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フランス “四面楚歌”オランド政権の苦境

2016-05-05 09:00:00 | 報道/ニュース

4月18日 キャッチ!


フランス大統領の任期は5年で
2期まで務めることができる。
しかしオランド大統領の再選へ向けた道のりは現状では非常に厳しい状況となっている。
与党社会党のオランド大統領は
4月の世論調査でも支持率は14%と低迷。
フランス史上最も人気のない大統領とも言われている。
主な国の首脳に対する支持率と比べても
10%台の国は珍しい。
オランド大統領のこれまでの支持率の推移を見てみると
去年1月のシャルリエブド襲撃事件や11月の同時テロ事件直後は
その対応を評価されて支持率を上げるが
それも一時にとどまり
むしろ連日行われる大規模なデモに象徴されるように
国民からの逆風は増すばかりのようである。

パリの共和国広場で3月末に始まった夜の討論会。
特定の政党を支持するものではないが
若者たちは閉塞感が漂うフランス社会の現状に
政治家への怒りの声を上げている。
「信頼?全然よ。
 システムをがらっと変えなきゃだめ。」
若者たちの怒りの矛先が真っ先に向けられているのがオランド大統領。
オランド大統領は2012年に
有権者に対して「失業率改善」や「景気回復」を最優先の課題にすると約束して当選した。
しかし失業率は10%台と高止まりしたまま。
景気回復の兆しは見られず
大統領への期待はこの4年間で強い失望に変わったのである。
そのオランド大統領が雇用状況の改善のための起死回生の策として進めようとしているのが
労働法の改正である。
企業が労働者を解雇する条件を緩和することで
労働者の就労機会を増やそうとするこの政策。
しかし労働者側は雇用の安定を損なうとして強く反発している。
オランド大統領にとって支持母体とも言える労働者側からは
大統領が労働者を裏切った
と受け取られているのである。
4月14日 オランド大統領はテレビ番組に出演し
自らの政策を擁護した。
(オランド大統領)
「状況は良くなります。
 経済成長させ財政赤字や税金を減らし
 企業の競争力や国民の購買力を高めます。」
オランド大統領が壁に突き当たっているのは経済政策だけではない。
去年11月の同時テロ事件を受けて自ら発案した憲法改正は
議会の承認を得られないまま断念せざるを得なかった。
憲法改正案に盛り込まれた内容の一部が
法の平等を損なうとして与党内からも反発を招いたためである。
思ったように政策を推進できないオランド大統領。
与党支持者の間では
このままでは1年後に迫った大統領選挙を戦えないという意見も出始めている。
社会党を支持してきた左派の知識人らが中心となってパリで開いた集会では
「大統領選挙に向けて新たな候補者を選び直すべきだ」
という意見が相次いだ。
社会党の候補者を決めるための予備選挙を実施することを求めている。
(経済学者 トマ・ピケティ氏)
「オランド氏も予備選挙に出てかまいませんが
 皆を納得させることは難しいでしょう。
 民主的な議論を経ずに
 当然のように2期目に挑む権利があるとは思えません。」
政権奪還を目指す右派の共和党も問題を抱えている。
党首出前大統領の二コラ・サルコジ氏。
今も一定の人気があるものの
いまだ立候補を表明していない。
その理由は
現在も捜査が続く大統領在任中の数々のスキャンダル。
早々と立候補して他の候補に攻撃されることがないよう
表明を出来るだけ遅らせようとしているとみられている。
今年11月に予定されている予備選挙に向けて
目下一番人気は右派「共和党」 アラン・ジュペ氏である。
首相も経験したベテランの政治家として
その手腕に期待がかかる。
(右派「共和党」 アラン・ジュペ氏)
「フランスに必要なのは安定です。
 そしてまずは改革を明確に打ち出すことです。」
しかし現状に不満を持つ若者たちを含め
幅広い支持を集めることができるのか不安視する声もある。
こうした左派や右派の不満の吸収を目指すのが
極右とされてきた「国民戦線」。
マリーヌ・ルペン党首はすでに大統領選挙への立候補を表明。
去年12月の地方選挙で広げた支持をさらに伸ばすべく
党の組織固めをしている。
大統領選挙でも左右両党との三つ巴の戦いになるとみられているが
指示の広がりには限界があるとの指摘がある。
(フランス政治専門家 G・ファンケルシュタイン氏)
「この状況がどの党に有利に働くのか
 選挙で何が起きるのか
 まだ分からない。
 ルペン氏が大統領になることはないと思います。
 フランス国民は拒絶するでしょう。」
 

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