「道」と「ひまわり」二日連続で観た。
評価
支倉常長が率いた慶長遣欧使節団の史実に基づいた切支丹迫害を主題とした物語。1613年、長谷倉六右衛門など4人の使者と従者、商人、スペイン船員総勢100人を越す人々を乗せた大船は陸前の月ノ浦からノベスパニヤ(メキシコ)へ向けて出港した。
一行は苦難の末、アカプルコへ上陸しメヒコでは商人38人が商取引を円滑に行うために洗礼を受け、原住民の襲撃もかわし、通訳として使節団に加わっていたポーロ会のベラスコ神父の勧めもあり大西洋を横断してエスパニヤ(スペイン)へ渡る。
ノベスパニヤとの通商と宣教師の受け入れを願った藩の証書を国王に手渡したい使節団だったが、この間、日本国内で切支丹が全面禁制となったことを受けて、マドリッドでは日本側の要望の取り扱いについて宗教界での議論が続いた。その結果、受け入れを拒否された使節団は、一縷の望みを胸にローマ法王に拝謁するも、これは形ばかりのものであり大願成就ならず悲嘆にくれつつ長谷倉は1620年帰国する。後に再度日本入国を果たしたベラスコ神父は火刑とされ、長谷倉も切支丹改宗の咎で処刑されてしまうのだった。
べラスコ神父の行動がキリストの生涯と重なり、当初は切支丹改宗を歯牙にもかけなかった長谷倉の変化が「寄り添うキリストの姿」に重なり心に響いた。今一度「沈黙」を読まねばならんだろう!神父が語る「日本人論」かなり面白かったです。ためになりました!
【追伸】
どうやら使節団派遣の目的は、貿易や宣教師の受け入れはまやかしで実は「航海術、船舶の建造方法、外国航路の情報収集」だったらしいです。支倉常長さんたちは捨て石となったということでしょう。