7月3日 経済フロントライン
日本食ブームが続くドイツの首都ベルリン。
「寿司が大好きで多い時には週に2~3回食べに行っていたわ。」
「ドイツ料理よりヘルシーなので日本料理の方が断然好きです。」
すしネタの3割を日本から直輸入している店。
この店ではサーモンやマグロ以外の魚も人気が出てきている。
その1つがブリ。
すしが定着するにつれドイツの人たちは本場の味を求めている。
「とてもおいしいです。
甘みがあって舌の上でとろけます。」
しかし店には大きな悩みがあるという。
(日本食レストラン 一心 デトワング・ウォンマー社長補佐)
「ブリの入荷状況は季節によって変動します。
ブリが安定して手に入ればもっと人気が出るんですが。」
高まる海外のニーズに対応しようと
鹿児島県長島町では水産業の常識を打ち破る仕組みが作られている。
長島町では養殖業者同士が協力して出荷時期を調整する“リレー出荷”を行っている。
通常ブリの出荷は12月に集中する。
値が上がる年末商戦に向けて出荷したいためである。
しかしそれでは夏場は品薄になってしまう。
そこで1年を通じて安定して供給できるようリレー出荷を始めた。
いわば魚の旬を無くしたというわけである。
(東町漁協 中薗康彦部長)
「季節感は海外にはない。
いちばんいい例がサーモン。
1年中あるのでそれと同じ感覚。
安定感を持つというのもブランド。」
さらに独自のエサを開発。
誰が育てても同じ品質のブリを出荷できるようにした。
ほかにも
それぞれの養殖業者が水温や酸素の量を細かく記録するなど
品質管理を徹底している。
その結果輸出先は欧米だけでなく中国やロシアなど
この5年で3倍に拡大した。
(東町漁協 中薗康彦部長)
「輸出は日本の食べ物をどれだけ世界の人に広げていけるか
なんとか倍以上の40~50万美を目指して
金額も50億円レベルを目標にしている。」