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一路(下)ー浅田次郎

2022年02月13日 | 読書

評価4

再読(前回2018年12月22日)。
西美濃・蒔坂家の参勤道中、数日の遅れはあったもののついに江戸到着!吹雪の和田峠越え、お殿様の体調悪化、深谷での他大名とのダブルブッキング、お家転覆を画策する悪者との格闘等々、艱難辛苦を乗り越えた御供頭・小野寺一路の「一所懸命」な姿が読む者を勇気づけるロードノベル完結。

時々顔を出す幕末模様であったが、全編を流れるのは太平の世を思わせる参勤道中の一大絵巻と思わせておいて、実は作者は太平の世の終わりを描きたかったのかもしれないと思わせられる老中の言葉が最終盤に登場する。

「・・・参勤交代の制はやがてほどなく、消えてなくなるであろう。閣老のひとりが異を唱えたところで、もはやどうにもなるまい」

幕末を舞台にした小説を続けて読んで来たから腑に落ちる箇所であった。まだまだ「江戸読み」は続く。



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