2月15日 おはよう日本
足腰が弱り歩けなくなった犬。
白内障で視力を失った老犬。
佐賀県唐津市にあるこの老犬ホームには
高齢の犬を中心に様々な障害のある11匹の犬が暮らしている。
施設の代表 中島達也さん(28)。
中島さんは飼い犬を老衰で亡くして以来
老いた犬たちのために何か出来ないかとずっと考えてきた。
そんな時人間と同じように介護が必要な犬たちがいることを知り
家族でこの老犬ホームを始めた。
(老犬ホーム代表 中島達也さん)
「ご飯をやっても食べなかった子が頑張って食べている姿を見ると
こちらも頑張らないといけないな
そういうのは常々なりますね。」
犬たちの介護に休みは無い。
食事やおむつの交換
運動の補助など
全ての作業が終わるころには日付が変わっていることも度々である。
ケアは24時間体制で行う。
特に老犬は急に体調を崩すことが多いため
頻繁に様子を見て回る。
容体は犬によってさまざま。
その犬その犬に応じた細かい気配りと対応が必要である。
1日の終わりには犬たちの様子を教えるブログを更新する。
飼い主と犬たちには離れていてもいつもつながっていてほしい
ブログには中島さんのそんな思いが込められている。
(老犬ホーム 代表 中島達也さん)
「飼い主とワンちゃんの間というか
自分たちがそういう存在になって
飼い主とワンちゃんの絆をつながりを大切にできるようにお世話をしていけたら。」
愛犬のティムを預けている松永尚美さん。
歩行の困難やなかなか泣き止まないなどの病状が出始めたティムの世話を
松永さんは1年近くこなしてきた。
しかし自分の生活もあるなかで
障害がある犬のケアを続けることに限界を感じていたという。
悩みぬいた末
松永さんは愛犬を人に託す決断をした。
(松永尚美さん)
「罪悪感というものはものすごくありました。
捨ててしまうような感じになってしまうのではないかと。
子どもみたいな感じで育てていたから手放したくはなかった。」
愛着と罪悪感の入り混じる複雑な思いが松永さんを苛む。
この日松永さんは久しぶりにティムに会いに来た。
大切な家族に会えた喜びと胸につかえてきた不安な気持ちを見透かすように
ティムが松永さんに話しかける。
ティムが逆に自分を励ましてくれている
松永さんはこの時そう感じたそうである。
(松永尚美さん)
「寂しい反面ちょっと気持ち的に楽になった。
預けて安心できたのでよかったと思う。」
高齢化や病気などで飼い主が支えきれなくなった犬たち。
中島さんの献身的な介護で静かな老後を過ごしている。
中島さんは今後
犬の介護で悩んでいる人たちと積極的にかかわって
飼育が放棄される犬の数を出来るだけ少なくしていきたいと話していた。