2月11日 編集手帳
日本の【天気】には「空模様」のほかに「晴天」の意味がある。
英和辞典で【ウェザー】を引くと「荒天」と載っている。
国際情勢の天気を占うにも、
どうやら楽観が禁物らしい。
「戦争の放棄」をうたった憲法9条は限りなく尊いが、
それだけで悲惨な戦禍が避けられる保証はない。
日本が戦争を放棄しても、
戦争が日本を放棄してくれるとは限らないからである。
日本を放棄してもらうには三つの案があるだろう。
A案「ナキネイリ」作戦。
他国に何をされてもほうっておく。
領土が侵されても、
これなら喧嘩(けんか)にならない。
B案「コワモテ」作戦。
軍備を競う。
手を出せまい、と。
C案「ナカマ」作戦。
日本に悪さをしたら俺たちが黙っていないぞ、
という仲間と心を通わせる。
安倍内閣が整えた安保法制はこの路線だろう。
不満の人は独自のD案を世に問えばいい。
国の姿かたちに思いを致す日である。
〈あせ水をながしてならふ剣術のやくにもたゝぬ御代(みよ)ぞめでたき〉(江戸の狂歌)。
平和のおかげで現在の繁栄を築き、
「めでたき」心が骨の髄まで徹した国だからこそ、
胸を張って汗水を流すことができる。