6月17日 キャッチ!
オーストラリアの10代の若者の部屋。
夜 そこに広がるのはオンラインゲームの世界である。
何百万人のプレイヤーの多くが
18歳のジョーダン・ブルースさんのように
ゲームそっちのけでゲームのアイテムを使った賭博にはまっている。
(ジョーダン・ブルースさん)
「誰でも賭けに参加できます。
2歳の子どもだってコンピューターの使い方さえわかればね。
僕は18歳以上ですっていうボタンをクリックするだけでいいんです。」
賭けに直接現金を使うことはない。
代わりにゲームにある武器などのアイテムを使うのである。
こうしたアイテムは現金で購入できる。
アイテムを使った賭博は甘い誘惑のようなものである。
(ネイソン・パイバスさん)
「賭けるのはゲームのアイテムなので現実味がありませんでした。
けっこうな額を賭けても大丈夫だと思っていましたが
その逆でした。」
18歳のネイソン・パイバスさんは
最近までアイテム賭博にはまっていた1人である。
でも彼はギャンブルに勝敗はつきものだとすぐに気づいた。
(ネイソン・パイバスさん)
「コインの表か裏かに賭けたり
プロの試合の勝敗に賭けたり
掛け金を多くの人が出し合ってその中から無作為に当選者を選ぶとか
アイテムを使ったギャンブルは本当にたくさんあるんです。」
もちろん入手したアイテムは実際の口座で現金に変えることができる。
動画がアイテム賭博にはまる1つとなている。
大金を手にする様子が多くの若者を引きつけている。
月に1億人が訪れるゲームサイトでは
アイテム賭博の模様がライブで中継され
若者をさらにあおっている。
(ネイソン・パイバスさん)
「数千ドルもの大金を賭けるところを見るのは楽しいです。」
(ジョーダン・ブルースさん)
「勝ったぞって気分になってやめられなくなるんです。
勝つのは快感で負けるのは嫌だから
こうして中毒になってしまうんです。」
17歳だった去年
ジョーダンさんの運が傾き始めた。
ギャンブルを続けるためアイテムを買うことにためらいはなかった。
(ジョーダン・ブルースさん)
「父のクレジットカードを持ち出してアイテムを買うことを繰り返しました。
最初は10ドルくらいだったんですが
んだん額が大きくなって・・・
ギャンブルがしたいという衝動に負けたんです。
父のクレジットカードで1800ドル使うまで続けました。」
Q.息子さんがゲームでこんな事態になると考えたことはありますか?
(ジョーダンさんの父親 アンドリュー・ブルースさん)
「いいえ 思いもよりませんでした。
最初に勘付いたのは銀行口座を見たときでした。
高額な支払いがあったのです。」
一方 規制はほとんど存在しない。
(ギャンブル教育研究所 サリー・ゲインズベリーさん)
「ネット上のギャンブルの規制はSNSの登場以前の古いもので
携帯アプリにも携帯ゲームにも触れていません。
アイテム賭博については手つかずのままです。」
(オンラインゲームに詳しい ラウル・スードさん)
「うちの13歳の子どもがアイテムで賭けをしたと聞いて
まずいなと思いました。
手遅れになる前に規制が必要です。
すぐにです。」
規制について政府は明確な回答はしていない。
通信省は
2001年の法律でオンラインでの賭博は禁止されているという。
一方で
コンピューターゲームは技術を競うものだとみなされ
賭けの要素はあっても禁止対象ではないという。
カードの使い込みで
ジョーダンさんの家族はアイテム賭博について深く知るようになった。
(ジョーダンさんの母親 スー・ブルースさん)
「他の親御さんたちにこうした世界が存在することを知ってほしいんです。
子どもたちはネット上でこうしたゲームを知り
YouTubeで動画をみて
アイテム賭博で大金が転がり込むのを目の当たりにするのです。
大金が動くサイトにはだれでもアクセスできるのです。」
引きずり込まれる可能性は誰にだってある。
(ジョーダン・ブルースさん)
「動いているのは本物のお金です。
ゲーム内のアイテムじゃありません。
アイテムは実際のお金と同じなんです。
言いたいのは
ギャンブルで得をすることなんて何にも無いということです。
僕のようにならないでください。」