日暮しの種 

経済やら芸能やらスポーツやら
お勉強いたします

海底トンネルの安全

2016-02-24 08:00:00 | 報道/ニュース

2月10日 おはよう日本


青函トンネルは全長53,85㎞の世界で最も長い海底トンネルのため
万一の際大事故につながりかねない。
海底トンネルで危険をいち早く察知し的確に対応するため
JR北海道では安全対策の見直しを進めてきた。
そのきっかけとなったのは去年青函トンネルで起きた特急列車のトラブルだった。
床下のモーター付近から火花や白煙が発生。
乗客124人がトンネル内を歩いて非難する事態となった。
「ちょっと怖かった。」
「結構 煙くて。」
トラブルから浮かび上がったトンネル内の安全対策の課題。
それは指令センターとトンネル内の情報のやり取りである。
指令センターは地上で列車の運行管理にあたり
異常時には列車をサポートする役割を担う。
トンネル内に設置されたセンサー。
基準値を超えた熱や煙を感知すると
アラームで指令センターに知らせる仕組みになっている。
ところが去年4月のトラブルでは
(JR北海道の会見)
「検知した温度が火災と認識する温度よりもずっと低かったために
 停止装置が働いていなかった。」
指令センターに情報が伝わらない間
列車では焦げた匂いや火花を確認した車掌が乗客の避難を判断した。
指令センターが異常を把握したのは列車が停車した約20分後だった。
指令センターによる煙の排出は間に合わず
乗客は煙が漂うなか非難を強いられることになった。
乗客への情報伝達にも課題があった。
特急列車に乗っていた奥崎正志さん。
緊急停車の直後 最後尾の車両に移動するよう社内放送があったが
奥崎さんには聞こえなかった。
(奥崎正志さん)
「車掌が電車のなか往復して走って
 『列車から降りてください』となって初めてみんな何かあったのかな。」
非難している最中も地上にどれぐらいの時間で出られるのか
説明を求める声が相次いだという。
(奥崎正志さん)
「何も説明なければ
 当然お客の中でいろいろな人いるから
 その中で大声出す。
 そういう人も何人かいたけど
 『地上とこういう連絡とっているから安心してください』という説明は必要。」
海底トンネルの安全対策で大きな課題となる情報伝達。
世界で2番目に長い海底トンネルでもその対策が進められている。
最高時速300キロ
英仏海峡トンネルを通ってロンドンとパリを結ぶユーロスター。
日本の指令センターにあたるRCC鉄道コントロールセンター。
ここでは専門のスタッフが常駐し
トンネル内に異常を感知すると直ちに乗務員に無線で伝達する体勢になっている。
トンネル内部には様々なセンサーが設置され
熱や煙だけでなく一酸化炭素の変化なども監視している。
(ユーロトンネル社 広報)
「列車との情報のやり取りが最も重要。
 それが我々の存在意義。」
乗客への情報伝達にも力を入れている。
海底トンネルの中でも携帯の電波は通じている。
ツイッターなどを通じて様々な情報を集めることが出来る。
通信環境を整備することで鉄道会社と乗客との情報のやり取りも可能になった。
混乱した状況の中でも乗客の投稿から何が非超過を把握し
地上から対策を講じられるという。
(ユーロトンネス社 広報)
「一方的に情報を与えるのではなく
 双方向のやり取りをすることが大事。
 乗客の状況を理解しリアルタイムで対応することが出来る。」
北海道新幹線の開業を3月に控え
課題の解消に取り組むJR北海道。
新たに設けられる指令センターでは新幹線との間でデジタル無線を配備。
モーターやブレーキなど車両の細かな状況が地上からも逐次わかるようになる。
去年4月トラブルの際にあった情報のやり取りの問題は起きないとしている。
またトンネル内の避難所には携帯電話が通じる場所を設け
乗客が外部と連絡がしやすくすることへも取り組んでいる。
(JR北海道 島田修社長)
「設備はかなりしっかりしたものができ上がっていると認識。
 設備をしっかり生かしていくための訓練がさらに大事。
 安心して乗車してもらえるよう開業を迎えられるよう頑張っていきたい。」


コメント

障害者と企業 共にビジネスを

2016-02-24 07:30:00 | 報道/ニュース

2月10日 おはよう日本

奈良土産のロングセラー 
ビニール製のシカのおもちゃ。
それをモチーフに新たに開発されたのが「鹿コロコロ」。
紙を張り合わせて色付けした張り子の土産物である。
作っているのは奈良市にある障害者支援施設 たんぽぽの家。
知的障害のある人たちの芸術的な感性を生かし
企業と協力して様々な商品を開発してきた。
知的障害のある人が描いたイラストが使われた食器。
色鮮やかなレインブーツは障害者のデザインが採用され
ネット販売で人気を集めている。
新商品「鹿コロコロ」のデザインを担当した中村真由美さん。
得意なのはカラフルで愛嬌のあるイラスト。
描きためた数多くの案から5色が採用された。
特に神の使いとされる白い鹿は紫と緑を使った斬新な色合い。
プロのデザイナーにも絶賛された。
(たんぽぽの家 職員 藤井克英さん)
「商品にデザインが使用され
 彼女の表現が社会に発信されたり
 それが彼女の収入になって将来の自立生活につながることが目標。」
「鹿コロコロ」の開発を持ちかけたのは奈良市内にある雑貨を扱う会社である。
全国各地にある工芸品をおしゃれにアレンジして商品化している。
「鹿コロコロ」はかつて奈良で作られていた張り子の工芸品がモデルである。
「おおもとを紐解くと江戸時代ごろに“練鹿”というものが記録として残っている。」
作り手をと探していた会社と
障害者の仕事の場をさらに広げたかった施設。
お互いの意向がマッチして共同開発がスタートした。
制作を担当する人たちは細かな手仕事は得意だが
完成度の高いものにしたいという注文に応えられるかどうか
新たな挑戦だった。
1人でも多くの障害者が製作に携われるよう様々な工夫をした。
張り子は型に紙を8層重ねて作る。
最初は白い紙の上に白い紙を重ねていたので何層まで張ったのかわからなくなり
出来上がりの大きさが不揃いになってしまった。
そこで白い紙を新聞紙を交互に張ることで数えやすくした。
色の違う紙を隠すように重ねていくことでムラがなくなり
大きさも揃うようになった。
絵付けは特に精密さが求められるが
筆が上手く使えない人もいる。
このため模様を付けるスタンプを作った。
そうすれば誰もが同じように作業できる。
(たんぽぽの家 所属作家 中川雅人さん)
「大丈夫です。」
(たんぽぽの家 所属作家 十亀史子さん)
「どんどん売れて忙しくなってほしいです。」
発売を前に会社の担当者が立ち会って最終確認が行われた。
(たんぽぽの家 職員 藤井克英さん)
「作業はほぼみんな技術を覚えてやっていけそうだなっていう状況。
 40分から45分くらいで早い人は1体完成する。」
(中川政七商店 吉岡聖貴さん)
「物はほんとに職人顔負けのクオリティー。
 たんぽぽの家と組んで奈良の新名物になるよう育てていく。」
(たんぽぽの家 職員 藤井克英さん)
「障害のある人のできないことに注目するのではなくて
 どうすればできるか考え
 集中できる環境づくりが大事。」
障害のある人たちと企業が取り組む新しいビジネスの形。
できることに注目して工夫すれば
力を発揮できる場はまだまだある。


コメント