日暮しの種 

経済やら芸能やらスポーツやら
お勉強いたします

原発に頼らない町づくり

2016-02-03 07:30:00 | 報道/ニュース

1月22日 おはよう日本


東京電力福島第一原発の事故を受けて
原発の運転期間は原則40年に制限され
去年 5機の原発の廃炉が決まった。
このうち佐賀県にある九州電力の玄海原発1号機について
九州電力は12月に初めて原子力規制委員会に廃炉計画を提出し
30年にも及ぶ廃炉に大きく動き出そうとしている。
こうした中地元の玄海町では原発に頼ってきた町づくりから脱却する動きが出てきている。

12月 九州電力は原子力規制委員会は佐賀県に玄海原発1号機の廃炉計画を提出し
地元玄海町の岸本町長に同意を求めた。
町の税収の4割以上にあたる35億円を原発関連の交付金や税収でまかない
佐賀県内で唯一 国からの普通交付税を受けない不交付団体の玄海町。
1号基の廃炉に伴い少なくとも4億円程度の税収の減少が見込まれている。
町の新年度予算の編成作業が大詰めを迎えるなか
岸本町長は全町をあげて政策の見直しを進めている。
道路や公園といったインフラ整備を先延ばしするなど歳出の削減に本腰を入れている。
(玄海町 岸本英雄町長)
「歳入がボンと増える要素がない。
 廃炉で固定資産税は目減りしていく。
 いかに歳出を抑えていくか
 考えていかなければならない。」
地元の住民の中には原発に頼ってきた町づくりの方向性を変える必要があると考える人も出ている。
玄海町で民宿を営む溝上孝利さん。
定期点検で訪れる作業員などこれまで利用客の多くを原発関連に頼ってきたが
こうしたあり方を見直そうとしている。
(民宿経営 溝上孝利さん)
「この街を存続させていくには原発に代わる何かを作り出さないと。」
溝上さんは原発関連以外の利用客の取り込みを本格化させている。
この日訪れたのは福岡県や佐賀県の約30人のフラダンスの愛好家たち。
イベントへの参加を前にみんなで練習できる場所を求めてやって来た。
地元でとれたばかりの魚や野菜など新鮮な食材を使った料理を提供。
1泊2食で6,000円と料金もお手頃である。
(大学生)
「玄海町のイメージは原発があるということくらい。」
「玄海町のイメージがどんどん増えて言っている。」
こうした活動へ溝上さんがアドバイスを受けている人がいる。
福岡県を中心に地域交流のイベントを企画している福岡県田川市出身の山永暁弘さんである。
かつて石炭の町として栄えた田川市。
炭鉱の閉山とともに町から活力が失われていく様子を目の当たりにしてきた山永さん。
玄海町が国のエネルギー政策に翻弄された田川市の二の舞いになることを懸念している。
(福岡県田川市出身 山永暁弘さん)
「みずから何かをやっていこうという部分が薄れた部分があったのでは。
 生きていくためには何をするのか。
 産業構造をどう作るか。
 いろいろなことを試しながらやていけばいい。」
原発に頼らない町づくりは地域にも徐々に広がり始めている。
20代中心の若い地元の農家の人たちが去年から取り組んでいるのは新種のサツマイモ。
地域の人たちと一緒に新たな料理法の開発にも取り組むなどしてブランド化を目指している。
(若手農家)
「玄海町の知名度としては原発のイメージが強いが
 特産品などで地元を盛り上げていけば改善されるところもあるのではないか。」
山永さんの支援を受けてこうした地元の特産品を福岡市で定期的に販売している。
(民宿経営 溝上孝利さん)
「今は“原発のある町”だが“原発もある町”に変えていけたらいい。」
原発に頼りきりではいけない。
原発を取り巻く大きな環境の変化は
これまで原発の恩恵を受けて生活をしてきた人たちの意識や行動にも変革を促している。



コメント