが・・・。

 

 

 ランチの後は、静岡県商工会連合会の県産フルーツを使った新しいスイーツ開発事業の会議。上品とはいえ、すいとんを食べて飽食の暮らしを反省しなきゃと思った矢先、試作品のチョコ菓子を次から次に頬張り、夜は会議のメンバーで中華ディナーと紹興酒をさんざん食らってしまいました。

 

 

 食べすぎがたたってか、夜中に腹の調子が悪くなり、何度もトイレに起きるハメに・・・。時間が出来たら、粗食だけど生きる原動力につながるような、ちゃんとした?すいとんを作って食べようと誓いました。

 

 

 

 さて、今週一杯で『吟醸王国しずおか』予告版の編集作業にも一定のメドがつきそうです。自分の20年来の地酒への思いを、短いフレーズにしたテロップが、実際に映像に張り付いたのを見て、なんだかじんわり感動してしまいました。

 早く誰かに観てもらいたいような、いや、誰にも見せたくないような、そんな複雑な思いにさいなまれています・・・。