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ローマ世界の終焉(下)ー塩野七生

2022年06月18日 | 読書
評価5

再読(前回2020年10月4日)。
西ローマ滅亡後イタリアの支配権は西ゴート族から東ゴート族へと移行するが、その50年間は経済も人口も上向いた蛮族による善政期間であった。その後東ローマの介入により再び戦場となったイタリアは荒廃の一途をたどり568年ロンゴバルド族の進攻でとどめを刺される。これにて「ローマ人の物語」【完】

旧西ローマ帝国領土の再復を目論んだ東ローマ帝国の皇帝ユスティニアヌスは、北アフリカのヴァンダル王国を打倒した余勢をかって、539年当時の皇宮があったラヴェンナを奪還するも、ゴート族との戦いが各地で続き、18年間にも及んだ争いが人口激減、土地の荒廃を招いたとともに指導層が消滅してしまったことが復活できない要因となった。そして、東ローマ帝国皇帝代官となったナルセスの15年間の圧政がイタリアの息の根を止めることになる。その後、613年アラビア半島で預言者マホメッドが布教を開始したイスラムが勢力を伸ばし始めるのだった。

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