1月30日 経済フロントライン
都内にある居酒屋チェーン。
使っているのは新鮮な味が長持ちするとして大ヒットしている醤油。
鮮度が長持ちする秘密は容器にある。
中は二重構造。
醤油はその内側に入っている。
醤油が出る部分に工夫して空気は外側だけに入り込むようにした。
これで醤油は空気に触れることなく鮮度が保てる。
この居酒屋が導入した理由は
味に加えて
扱うのが楽だという点にある。
(養老乃瀧 企画部 部長 長島一誉さん)
「何よりも詰め替えの作業が無い。
醤油さしをあけて洗浄したり
そういった作業がなくなると作業効率的に合理化がはかれる。」
この醤油を開発したのは業界最大手の醤油メーカーである。
開発組織した田嶋さんは
若い人たちの食生活の変化や人口の減少で
醤油の消費量が減りつつあることに強い危機感を持っていた。
(キッコーマン食品 プロダクト・マネージャー 田嶋康正さん)
「市場の変化が加速化している。
社会構造の変化もそうですし。
これから3年5年もロイヤルユーザー(固定客)がそのままでいていただける各省が何もない。
先のことを考えて
未来のお客様に指示していただけるような魅力を具現化していくことが大切。」
この商品は家庭でも大ヒット。
2015年度の売り上げは80億円に達し
この2年で2倍に増える見込みである。
(キッコーマン食品 プロダクト・マネージャー 田嶋康正さん)
「伝統的な基礎調味料の醤油も掘り下げて考えていくと
まだまだ価値を創造していく余地がたくさんある。」
昭和30年代に話題を呼んだ塗り薬 オロナイン軟膏のCM。
60年以上にわたって販売されている定番である。
この商品は去年 リニューアルによって過去最高の売り上げを記録した。
ポイントは包装容器を変えたこと。
これまでは金属チューブだったがラミネートチューブに変えたのである。
若い女性からの
金属製だと長く使っていると破れやすいという声を反映させた。
この会社では若い女性をターゲットに雑誌などに頻繁に広告を打ち出した。
切り傷以外のニキビなどへの効果をアピールした。
(大塚製薬 軟こう薬担当 豊川貴司さん)
「比較的年齢層の高い方に支えていただいている構成比を
少しずつ若い人にも使ってもらって
幅広い世代に使っていただきたい。」
さらにスマートフォンを使ったイメージ戦略にも乗り出した。
猫をなでて癒しを感じてもらうアプリである。
背景には定番の塗り薬を描いてPRしている。
この会社の担当者は
自社の製品が若い女性にどう受け止められているのか
口コミを毎日チェックしている。
長年売れ続けてきた定番商品。
消費者のニーズの変化に合わせ新たな魅力を加えることで大ヒットにつながっている。