5月26日 NHK外ネットワーク
西アフリカの国々が直面している問題が海面の上昇。
セネガルからナイジェリアにかけて4,000キロにわたる海岸で人々の生活が脅かされている。
ナイジェリアでは去年の夏には大都市ラゴスのの沿岸をたびたび高波が襲って
砂浜にあった住宅や店が次々に破壊された。
トーゴでも去年 沿岸を走る道路が被害を受け道路の下の土砂が浸食されたり道路がほとんど水没。
こうしたなか日本などの支援によって対策が進められ始めている国がセネガルである。
セネガルの首都ダカールから北へ4時間のサンルイには海に沈んだ集落がある。
海岸沿いにあった多くの集落が水に呑まれてしまった。
元は漁村だったが
3年ほど前から天候が悪化すると経験したことがないような高波が押し寄せるようになった。
高波の勢いは予想をはるかに上回っていた。
「出稼ぎから帰ってきたら家がなくなっていた。」
海面上昇は沿岸の人々の暮らしを大きく変えようとしている。
4年前の3月の夜に発達した低気圧の影響で風が強まっていた。
数メートルの高波が突然漁師のアリウンヌ・バさんの家を襲い
海水がドアを突き破って流れ込んできた。
家族はなんとか逃れたが家は土台や壁が大きく壊れた。
「このあたりまで水が来てすべて持っていかれた。
家族みんな怖い思いをした。」
いまは元の自宅近くに借りた6畳程度の部屋に一家20人で暮らしている。
その後 家を壊すほどの高波は来ていないが海が荒れると夜も眠れなくなる。
安全な場所に引っ越す余裕もないため不安を抱えながらの生活を続けている。
「とても不安。
逃げるために非常用のドアをつけた。
そうしなければならない状況だ。」
高波を引き起こす海面上昇はなぜ起きるのか。
地元の大学教授は地球温暖化が原因だと考えている。
温暖化で北極と南極の氷が溶け海水量が増える。
増えた海水は南北から海流に乗って西アフリカ沖へ。
赤道に近いこの地域では強い日差しによって水が膨張することで海面が顕著に上昇し
高波を発生させているというのが教授の説である。
(ブブ・アルジュマ・スィ教授)
「多くの住民が恐怖にさらされている。
環境を改善させるため国際社会はこの地域にもっと目を向けるべき。」
家を失った住民を支援するため国連は内陸に住宅を建設した。
日本政府も約2億円を拠出しこれまでに68戸が完成。
さらに80戸余りを建設する計画である。
高波で家を壊されたバさんも孫と一緒にこの住宅を見学に来た。
広々とした部屋 シャワーにトイレ
何よりもここなら高波の心配をすることがない。
希望者が多く入居のめどは立っていないがバさんは入居を強く希望している。
(アリウンヌ・バさん)
「今の住まいはいつも危険にさらされている。
ここに住めるのなら今すぐ引っ越してきたい。」
セネガル政府は失われた砂浜を再生する試みを始めた。
ヨーロッパからも多くの観光客をひきつけていたリゾート地サリー。
美しい砂浜を誇ったこのリゾート地はサッカーのセネガル代表チームも合宿し人気を集めていた。
しかし今では場所によっては砂浜が跡形もなく消え
訪れる人たちは激減。
ホテルの中には従業員を半分近く解雇したところもあった。
セネガル政府は国を代表する砂浜を再生することが
観光業の復活と経済の活性化につながると考えた。
スレイマン・エンベンゲさんは砂浜の再生に向けて防波堤を整備するプロジェクトのリーダーである。
建設中の防波堤はエンベンゲさんが設計した。
防波堤は効果的に設置することで砂の流出を抑えることができる。
エンベンゲさんはこの技術を去年 日本のJICA国際協力機構が実施した研修で学んだ。
防波堤がすべて完成すると5年ほどで砂浜が再生できるのである。
(スレイマン・エンベンゲさん)
「このやり方は日本で学んだ。
日本に行くまで知らなかった。
成功させるまでにいろいろな研究機関と連携しながら研究を続けていきたい。」
今なお浸食され破壊が進む西アフリカ沿岸。
地元の人たちはこれに立ち向かうとともに国際社会の更なる支援に強い期待を寄せている。
砂浜の再生に取り組むためにセネガルではこれまでに30人がJICAの研修を受けた。
セネガルの海岸線は500キロ以上。
こうした人材の育成を通じてどこまで再生できるのか
まだまだ息の長い取り組みが必要になってくる。
アフリカ経済の将来性は今やアジアに匹敵すると言われている。
アフリカの繁栄を後戻りさせずに世界経済の発展につなげていくには資源頼みではなく
幅広く産業を育てて富が人々に行きわたるそうした経済の仕組みを作ることが大事になってくる。
