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“理”か“情”か 人質救出への道

2015-01-22 08:00:00 | 編集手帳

1月21日 編集手帳

 

〈捨てる神あれば拾う神あり〉と言い習わしてきた国である。
八百(やお)万(よろず)の神々など、
唯一神を信奉する人々には想像もできないだろう。
多様な信仰の形を知る日本人は、
ほかの人が崇(あが)め る神にも敬意をもって接してきた。
いかなる宗教の原理主義者からも、
敵視されるいわれは何ひとつない。

イスラム過激派の組織が、
邦人とみられる人質2人の殺害をインターネットの映像で予告した。
身代金2億ドル(約236億円)を日本政府に要求している。

中東歴訪中の安倍首相が、
イスラム国対策としてエジプ トで表明した支援額に相当する。

脅迫者は「われわれの子供や女性を殺すための支援」と非難しているが、
避難民向けの食料や医療の人道援助であって、
軍事支 援ではない。
卑劣な脅迫者にも聞く耳があるならば、
政府がまずは全力を挙げて誤解を正すことが人質救出への道だろう。

わが胸に問えば、
新たなテロ攻撃の資金となる身代金の支払いに応じられるわけがないと、
“理”は答える。
人質の、
その家族の気持ちを思えと、
“情”は告げる。
予告期限の72時間を、
情理に身を引き裂かれて過ごすつもりでいる。

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