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“新冷戦”に揺れるロシア最西端の地カリーニングラード州

2015-01-21 08:00:00 | 報道/ニュース

1月14日 キャッチ!


ヨーロッパの中にあるロシアの飛び地 カリーニングラード州。
第二次世界大戦終結までケーニヒスベルグと呼ばれたドイツ領だった。
旧市街にはドイツ時代の面影が残されている。
教会や城門などのドイツ時代の建物が街の観光名所となっているが
戦後ドイツ人は追放され
州の人口95万人のほとんどがロシア人である。
飛び地の利点を生かし「ロシアの窓口」として
隣のリトアニアやポーランドなどEU諸国と活発に貿易を行い経済協力を深めてきた。
しかし欧米との制裁合戦はEUとの経済関係の見直しを迫られている。
市内でレストランを経営するチェチェニコワさん。
食材のほとんどをポーランドなどEU諸国から仕入れていた。
しかしロシア政府が制裁への対抗措置としてEU諸国からの農産物の輸入を禁止したため
仕入れ先を南米やアジアなどに変えたという。
「このトマトはモロッコから
 ニンニクは中国からです。」
(飲食店経営者 チェチェニコワさん)
「これまで隣国の仕入れ先との関係は良好でした。
 この協力関係を気に入っていましたが今の状況はどうしようもありません。」
通貨ルーブルの急落もEUとの関係に影を落としている。
地元の牛乳工場。
ドイツから資金を得て去年 乳牛2,500頭を飼育する新しい牛舎を完成させた。
工場ではEU諸国から新たに設備を購入してさらに牛舎を拡張する計画だったが
ルーブルの急落で設備の購入費が高くなったため再検討している。
(牛乳工場 クルバノフ社長)
「まだ深刻な状況とは言えませんが為替レートは心配です。」
地元の大手食品工場。
ロシア国内で食材を調達する動きを加速させている。
ロシア政府は外国に頼らず国内産業を育成する姿勢を示しこうした動きを後押ししている。
(食品工場 生産担当者 チューコフ氏)
「他の国から調達するだけでなく食材の国内生産にも力を入れています。」
(カリーニングラード州 ザルトヌイ農業担当相)
「制裁が無ければ存在しなかった鶏肉生産や温室栽培などの計画を進行中です。」
一方 NATOとの対立は
ロシア海軍の主要艦隊のひとつ「バルト艦隊」の基地があるカリーニングラード州の重要性を押し上げている。
プーチン大統領はNATOがロシアの脅威に備えるため緊急展開が可能な部隊の創設などを決めたことに警戒感を示した。
(プーチン大統領)
「東ヨーロッパでNATOの活動が活発化しロシアは危機に直面している。」
ロシア軍は12月中旬 カリーニングラード周辺で短距離弾道ミサイルの部隊を始め
軍人9,000人余が参加する大規模な軍事演習を実施。
NATOを強くけん制した。
(軍事専門家 コンスタンチン・シブコフ氏)
「カリーニングラードはロシア軍の最前線になっています。
 欧州に配備される米ミサイル防衛システムの施設も攻撃できます。」
地元の州政府も軍との協力関係を強調している。
(カリーニングラード州 ツカノフ知事)
「有能な和解軍人たちが退役後もここに残り地元経済に貢献してくれると期待しています。」
欧米の圧力には屈しないとプーチン政権が強気の姿勢を崩さない中
カリーニングラードではこれまでのEU諸国との交流から
NATOに対する安全保障重視への転換を迫られている。


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