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赤字路線再生へ バス会社の戦略

2015-01-27 08:00:00 | ビズ プラス

1月18日 BIZ+SUNDAY


いま路線バスの多くが利用者の減少で赤字経営に苦しんでいて
年間約1000キロの路線が廃止されている。
そうしたなか画期的な運行システムを開発し
バス業界に革命を起こそうとしているのが イーグルバス 谷島賢社長(61)。

「こちら正面に見えてまいりましたのが川越のシンボル“時の鐘”でございます。
 “時の鐘”高さ約16メートル
 奈良の大仏様とほぼ同じ高さでございます。」
運転手自らガイドをしてくれる路線バス。
観光バスではない。
 とおりゃんせ
 とおりゃんせ
 ここは何処の細道じゃ
 天神さまの細道じゃ
童謡「とおりゃんせ」発祥の地 埼玉県川越市。
趣のある町にレトロな車両を走らせながらイーグルバスは埼玉県南部を巡っている。
通勤や通学、病院に通う人
そして観光客も加わり年間75万人が利用している。
「観光バスに乗ったみたい。」
「運転手さんのアナウンスがわかりやすいところが好き。」
(イーグルバス 谷島賢社長)
「なぜバス会社でそういうところまでやるか
 よく質問されます。
 私たちの会社はバス会社の前は旅行会社だった。」
旅行会社のノウハウがあるからこそできるサービス。
イーグルバスがいま運行しているのは東秩父路線・嵐山町内路線・日高飯能路線・小江戸巡回路線の4つの路線。
大手バス会社が赤字に苦しみ廃止を決めた路線などを引き継いだ。
生活の足に欠かせない路線が廃止されれば地域の活気が失われると考えたからである。
(イーグルバス 谷島賢社長)
「社会の問題を解決しながらなおかつ利益を出せる。
 社会的企業と言っているが我々はこれを目指している。
 ある意味社会的企業を目指すことは“究極の戦略”ではないかと思う。」
社会的企業を目指して利益を上げる。
谷島さんが赤字路線を建て直すために行ったのが“運航状況の見える化”だった。
まずバスの乗客数を把握するためにドアに赤外線センサーを設置。
さらにGPSで詳細な運行記録を取ることにした。
どの停留所で何人乗るか
運行時間は守られているか
正確なデータを知るためである。
(イーグルバス 谷島賢社長)
「路線バスは全く見えない事業であったということも事実。
 バスが車庫を出てしまうと定時運行しているのか
 たくさん人が乗っているのかいないのか
 そもそもお客様のニーズに合っているのかさえも全く見えない。」
最新のシステムを使って見えてきた夕方の運行状況は
乗客は最大で6分停留所で待たされていた。
こうしたデータを基に乗客を待たせない最適なダイヤを作り上げることが出来た。
さらに座席にはアンケート用紙を設置。
データに頼るだけでなく生の声を生かすことで新たな一手を生み出そうと考えた。
去年から始めた取り組みがある。
終点の停留所は周辺の住民のほとんどが高齢者。
坂の上の団地まで住民がリクエストすると送ってくれる。
終点なのであとのダイヤにも影響しない。
運賃もそのまま。
「あの坂を上ってくるのは大変。
 荷物を持っているとね。
 助かりました。」
停留所まで遠いためバスの利用客が少なかったエリアでの新たなサービスの模索である。
(イーグルバス 谷島賢社長)
「お客様の利用を上げるにはもっとサービスをよくしなければいけない。
 かといってコストを上げれば収支は改善されない。
 お客様がいるときだけバスを上げるのでコストもそんなにかからないだろうと。
 ITと人間の実際持っている情報を合わせていく。
 そこで本来の回答を見つけていく。」
社会的企業を目指してきたイーグルバス。
利用者は5年ほどで10万人増えた。
(イーグルバス 谷島賢社長)
「今は自分の会社だけ考えても全く成長することはできなくて
 地域に何が出来るか
 地域に貢献してそこに人が集まる。
 地域が良くなってはじめて我々の会社が良くなる。
 そういうことが現実 今 日本の社会で起きている。
 自分たちだけという意識から
 地域のためにモードが切り替わることによってビジネスチャンスがいろいろ出てくる。」

 

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