3月30日開催の『しずおか地酒サロン~松崎晴雄さんの静岡県清酒鑑評会2011うらなばし』、参加者の紹介コメントのつづきです。
◆日吉浩之さん/K-MIX静岡エフエム放送静岡支社主任(静岡市葵区)
ラジオ局に勤めております。大震災の報道に関してはテレビで現地の映像をたくさんご覧になったかと思います。ラジオも発生直後は緊急特番に切り替えましたが、K-MIXの場合は静岡県内限定ということもあって、わりと早い段階で通常番組に戻し、リスナーのメッセージや音楽を中心に放送しています。できるだけ日常に戻すということを心掛けました。
ラジオは心のライフラインだと思っています。心のケアが必要な時期に、ラジオの役割がまた一段と大きくなるだろうと思い、気を引き締めています。
◆岩倉みゆきさん/梅辰専務取締役(静岡市葵区)
『梅にんにく』をご愛顧いただいている梅辰です。ボタニカは自宅から近く、オーナーとも知り合いだったご縁で参加させていただきました。
今日は日本酒にあうおつまみとして、「梅にんにく」「京みそにんにく」「さきわり大根」「ごぼうの浅漬け」「青とうがらし」をお持ちしました。よろしくお願いします。
◆外山祐介さん/静岡県農林技術研究所作物科研究員(磐田市)
県農林技術研究所で米の栽培育種を担当し、『誉富士』を育種した宮田さんの後任として誉富士の普及に努めています。
自分は公務員ですが、仕事以外の場でいろんな方と話をし、意見交換し、本音をぶつけあっていきたいと思っていました。鈴木さんから、まさにそういう集まりの会に誘っていただき、喜んで参加させてもらいました。
もともとお酒は大好きで、北海道で過ごした大学時代、寒い時期は鍋料理をすることが多く、先輩や仲間と出身地の酒を持ち寄ってよく飲みました。酒はあまり弱くない体質で(笑)、先輩から「お前、一人で一升空けてたぞ」と言われたことも。まさか自分が酒米育種に関わるようになるとは思わなかったのですが、プレッシャーを感じつつも自己満足で終わることなく、求められる育種をしっかり研究していきたい。行政と民間の声がすれ違うようなかたちにはしたくないと思っています。
その意味でも、こういう交流の場は非常に貴重です。今後ともどうぞよろしくお願いします。
◆後藤英和さん/ときわストア・地酒Barイーハトーヴォ(藤枝市)
岡部の後藤です。先ほど平野さんの「タマラ・プレス」のお話にありま したが、自分にも、長年大事に温めていた名前があります。宮沢賢治の『イーハトーヴォ』です。自分の店を改装する時、新しく造るBarスペースの店名として、“酒を愛する者にとっての理想郷”という意味で使わせてもらいました。
自分がこの業界に入った時、藤枝税務署管内には日本酒の蔵元が8蔵ありましたが、3蔵が廃業してしまいました。残った5蔵は絶対に守らなければという使命感もあって、酒にとって、蔵元にとって、お酒を愛する人にとって理想郷の店になればと日夜努力しています。ロケーション的に厳しい場所ですが、この業界のため少しでも力になればと思っています。
今日は『志太泉』の袋搾りをした普通酒生原酒というのをお持ちしましたので、ぜひお試しください。
◆藤田尚徳さん/なすび専務取締役(静岡市清水区)
初めて参加させていただきます。なすびは先々週、中国では3店舗目の上海店がオープンしました。中国進出はこれまで順調に推移してきたのですが、今回の震災と原発事故というのは海外の人にとって非常にナー バスなニュースで、先々週、羽田から上海に飛んだとき、行きの飛行機は中国人で満席、帰りはガラガラで、中国人の客室乗務員はゼロでした。現地の店は、日本から直輸入の刺身や日本酒をウリにしていましたので、非常に痛手を被っています。
