6月21日 おはよう日本
ユネスコの世界遺産委員会は20日の会議で内戦が続くシリアにある世界遺産6か所すべてを
危機にさらされている遺産に指定することを決めた。
なかでも特に危機的な状況にあるのが古代都市アレッポ。
東西交易の中継地として栄え旧市街全体が世界遺産になっている。
かつては多くの外国人観光客でにぎわったアレッポの中心にそびえる
アレッポ城は難攻不落の城として知られていた。
中東有数の規模と歴史を誇る市場(スーク)は小さな店がぎっしりと並び総延長は12キロ。
千年にわたってにぎわってきた。
高さ45メートルの塔ミナレットが特徴の大モスク。
イスラム世界で最も美しいモスクのひとつと言われてきた。
こうした貴重な文化遺産がいま内戦によって深刻な被害を受けている。
アレッポから来日中のアレッポ博物館のユーセフ・カンジョ館長が世界遺産の危機を訴えた。
今年3月に来日し東京大学で研究を続けている。
この日は岡山城を訪れた。
(アレッポ博物館 ユーセフ・カンジョ館長)
「いまのシリアではこのような城はすぐ砲撃されて燃えてしまいます。」
日本滞在中もアレッポの状況を気にかけている。
インターネットを通じて博物館にいる部下と連絡を取っている。
つながるのは3日に1回。
現地から切迫した状況が伝えられる。
博物館のすぐ近くでは去年10月に爆弾テロが発生。
4度の爆発の衝撃で博物館の天井や窓ガラスが吹き飛んだ。
持ち運べる収蔵品は地下にある秘密の倉庫に移された。
石像や石碑など重くて動かせないものは爆風から守るため土嚢を積み上げた。
戦火の中貴重な文化遺産を守ろうと必死の努力が続いている。
カンジョさんは岡山市内で講演を行い
今この瞬間にも貴重な文化遺産が失われつつあると訴えた。
(アレッポ博物館 ユーセフ・カンジョ館長)
「破壊は日常的で空爆やミサイル 戦車などが歴史的建造物を破壊してしまいます。」
内戦前と戦闘で無残に破壊された後の写真を比べて被害の深刻さを説明。
「アレッポ城の城壁には迫撃砲の攻撃のあとが残っています。」
町の象徴アレッポ城は現在 政府軍の部隊が駐留し激しい戦闘の場となっている。
大モスクにそびえたっていたミナレットは今年4月に跡形もなく破壊された。
「市場も兵士に占領され屋根が破壊されてしまいました。」
(参加者)
「ニュースでは聞いていたけど予想以上に破壊が進んでいる。」
「どうしてそんなことになっちゃったのか。
アレッポは好きな街なのでちょっと悲しい。」
(アレッポ博物館 ユーセフ・カンジョ館長)
「シリアの文化遺産はシリアだけのものではありません。
失われることは世界にとっても損失なのです。」
シリアの文化遺産を守るため日本に何ができるのか。
30年以上にわたりシリアで遺跡の発掘を続けている筑波大学の常木晃教授。
文化遺産を守るためにはそれを守る人を助けなければならない。
シリアから考古学の学生を日本に受け入れることにした。
(筑波大学 常木晃教授)
「現地の若い考古学者を目指している学生を受け入れて
自分たちのところで勉強してもらう。
彼らはやがてシリアの考古学を背負って立つ人材になる。」
今年4月に来日したシリア人留学生 サリー・ジャンモさん。
アレッポ大学の考古学学科の学生だったジャンモさんは
常木教授のシリアでの発掘にも参加していた。
戦闘が激化しシリア国内で研究を続けることは難しくなっているため
日本に来ることを決意した。
(シリア人留学生 サリー・ジャンモさん)
「国外で研究を続けることができ幸運だと思っています。
シリアに帰ったら戦争で破壊された文化遺産の修復に携わりたい。」
一日も早く昔のような平和が戻ってほしい
シリアと日本の考古学者たちの切なる願いである。
シリアの世界遺産は
危機にさらされている世界遺産に登録されたことで
修復のためユネスコから財政的支援などを受けることができるようになるが
激しい内戦が続く中ですぐには支援が難しい。
一方 日本でシリアについて研究している人たちは
シリアの世界遺産を守るために日本に何ができるか
来月 支援に向けた会議を開くなど
遺産を守るために動き出している。
