昨日(16日)は、JA静岡経済連の情報誌『スマイル』の取材で、成田空港まで遠征してきました。第二ターミナルビルに、全農連のアンテナショップ「ぶらんどJA」というのがあって、静岡県のお茶なども販売しているのです。
パスポートを持たずに成田空港に来たのは、もちろん初めて。「ぶらんどJA」があるのは、ターミナルビルの入場制限区域内(出国手続き済みの人しか入れない場所)なので、初めて海外旅行をしたときのように右往左往しっぱなし。事前の取材申請はJA静岡経済連が全農連を通してやってくれたのですが、身分証明書の提出やら持ち込むカメラの機種とシリアルナンバーの申請などなど、今まで20数年取材活動をしてきて、こんなに多くの“関所”越えをしなければならない経験は初めてでした。
税関で入場証をもらって職員専用の出入り口を利用する時も、海外旅行用の手荷物ではなく、いつもの取材バッグにいつもどおりの小道具がゴチャゴチャと入っていたので、手荷物検査で何度もブザーにひっかかり、気が付くと後ろに制服を着た空港職員や販売員の人が何人も行列を作っていました(恥・・・)。
それでも、やっと関門をくぐりぬけて、海外ブランドの免税店などが並ぶお馴染みのフロアにたどりつくと、黒で統一されたシックな店構えが目に飛び込んできました。お店の大きさは、駅のキヨスク程度ですが、シックな内装の中に、いちご、りんご、オレンジなど色鮮やかな生鮮フルーツが並び、カラフルな千代紙の茶筒に入った静岡茶も彩りを添えていました。食品、とくに生鮮品を扱うお店は、こういう場所では珍しいので、どんな見せ方をするのかなと思っていましたが、カラーコーディネートをきちんと考えた品のよい店構えでした。
商品は、全国のJAから取り寄せた選りすぐりのもの。生鮮品の持ち込みができるシンガポール、香港、マレーシアの便を使うお客さんでは、お米と果物が人気ナンバーワンだそうです。いちごは強力ブランドの「とちおとめ」「あまおう」が置かれ、1パック1000円ぐらい。セットで3000円以上のものがよく売れるそうです(すかさず、販売員さんに「静岡のあきひめと紅ほっぺもよろしく」と一言添えておきました)。
全農連では、とくに有名産地のものだから置くというわけではなく、むしろ新しい商品を積極的に扱いたいので、各JAさんからぜひ推薦を上げてほしいとのこと。
それでも、「お茶は、宇治、伊勢、静岡の3ヶ所のものを扱っていますが、一番ブランド力があるのは静岡。高くても売れますよ」と嬉しいお言葉。伊勢茶を試飲させてもらいましたが、香りがあんまりなくて…うん、やっぱり静岡茶のほうが「これぞ緑茶の王道」って感じ!
この店の存在は、まだまだ農業関係者に浸透しているわけではないようですが、空港利用時に偶然見つけて「あの県の〇〇〇より、うちのほうがうまい」とか、「故郷の〇〇〇がこういう店で置かれていると誇らしい」といった反応も。作り手のモチベーションを刺激し、高めるようになるなら、こういう場所での農産物のアンテナショップってすごく価値ある存在になりますよね。
ちなみに最近のヒット商品は、大分県の「柚子胡椒」で、肉料理を好む外国人や、海外で日本料理店を経営している人などが大量に買っていくそうです。また「あんぽ柿」や「干し芋」といった素朴な甘味が、とくにアジアの人に大人気だとか。
富士山静岡空港で物販事業を予定している人は参考にしてみてはいかがでしょうか?