12月29日 編集手帳
年末の風物詩と言っていいだろう。
今年も全国高校ラグビー大会が始まった。
舞台はおなじみ、
大阪・花園ラグビー場である。
「花園」がある東大阪市は
2019年W杯の候補地に名乗りを上げている。
お隣の大阪市もその座を狙ったが、
直前に踏みとどまり、
共倒れの危機を回避した。
「誰が考えてもラグビーの聖地は花園。
大阪全体で盛り上げればいい」。
弁舌さわやかな撤退宣言は、
高校時代、
聖地でプレーした橋下徹市長ならではである。
一方、
橋下氏が精力を注ぐ大阪都構想は制度案が議会で否決され、
迷走を続けてきた。
制度案を検討する協議会で、
反対委員を排除した強引な手法が公明党など野党の反発を招いたためだ。
橋下氏は、
維新の党共同代表を辞任して構想実現に専念するという。
公明党の協力も得られる見込みとなり、
前進の兆しは出てきたが、
大切なのは、
低迷する大阪の未来像を与野党で誠実に話し合うことだろう。
エキサイトしても試合後は勝ち負けに関係なく、
敵味方が健闘をたたえ合う。
それがラグビーの醍醐(だいご)味だ。
<ノーサイド>橋下氏もその精神はよくご存じのはずである。