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記日本経済を元気に ①地方再生のカギは?“ありのまま”を売り込め

2015-01-06 08:00:00 | ビズ プラス

12月21日 BIZ+SUNDAY

 

大分県宇佐市安心院町は過疎が進む山あいの小さな町である。
これといった観光名所もない町にやってきた観光バスから降りてきたのは韓国からの旅行客。
町を訪れる外国人観光客は年間1,300人。
新たな産業が生まれようとしている。
観光客が泊まるのは農家。
なぜ海外からこんな山里にやって来るのか。
そこにはこの町独自の観光戦略があった。
“ありのまま”を売り込め
“ありのまま”を売り込むとは地元の人たちの普段の暮らしを体験してもらうこと。
たとえば農家の家。
「この家はいつ建てられたのですか?」
「日本の年号で明治28年。
 120年くらい前。」
古い民家は都市化が進む韓国で減っていて
観光客の興味を引くことが出来る。
家の畑で採れた野菜は郷土料理の団子汁にして観光客にふるまう。
ホテルに泊まったら決して食べることのできないごく普通の家庭の味が受けている。
「素材が生かされていてとてもおいしい。」
なぜこの町は“ありのまま”に注目したのか。
きっかけはこの町を訪れた韓国の旅行代理店の職員の一言だった。
“あなたの町には東京や京都などの観光地にはない魅力がある”
何気ない風景や暮らしの中に観光資源が眠っていることに気付かされた。
(NPO法人 安心院町グリーンツーリズム研究会 宮田静一会長)
「田舎暮らしはぜいたくな暮らしをしている。
 そのおすそ分けということです。
 自分の生活が恵まれていることに気が付いた。」
観光客の宿泊を受け入れている農家は現在60軒。
年に300万円稼ぐ農家も現れ
町に1億5千万円の経済効果をもたらしている。
(NPO法人 安心院町グリーンツーリズム研究会 宮田静一会長)
「小さいですけど成長産業だと思う。
 必ず来たときに感動を与えられるよう農家に努力してもらっている。」
この町に暮らす人そのものも大きな観光資源になっている。
時枝仁子さん(61才)は田舎ならではの人とのつながりを大切にする精神で観光客をもてなしたいと考えている。
(民宿を経営 時枝仁子さん)
「お客様という感覚ではなくて
 自分の肉親が帰ってきて
 寒かろう
 暖かいものが食べたいだろうとか
 そういうことを自分だ勝手に思って。」
観光客の中には都会で暮らす人も少なくない。
まるで故郷に帰ったようだと話す人もいる。
「食事を作る母の姿を思い出して泣きそうになった。
 素晴らしい体験。」
1泊2日 農家の宿泊体験。
町を離れる前 ある観光客は長年愛用してきた大切な指輪をプレゼントした。
何気ない普段の暮らしにこそ宝がある。
小さな山里の挑戦が続く。

 

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