5月13日 キャッチ!
アフリカ中部の高原に位置し
「千の丘の国」と呼ばれるルワンダ。
1500万人が暮らしている。
ビルが立ち並ぶ首都キガリ。
年率約8%の経済成長を続けている。
とりわけ政府が力を入れているのがIT産業。
海外から企業の進出が相次いでいる。
南米の企業が去年建設したパソコン工場。
100人の従業員を雇用し製造を行っている。
(パソコン工場責任者)
「ルワンダを拠点に
アフリカ大陸全体へIT事業を広げていきたいです。」
日本からもIT分野での連携を図る動きが進んでいる。
5月 神戸市の久本喜造市長は視察団を率いて現地を訪問。
協力関係を結ぶ調印式を行った。
すでに進出を決めた起業家もいる。
ソフトウェア会社を経営する田中秀和さん。
2年前 ルワンダに新たに会社を設立し
日本などのクライアントから委託を受けたソフトウェアの開発を行っている。
(ソフトウェア開発会社 社長 田中秀和さん)
「実際に来てみると
まだ誰も来ていない。
人材も育ってきているし国としてもても発展している。
成功してこうした事業を出来るということに幸せを感じている。」
ITに欠かせない人材を育成する動きも広がっている。
アメリカのマサチューセッツ工科大学は
3Dプリンターなどを活用したデジタル工房を設置。
学生たちに最先端の技術を教えている。
日本のJICA国際協力機構も
kLab(ケーラボ)と呼ばれる起業家支援施設を全面的に応援している。
無料の高速ネットやオフィスを提供し
企業のアドバイスを行う。
優秀で意欲ある若者たちが集まり
次々と新たなIT企業を生み出している。
(JICAルワンダ事務所次長 室谷龍太郎さん)
「多くの若者がITで自分たちの会社を起こしたい
それを通して国の復興を支えたいという思いを強く持っている。
そういった若者が集まることでまた新しいアイデアが生まれていく。
相乗効果を考えている。」
ケーラボを利用しているジェーン・ニヨトゥワジラさん(30)。
理工系の大学を卒業し
新たなアプリのアイデアを持っていたもののなかなか実現できないでいるときに
ケーラボの指導を受け
3年前に念願の会社を起ち上げた。
ジェーンさんが開発したのは
商品の在庫を管理し入金から出金までを一括して管理する企業向けのソフトである。
送金用の携帯端末などに導入されている。
(ジェーン・ニヨトゥワジラさん)
「ここまで来られたのはケーラボのおかげです。
ありがたいです。」
1994年にルワンダで起きた大虐殺。
当時8歳だったジェーンさんの自宅も襲撃され
一緒にいた叔父が目の前で殺害された。
その時のトラウマを抱えていたジェーンさんが立ち直るきっかけとなったのが
14歳のときに両親がプレゼントしてくれた中古のパソコンだった。
それ以来コンピューターに夢中になり
ついに自分でIT企業を起ち上げることに成功したのである。
(ジェーン・ニヨトゥワジラさん)
「ぜひ国の発展の雨に力を尽くしたいと思います。
大虐殺の悲劇を再び起こすことなく
前進していかなくてはなりません。」
ルワンダ政府は2000年にIT強化策を国として打ち出した。
光ファイバーなどインフラの整備も進めてきた。
内陸国で資源もないルワンダにとって
ITに将来をかけたということである。
インフラも整い
人材育成も進むなかで
今後の課題はITで成果を出していくことである。
ルワンダは人口の70%が農業に従事する農業国でもある。
ITを活用して農業の生産性を高めたり
温暖化の防止をITで進めることも期待されている。
IT起業家を目指す若者たちは
ルワンダが抱える社会的な課題を
自分たちの能力や技術で乗り越えていきたいと話している。