1月22日 おはよう日本
日本海を代表する冬の味覚 ズワイガニの漁は今が真っただ中。
このズワイガニは福井県の沖合で取れたものは“越前がに”のブランドで知られているが
他の産地との競争が激しくなっている。
福井県のズワイガニは
他の県で水揚げされたものよりも3割ほど高い価格で取引される。
さらに今シーズンから県などが選りすぐりの雄に付けるのが「極(きわみ)」のタグ。
特徴はその大きさで県が定める極の基準は
甲羅の幅が14,5センチ以上
そして重さは1,3キロ以上などとした。
12月までの約2か月間で獲れたのは281匹。
水揚げ全体の0,5%しかいない極上のカニを
目に見える形で差別化した。
(福井県水産課 鈴木聖子参事)
「いままでの越前がにに安住しているだけでは埋もれてしまう危機感がある。
越前がにというブランドに甘えることなく
極(きわみ)でさらに高めていって
越前がにの中の王者なんだと。」
危機感の背景には他の産地との激しい競争がある。
県は平成9年から全国に先駆けてカニに黄色いタグを付けることで
越前がにを他のズワイガニと区別するブランド化に力を入れてきた。
しかし他でもズワイガニのブランド化が進められている。
水色のタグを付けているのは石川県の加能ガニ。
兵庫県の一部ではピンクのタグを付けて柴山ガニ。
そのほか 緑のタグが付いた京都の間人(間人)ガニetc.。
それぞれが新鮮さなどをPRしてしのぎを削り
今シーズンの初セリでは越前がにを上回る値をつけたものもあった。
極によって越前がにの価値や知名度をさらに引き上げたい。
そのため港では漁業関係者が集まって品定めし
「極」の品質には妥協を許さない。
水揚げされたばかりのカニの重さを測ってみると
約1,6キロと「極」の基準を上回っている。
ところが「極」のタグは付けられなかった。
実はこのカニ 左右で足の長さが違ったのである。
大きさだけではなく
「極」の名にふさわしい見た目の美しさにも目を光らせる。
(越前町漁協 小倉孝義専務)
「整った体でないということで残念ながらバツ。」
また1,6キロの大物だが
腹が柔らかいのは脱皮してから日が浅く実が詰まっていないとして
「極」には認められなかった。
プロの厳しい審査を経て与えられるのが「極」の称号なのである。
I越前町漁協 小倉孝義専務)
「食卓に乗ったときに『立派なカニだ』と言われたい。
極のタグに少しでも付加価値を付けていきたい。」
この日 「極」を注文したのは愛知県にある会社のグループ。
社長が1年間仕事を頑張ってくれた従業員を招待した。
「おいしいです。
最高です。」
「想像できない大きさと味なのですごく贅沢だなと思って。」
「極」は感謝の気持ちを伝える一品としても人気を集めそうである。
福井を代表する冬の味覚 越前がに。
新たに誕生した「極」で頂点を極められるか注目である。