お茶&スイーツ関連の取材が続いています。
今日(25日)はJA静岡経済連情報誌『スマイル』の取材で、富士市厚原の創作菓子『ダンデライオン』におじゃまし、シェフパティシエの竹川亨さんに、お茶を使ったスイーツのレシピを教えてもらいました。
竹川さんは、まだ30歳の若さながら、かつてJA静岡経済連の茶業部に在籍し、お茶の栽培から荒茶製造~共販指導まで、茶産業全般にかかわる業務を担当していたという、パティシエにしては異色のキャリアの持ち主。お茶の消費を促進するには、新しい切り口が必要だと実感し、菓子職人に大転身。浜松の有名菓子店で厳しい修業をこなし、3年前、叔父が経営していた和菓子店を継いで、洋菓子工房をオープンしました。
店には常時30種類ぐらいのスイーツが並んでいますが、4~5種は必ずお茶を使ったものをそろえるなど、お茶スイーツにこだわっています。抹茶だけじゃなくて、ほうじ茶や紅茶など、お茶のいろいろな香りを生かした創作菓子が自慢。JA経済連職員時代に養った“審美眼”を生かし、岡部や宇治から厳選した抹茶を取り寄せ、実家が所有する茶園で採れる茶葉も使うなど、素材選びにも絶対の自信を持っています。
一般のパティシエの中には、お茶のことをよく知らずに、香りがあまりない粉茶を平気で使う人もいるそうですが、竹川さんはあくまでも「香りを活かさなければお茶を使う意味がない」との持論をもとに、抹茶の香りが足りないときは煎茶を粉砕して加えるなど、きめ細かな微調整をするそうです。
今日は、抹茶を使ったマドレーヌとミルクレープを作ってもらいました。焼き菓子の場合は、香りが飛びやすいので高温で短時間に仕上げるのが鉄則。また香りが足りないからと抹茶の量をむやみに増やすと、お茶に含まれるカテキンが生地のふくらみを妨げてしまうそうで、「お茶を使うスイーツは、お茶の投入量の見極めが大事」と強調します。
焼きたての抹茶マドレーヌは、卵と砂糖を泡立て、薄力粉&ベーキングパウダー&抹茶を混ぜ、溶かしバターを加えて焼くだけのシンプルなメニューですが、泡立てる時間、粉類の分量、混ぜ合わせの力の入れ方等など、竹川さんが試行錯誤して作り上げたレシピがいかに完璧かが、焼き上がりを試食した時によ~く解りました。
ほんとに、ふんわりとして、お茶の色がきれいで、香りもよく、こういうシンプルな焼き菓子だからこそ、職人の技量が試されるんだなぁと実感しました。
ミルクレープも、生地を分量通り混ぜて、フライパンで卵焼きみたいに薄く焼いて、生クリームやゆで小豆をサンドするというシンプルなレシピですが、これ、自宅で作れたら、みんなに尊敬されそう!と思えるほどサマになってるでしょ? 私が作ったわけじゃないけど(苦笑)。
レシピの詳細は、スマイル40号(09年4月末発行予定)にてご紹介します。発行後、本ブログでも紹介しますので、今年の新茶シーズンは、ぜひお茶スイーツづくりにチャレンジしてみてください!
なお、抹茶マドレーヌは、『茶ドレーヌ』としてダンデライオンさんでも店頭販売しています(1個140円)。
お店は国道139号線に並行して走る厚原中通りに面し、駐車場も6台止められる交通至便な場所にありますので、富士・富士宮方面をドライブする機会があったら、ぜひお土産ショッピングにどうぞ。静岡らしいお茶スイーツやいちごの紅ほっぺロールケーキなどもそろっています。
◆創作菓子『ダンデライオン』 富士市厚原691-1 TEL&FAX 0545-71-3619 9:00~21:00 木曜定休