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韓国 癒しの空間 伝統家屋「ハノク」

2016-07-18 07:15:00 | 報道/ニュース

6月30日 キャッチ!


今年2月 ソウル市が初めて開催した家屋の展示会。
ただ単に歴史的な建物として紹介するだけでなく
韓国人が忘れかけている伝統の素晴らしさをアピールした。
展示会のテーマは“住むハノク”。
伝統家屋の専門とする建材メーカーや建築事務所が参加。
住宅としての有用性をあらためて来場者に訴えていた。
(来場者)
「懐かしいね。」
「今の家より心と体が休まる。
 木に囲まれたハノクがいいわ。」
ハノクの魅力を再発見。
実際に自分たちの住居にする人たちが増えている。
朝鮮王朝の宮殿にも近いソウル中心部のソチョン。
一昨年 この地区のハノクに引っ越してきた30代の夫婦。
会社員のヤン・ソクウさん(36)と大学講師のイ・ヨンさん(35)。
(ヤン・ソクウさん)
「これは前からある柱で
 表面を加工してきれいにしました。」
(イ・ヨンさん)
「周囲のコンクリート建築と完璧なコントラストがあるんですよ。
 伝統的な特色ある空間で休めるのは魅力的です。」
ふたりはマンションで生まれ育ったが
快適な空間ではなく
結婚した後はなにかユニークな住宅に住みたいと希望していた。
そこで思い付いたのがハノク。
5年かけて理想的な物件を探しだした。
夫婦が情熱を注ぐハノク。
この伝統的な家屋は韓国の気候と伝統文化に根差している。
夏の暑い日差しを防ぐために屋根のひさしを長く
間仕切りを外して風を通す。
冬には寒さをしのぐために“オンドル”と呼ばれる床暖房の設備がある。
また部屋は人の体の寸法を基準にした尺貫法で作られ
生活するには程よい大きさである。
骨組みにクギを1本も使わないのが特徴で
建材の木は木目が目にやさしく
肌触りも心地良さを与えてくれる。
ハノクは1920年代~60年代にかけてソウル全域に普及したが
その後の高度成長と人口増加にともない
高層階のマンションやアパートなどが取って代わるようになり
数を大きく減らしてきた。
しかし今その機能性が見直され
若い人たちの伝統文化へのあこがれから
再びハノクの価値が見直されている。
ハノクに住みたい
そういった願いの決め手となるのが改築。
ヤンさん夫婦が家を購入した当時
築80年近くたった建物は空き家となっていてかなり傷んでいた。
それだけに両親から猛烈に反対されたという。
(イ・ヨンさん)
「雨漏りがひどい家でしたので
 『大丈夫なの?』と心配されました。
 改築して今は『家を替わって』と言われるほど
 両親たちも気にいってくれてます。」
夫婦はもともと使われていた材木を出来るだけ使いたいと考え
傷んだ表面だけを削って再利用した。
一方 内装は機能性あるおしゃれなものにしている。
韓国の厳しい冬の寒さに備えて
暖房はもちろん伝統の床暖房を導入。
昔との違いは
燃料は薪ではなくガスを使う。
さらに隙間風をシャットアウトするために木造の窓枠や扉の気密性を高めた。
(ヤン・ソクウさん)
「2回冬を越しましたが平気でした。
 アパートのときの暖房費と変わりません。」
大都会ソウルの喧騒を感じなくなったことで癒され
めりはりのある暮らしが出来るようになったとヤンさんは話す。
(ヤン・ソクウさん)
「家で過ごす時間は会社生活と全く異なり
 私たちだけの空間で生活できるのが大きな癒しになっています。」



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