さきほど野田さんがおっしゃったように、日本はこういう時だからこそ、落ち着いて日常生活を送ることが経済を冷やさない大事なことだと思っています。当店でも予約のキャンセルが随分ありました。「富士川をはさんで西は勝ち組だ」なんて言う人もいましたが、だったら西の人間が両足でしっかり立って経済を支える責任があると思います。
パーっと楽しく明るく、というわけにはなかなかいきませんが、被災していない我々が一日一日を元気に過ごすって大切ですね。中国の店でも、スタッフが笑顔を絶やさず、毎日元気にしていれば中国のお客さんにも理解していただけると信じています。みなさん、一日一日、笑顔で過ごしていきましょう。
◆赤堀真太郎さん/なすび常務取締役総支配人(静岡市清水区)
はじめまして、赤堀と申します。なすびでは藤田専務が司令塔で私は現場監督というポジションです。プライベートでは醸造酒が大好きで、自宅でも日本酒とワインのコレクション瓶を並べてニヤニヤしている男です(笑)。
日本は今、大変な状況ですが、そもそも日本のGDPを支えているのは17時以降の消費だと聞いたことがあります。海外に行くと、こんなに夜、活気のある国は日本しかないと実感します。そういうところで自粛をしてしまうと、せっかく震災を免れた地域も元気をなくしてしまう。GDPを下支えするためにも、ぜひ元気を取り戻しましょう。
◆前田茂樹さん/蕎麦庵まえ田(藤枝市岡部)
岡部で蕎麦屋をやっております。自分で打ってます。場所は初亀の裏です。よろしくお願いします。
◆松下明弘さん/稲作農家(藤枝市)
松下です。16日、茨城の米作り仲間のもとへ援助物資を届けに行ってきました。自分の2トントラックに軽油や灯油やトイレットペーパーを満杯して運びました。被災地は道路が陥没したりして仲間の家まで行けず、途中まで取りに来てもらったのですが、首都圏ではまったく普通の日常風景なのに、ある地点から景色が一変して不思議でした。
福島・会津の仲間に電話をいれたとき、「会津は被災しなかったが、被災しなかったばっかりに援助物資が一切入ってこなかった」とこぼしていました。彼は「まあ、ここはもともと過疎地でモノがないし、野菜や米は自分で作って自給自足みたいに暮らしてっから、慌てることはないんだが」と笑ってましたが。
現地へ行く前、ドラム缶をかき集めようと近所のガソリンスタンドを回ったら、スタンドの従業員さんが、こちらが被災地に行くとわかって販促用のトイレットペーパーを600巻も持たせてくれました。他のスタンドでも300箱くれました。茶髪の兄ちゃんが店の備品のトイレットペーパーを裸のまんまありったけ持ち出して、「届けてくれ」と手渡ししてくれた店もありました。
被災地から遠い静岡県でも、誰もが「何か協力したい」思いにかられたんですね。・・・日本中がこんな気持ちになったなんて、初めてでしょう。今回の震災は、ある意味で、日本のこれからの生き方を示してくれたんではないかと実感しています。
現地の農業仲間には「今後、ますます有機農業が進んでいくだろうから、復興したら、必要な技術はオレがすべて提供する。今からその準備をしておくから」と伝えておきました。
とりあえずみなさんは一生懸命『喜久醉松下米』を買ってください(笑)。それが回り回って震災支援になりますから!
◆小楠享司さん/静岡県労働金庫(静岡市葵区)
遅れてきてすみませんでした。しずおか地酒研究会や吟醸王国しずおか映像製作委員会の斗瓶会員にはなぜかマラソンランナーが多くて、私も3月初めの駿府マラソンには参加できたんですが、こういうことになって、エントリーしていた大会が次々に中止となってしまいました。
フランスのボルドーにはワインマラソンというのがあり、日本でも長野県小布施でワインの試飲ができるマラソン大会があります。地酒研究会でも、志太地区のように酒蔵が集積しているエリアで、地酒マラソンみたいなイベントが出来たらいいね~なんて話しています。・・・少しでも明るく楽しくなることを考えましょう。