4月30日 経済フロントライン
大阪市にあるマンションの建設現場。
ここで働いているのは大阪の塗装会社に勤める浦西明日香さん(26)。
2年前 事務の仕事から転職してきた。
大型マンションや高級ホテル
さまざまな現場で活躍している。
(建設会社 KMユナイテッド 浦西明日香さん)
「やる気があると会社も認めてくれてどんどんチャンスを与えてくれるので
すごくやりがいを感じます。」
浦西さんが勤めるKMユナイテッド。
職人は25人
そのうち7人が女性である。
以前は塗装職人は男性ばかり。
さらに若い人たちも定着せず人材不足に悩んでいた。
そこで注目したのは職人を志望する女性たちだった。
(建設会社 KMユナイテッド 社長 竹延幸雄さん)
「何も男性にこだわる必要もないと思ったので
やる気がある女性であれば
本当に1からでもやれる。
しっかり技術が培われる会社を作れる。」
女性たちに働いてもらうためこの会社が行ったのは
「10年で1人前」と言われるこれまでの仕事の細かな分析である。
難易度ごとに作業をランク分け。
まずは比較的すぐに習得出来る作業を担当させる。
その後難しい作業を指導を受けながらスキルアップし
この仕事に定着してもらうのが狙いである。
さらに「技術は盗め」という職人の従来のやり方を見直し
ベテラン職人が手取り足取り教えている。
(建設会社 KMユナイテッド 浦西明日香さん)
「この会社は“教える”のが前提なので
教えてもらう側も意欲がわいてくるし
技術も延ばせていけると思う。」
この育成方法を取り入れた結果
技術の習得も早まり
売り上げが増加。
今期は前年より60%増える見込みである。
女性の職人が増えることで
職場環境を改善する動きも出ている。
これまで塗料を入れる容器は一斗缶を使用していた。
女性でも運びやすいように段ボールの容器を新たに開発した。
一斗缶を廃棄する際にかかる費用の削減にもつながった。
将来 出産などを見据えた女性職人の声から
シンナーを使った塗料を全面廃止。
元請けにも理解してもらい
体に負担の少ない水性塗料を使っている。
さらに4月から社内に託児施設を設け
朝6時から預けることができるようになった。
始業時間の早い現場でも対応できる。
(中井麻由さん)
「この業界ではなかなかやってないところに力を入れてもらって
女性だからとか
母親だからというところを感じずに仕事をさせてもらっている。」
(建設会社 KMユナイテッド 社長 竹延幸雄さん)
「女性が会社の凝り固まった考え方をほぐしまくってくれて
もう1歩さらに先へ行けると思っている。」