ユネスコの世界遺産委員会は20日の会議で内戦が続くシリアにある世界遺産6か所すべてを
危機にさらされている遺産に指定することを決めた。
なかでも特に危機的な状況にあるのが古代都市アレッポ。
東西交易の中継地として栄え旧市街全体が世界遺産になっている。
かつては多くの外国人観光客でにぎわったアレッポの中心にそびえる
アレッポ城は難攻不落の城として知られていた。
中東有数の規模と歴史を誇る市場(スーク)は小さな店がぎっしりと並び総延長は12キロ。
千年にわたってにぎわってきた。
高さ45メートルの塔ミナレットが特徴の大モスク。
イスラム世界で最も美しいモスクのひとつと言われてきた。
こうした貴重な文化遺産がいま内戦によって深刻な被害を受けている。
アレッポから来日中のアレッポ博物館のユーセフ・カンジョ館長が世界遺産の危機を訴えた。
今年3月に来日し東京大学で研究を続けている。
この日は岡山城を訪れた。
(アレッポ博物館 ユーセフ・カンジョ館長)
「いまのシリアではこのような城はすぐ砲撃されて燃えてしまいます。」
日本滞在中もアレッポの状況を気にかけている。
インターネットを通じて博物館にいる部下と連絡を取っている。
つながるのは3日に1回。
現地から切迫した状況が伝えられる。
博物館のすぐ近くでは去年10月に爆弾テロが発生。
4度の爆発の衝撃で博物館の天井や窓ガラスが吹き飛んだ。
持ち運べる収蔵品は地下にある秘密の倉庫に移された。
石像や石碑など重くて動かせないものは爆風から守るため土嚢を積み上げた。
戦火の中貴重な文化遺産を守ろうと必死の努力が続いている。
カンジョさんは岡山市内で講演を行い
今この瞬間にも貴重な文化遺産が失われつつあると訴えた。
(アレッポ博物館 ユーセフ・カンジョ館長)
「破壊は日常的で空爆やミサイル 戦車などが歴史的建造物を破壊してしまいます。」
内戦前と戦闘で無残に破壊された後の写真を比べて被害の深刻さを説明。
「アレッポ城の城壁には迫撃砲の攻撃のあとが残っています。」
町の象徴アレッポ城は現在 政府軍の部隊が駐留し激しい戦闘の場となっている。
大モスクにそびえたっていたミナレットは今年4月に跡形もなく破壊された。
「市場も兵士に占領され屋根が破壊されてしまいました。」
(参加者)
「ニュースでは聞いていたけど予想以上に破壊が進んでいる。」
「どうしてそんなことになっちゃったのか。
アレッポは好きな街なのでちょっと悲しい。」
(アレッポ博物館 ユーセフ・カンジョ館長)
「シリアの文化遺産はシリアだけのものではありません。
失われることは世界にとっても損失なのです。」
シリアの文化遺産を守るため日本に何ができるのか。
30年以上にわたりシリアで遺跡の発掘を続けている筑波大学の常木晃教授。
文化遺産を守るためにはそれを守る人を助けなければならない。
シリアから考古学の学生を日本に受け入れることにした。
(筑波大学 常木晃教授)
「現地の若い考古学者を目指している学生を受け入れて
自分たちのところで勉強してもらう。
彼らはやがてシリアの考古学を背負って立つ人材になる。」
今年4月に来日したシリア人留学生 サリー・ジャンモさん。
アレッポ大学の考古学学科の学生だったジャンモさんは
常木教授のシリアでの発掘にも参加していた。
戦闘が激化しシリア国内で研究を続けることは難しくなっているため
日本に来ることを決意した。
(シリア人留学生 サリー・ジャンモさん)
「国外で研究を続けることができ幸運だと思っています。
シリアに帰ったら戦争で破壊された文化遺産の修復に携わりたい。」
一日も早く昔のような平和が戻ってほしい
シリアと日本の考古学者たちの切なる願いである。
シリアの世界遺産は
危機にさらされている世界遺産に登録されたことで
修復のためユネスコから財政的支援などを受けることができるようになるが
激しい内戦が続く中ですぐには支援が難しい。
一方 日本でシリアについて研究している人たちは
シリアの世界遺産を守るために日本に何ができるか
来月 支援に向けた会議を開くなど
遺産を守るために動き出している。