昨日(26日)はウェスティンナゴヤキャッスルで東海4県の地酒を楽しむ会(日本酒造組合中央会中部支部主催・名古屋国税局後援)に参加しました。昨年は、ブログでも紹介したとおり、午前中に名古屋入りしてシネマスコーレで映画を2本、愛知県立美術館で杉本健吉展を鑑賞した後、会場入りし、酒とアートを満喫しましたが、今年はシネマスコーレで1本しか映画を観る時間がありませんでした。
でもちょうど観たかった『チェ・ゲバラ~人々のために』が女性サービスデー1000円で見られてラッキー! ソダーバーグ監督の『チェ2部作』によってブームが再燃したチェ・ゲバラですが、この作品は99年にアルゼンチンで製作されたドキュメンタリーで、本人の映像や当時を知る証言者のインタビューで構成されていました。
面白いと感じたのは、ソダーバーグの『チェ2部作』は、過剰な演出や視覚効果・音楽などを一切排したドキュメンタリー仕立てで、今日観たアルゼンチン版はドキュメンタリーなのに音楽もテロップの入れ方も派手で凝っていて、ちょっと疲れちゃうなぁと思えるほど。
もちろん、ソダーバーグ版は素っ気ない作りでも、俳優がきちんと演じているから伝わるものがちゃんとあり、アルゼンチン版は古いフィルムやスチールや証言者のインタビューだけでつなげなければならないハンディがあってのことだと思いますが、今更ながら、ドキュメンタリーづくりって難しいなぁと実感させられました。
終了後、タクシーに飛び乗ってナゴヤキャッスルへ。すでにきき酒セミナーが始まっていて、600人ほどの参加者がごったがえしていました。
名古屋国税局清酒鑑評会は一昨日、一般公開があり、審査員の講評が出品蔵に直接伝えられるという形式をとっているので、順位付けなどはしません。
結果がわからずとも、各蔵が、東海4県の鑑評会にどんなタイプの酒を出すのか探るのが私の楽しみ。静岡県以外の県(愛知・三重・岐阜)の酒は、相変わらずカプロン酸系の香味の厚いタイプが多く、静岡県の出品蔵も、静岡県清酒鑑評会の出品酒とは明らかに異なり、どの酒も若干厚みがありました。とはいえ、他県に比べれば、静岡らしい酢酸系の香りや味の軽快感もちゃんとあって、他県の酒に慣らされた審査員がこういう酒を試飲すると、「異様な香り」「味が薄い」という評価になりがち…のようです。
今日のきき酒会に出品していた県内蔵は、君盃、志太泉、千寿、天虹(曽我鶴萩の蔵)、開運、初亀、花の舞、高砂、富士錦、千代乃峯、富士山(白糸)、若竹、臥龍梅の13社。静岡県清酒鑑評会の出品蔵が25社でした。静岡らしさが思うように評価されにくい東海4県に出品を取りやめる蔵は年々増えているようです。
メイン会場での『東海4県の地酒を楽しむ会』では、4県ごとにブースが設けられ、静岡県ブースには日本酒造組合中央会中部支部長の土井さん(開運)、日比野さん(若竹)、望月さん(正雪)、鈴木さん(臥龍梅)、功刀さん(千代乃峯)、高田さん(花の舞)、山下さん(千寿)が呑み頃のラインナップを紹介していました。
中央のステージではお決まりの鏡開きが行われました。「日本酒」って書いた菰樽があるんですね(笑)。
今年は1200人入る大宴会場に600人しか集まらなかったそうで、料理は余裕で残っていました。食べ損ねる心配がないせいか、お客さんの多くがブースでゆったり試飲を楽しんでいました。私はいつものとおり、料理には目もくれず、ひたすら試飲。
会は1時間ほどであっけなく終わり、地酒研メンバーの曽根さん、佐藤さん、正雪の望月さんと2次会へ。入った日本料理店には、私の口に合う酒がなくて、去年と同じようにビールで打ち上げ。
これといった新発見はなかった今年の東海4県、出品蔵が減り、客も少なくなったのに、会場だけは立派で盛大で、参加蔵の負担金もバカにならないみたい。この先どうなるのかしらと他人事ながら心配になりました。
それに引き替え、6月の志太平野美酒物語や、9月の静岡県地酒まつりIN東京の人気ぶりといったら…。市町村合併は進む一方ですが、こと地酒に関する地域イメージは、むやみに合従連衡する必要もなく、それぞれの地域の特性を胸を張って打ち出せばいいのに、と思いました。