西アフリカの国々が直面している問題が海面の上昇。
セネガルからナイジェリアにかけて4,000キロにわたる海岸で人々の生活が脅かされている。
ナイジェリアでは去年の夏には大都市ラゴスのの沿岸をたびたび高波が襲って
砂浜にあった住宅や店が次々に破壊された。
トーゴでも去年 沿岸を走る道路が被害を受け道路の下の土砂が浸食されたり道路がほとんど水没。
こうしたなか日本などの支援によって対策が進められ始めている国がセネガルである。
セネガルの首都ダカールから北へ4時間のサンルイには海に沈んだ集落がある。
海岸沿いにあった多くの集落が水に呑まれてしまった。
元は漁村だったが
3年ほど前から天候が悪化すると経験したことがないような高波が押し寄せるようになった。
高波の勢いは予想をはるかに上回っていた。
「出稼ぎから帰ってきたら家がなくなっていた。」
海面上昇は沿岸の人々の暮らしを大きく変えようとしている。
4年前の3月の夜に発達した低気圧の影響で風が強まっていた。
数メートルの高波が突然漁師のアリウンヌ・バさんの家を襲い
海水がドアを突き破って流れ込んできた。
家族はなんとか逃れたが家は土台や壁が大きく壊れた。
「このあたりまで水が来てすべて持っていかれた。
家族みんな怖い思いをした。」
いまは元の自宅近くに借りた6畳程度の部屋に一家20人で暮らしている。
その後 家を壊すほどの高波は来ていないが海が荒れると夜も眠れなくなる。
安全な場所に引っ越す余裕もないため不安を抱えながらの生活を続けている。
「とても不安。
逃げるために非常用のドアをつけた。
そうしなければならない状況だ。」
高波を引き起こす海面上昇はなぜ起きるのか。
地元の大学教授は地球温暖化が原因だと考えている。
温暖化で北極と南極の氷が溶け海水量が増える。
増えた海水は南北から海流に乗って西アフリカ沖へ。
赤道に近いこの地域では強い日差しによって水が膨張することで海面が顕著に上昇し
高波を発生させているというのが教授の説である。
(ブブ・アルジュマ・スィ教授)
「多くの住民が恐怖にさらされている。
環境を改善させるため国際社会はこの地域にもっと目を向けるべき。」
家を失った住民を支援するため国連は内陸に住宅を建設した。
日本政府も約2億円を拠出しこれまでに68戸が完成。
さらに80戸余りを建設する計画である。
高波で家を壊されたバさんも孫と一緒にこの住宅を見学に来た。
広々とした部屋 シャワーにトイレ
何よりもここなら高波の心配をすることがない。
希望者が多く入居のめどは立っていないがバさんは入居を強く希望している。
(アリウンヌ・バさん)
「今の住まいはいつも危険にさらされている。
ここに住めるのなら今すぐ引っ越してきたい。」
セネガル政府は失われた砂浜を再生する試みを始めた。
ヨーロッパからも多くの観光客をひきつけていたリゾート地サリー。
美しい砂浜を誇ったこのリゾート地はサッカーのセネガル代表チームも合宿し人気を集めていた。
しかし今では場所によっては砂浜が跡形もなく消え
訪れる人たちは激減。
ホテルの中には従業員を半分近く解雇したところもあった。
セネガル政府は国を代表する砂浜を再生することが
観光業の復活と経済の活性化につながると考えた。
スレイマン・エンベンゲさんは砂浜の再生に向けて防波堤を整備するプロジェクトのリーダーである。
建設中の防波堤はエンベンゲさんが設計した。
防波堤は効果的に設置することで砂の流出を抑えることができる。
エンベンゲさんはこの技術を去年 日本のJICA国際協力機構が実施した研修で学んだ。
防波堤がすべて完成すると5年ほどで砂浜が再生できるのである。
(スレイマン・エンベンゲさん)
「このやり方は日本で学んだ。
日本に行くまで知らなかった。
成功させるまでにいろいろな研究機関と連携しながら研究を続けていきたい。」
今なお浸食され破壊が進む西アフリカ沿岸。
地元の人たちはこれに立ち向かうとともに国際社会の更なる支援に強い期待を寄せている。
砂浜の再生に取り組むためにセネガルではこれまでに30人がJICAの研修を受けた。
セネガルの海岸線は500キロ以上。
こうした人材の育成を通じてどこまで再生できるのか
まだまだ息の長い取り組みが必要になってくる。
アフリカ経済の将来性は今やアジアに匹敵すると言われている。
アフリカの繁栄を後戻りさせずに世界経済の発展につなげていくには資源頼みではなく
幅広く産業を育てて富が人々に行きわたるそうした経済の仕組みを作ることが大事になってくる。