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苦境に立つパク政権 日韓関係の行方

2015-01-09 08:00:00 | 報道/ニュース

12月25日 キャッチ!


4月に起きた旅客船セウォル号の沈没事故。
政府の対応のもたつきに国民の怒りが集中した。
パク・クネ政権は2013年2月の発足以降 最大の危機に直面した。
(パク・クネ大統領)
「今後 犠牲者の魂を悼み
 安全の重要性をかみしめるために追慕碑を建て
 4月16日を“国家安全の日”としたいと思います。」
涙の談話発表の翌月の統一地方選挙で与党は劣勢を挽回。
選挙に強いと言われる朴大統領の定評を裏付けた。
11月には長年の懸案だった中国とのFTA自由貿易協定を締結。
経済対策にも力を入れていることをアピールした。
11月末 そのパク政権を揺るがす報道が飛び出した。
パク大統領の元側近が大統領府の人事に介入したと記される内部文書が流出し
その内容を韓国の新聞が特ダネとして伝えたのである。
記事の内容は衝撃的だった。
大統領元側近のチョン・ユンフェ氏が密かに大統領府の高官に対し秘書室長の追い落としを支持したというものだった。
渦中の秘書室長とはキム・ギジュン氏。
大統領の側近中の側近として知られる。
記事はこの秘書室長の追放を支持したチョン氏こそが陰の実力者だと記されていた。
大統領は繰り返し疑惑を否定する。
(7日 パク大統領)
「ゴシップで国全体が揺らぐとは本当に恥ずかしい。」
「“秘密ルート”や“陰の実力者”と報道すれば疑惑があたかも存在するようで受け入れられません。」
(最大野党 報道官)
「検証もないまま大統領の発言を国民が受け入れることは困難です。」
大統領の指示を受け検察は直ちに調べに着手。
出頭したチョン氏が口にしたのは別の疑惑の人物の存在だった。
(大統領 元側近 チョン・ユンフェ氏) 
「国政に介入したことは事実ではない。
 火遊びをした者が誰なのか
 やがて明らかになるでしょう。」
チョン氏が批判したのは誰なのか。
もう1人の人物にも焦点が当たる。
大統領の実の弟のパク・チマン氏である。
パク・チマン氏とチョン氏が大統領への影響力を競い合い
その対立が文書流出への背景にあるのではないかという見方が広がった。
(大統領の弟 パク・チマン氏)
「知っている事実のままに話をする。」
流出の経緯を知っているのではないかと捜査の対象になった警察官が刺殺する事件も起きた。
検察の捜査は長引いている。
「市民が信頼できない政権になってしまった。」
「国民は背信を感じる。」
大統領に近い人物らが国民の見えないところでうごめき政治に手を突っ込んでいるのではないか。
パク政権への不信感が強まっている。

パク政権は今回のスキャンダルによってさらに風当たりが強まっている。
旅客船沈没事故以外にも
大統領が首相に指名した候補者が問題を指摘されて就任できなかったりといったつまづきがあった。
しかし政府の危機対応や人事上の問題と受け止められていた。
ところが今回の問題は朴大統領を取り巻く人たちの間で起きた。
政権初のスキャンダルと指摘される所以である。
(ミョンジ大学 シン・ユル教授)
「“秘密ルート”という話が出て権力が私的に行使されていると国民は疑惑を持ち失望している。
 大統領支持層の50歳代で支持が落ちる現象がみられます。」
当面の焦点は内部文書流出の経緯をめぐる検察の捜査だが
結果がどうであれパク政権が支持を一気に取り戻すことにつながるとは思えない。
ここにきて年明けに首相をはじめとする閣僚や大統領府高官の入れ替えを断行するのではないかという観測が流れている。
大統領が人事の刷新を図ることで政権へのマイナスイメージを払拭しようとしているのかもしれない。

パク政権は北朝鮮との対話を急ぐ必要はないと考えている。
いま国際社会の間で北朝鮮によるサイバー攻撃や人権問題がクローズアップされているだけに
なおさらそうした思いを強くしている。
また中国についてパク政権は引き続き関係を深めて経済的な利益を確保するだけでなく
将来 朝鮮半島が統一する際に中国の協力を得ることに備えをおくことに当面重きを置く構えである。
来年 日本と韓国の国交正常化から50年という節目である。
安倍政権の今後の動きを注視するとともに
従軍慰安婦の問題をめぐって日本との間で解決に向けた道筋を見出せるかどうか
模索するものとみられる。
冷え込んだままの日韓関係の現状を疑問視する声は韓国にもあり
国内世論の動向によってはパク大統領が関係改善に踏み出す可能性はある。
ただそれはパク政権に確かな基盤があってこそ可能である。
今回の大統領府をめぐる騒動がきっかけでパク政権が残り3年余の任期半ばで求心力を失うことにもしなった場合
日韓関係は厳しいまま推移することになりかねず
日韓の外交筋からは懸念の声も出始めている。

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