1月11日 BIZ+SUNDAY
東京大学で企業の経営戦略について研究している坂田一郎教授。
地域経済を活性化させる大きな役割を担うのがコネクターハブ企業だと考えている。
コネクターハブ企業とは
地域にある多くの中小企業と取引を行いその中核つまりハブになっていて
地域の外にある大企業とも取引を行っている企業のことをいう。
地元の中小企業と大企業をつなぐコネクターの役割を果たしている。
(東京大学 坂田一郎教授)
「コネクターハブ企業は波及効果の入口にある企業なので
大都市にもっと売り込むとか
その企業が新しい商品を開拓する。
これをもっと手伝う。
この企業をもっと支えることによって地域への入口が太く大きくなる。
波及効果も高まるのではないか。」
コネクターハブ企業を地域経済の活性化に生かそうとしているところがある。
人口10万人の長野県飯田市。
センサーやモーターなど精密機械を作っている多摩川精機。
市内の中小企業約80社と取引があり大企業ともつながっている。
地域に新たな産業を生み出そうと新規事業の開拓に乗り出した。
それは航空機産業。
半世紀ぶりの国産旅客機MRJ。
翼の角度を決めるセンサーなど多摩川精機が納入することになった。
このコネクターハブ企業が新規事業を切り開いたことで約10社の中小企業が新たな発注を受けることになった。
そのひとつが金属加工会社エヌ・イー。
航空機部品をあらたに手掛けたことで売り上げは年間3,500万円増えた。
「うちでやっているなかでも難しいレベルの仕事。」
高い品質が求められる航空機部品。
会社の技術力も大幅に向上した。
(エヌ・イー 水谷克人社長)
「航空機産業の物作りを体験しながら
今までの一般産業の時間短縮や加工技術の向上が出来ている。
航空機産業をやって良かった。」
飯田市ではコネクターハブ企業をさらに生かしていくためにプロジェクトチームを結成。
企業同士のつながりをより深め
新たな製品開発や販路開拓につなげたいと考えている。
(多摩川精機 萩本範文副会長)
「長い目の手立てをとるということは
小さい企業にとってはなかなか難しい課題かもしれない。
それを大小さまざまな企業規模の会社が力を合わせて連携して問題を克服する。
それが就労人口を増やし産業規模を大きくし
お客様から見たときに仕事をここへ集めてくる手立てになる。」