10月8日 経済フロントライン
今年上半期に広島県内に宿泊した外国人観光客は約44万人。
去年の同じ時期に比べて34%増え
全国の増加率の2倍以上になっている。
広島市中心部にある「お好み村」。
23のお好み焼き店が集まっている。
ここには連日外国人が詰めかけている。
(オーストラリア人観光客)
「素朴だけど具がたくさん入っていておいしいわ。」
店の人たちが苦労しているのがコミュニケーション。
そこで9月から店の人たちが集まって英会話の勉強を始めた。
広島に住んでいる英会話スクールの経営者に作ってもらったオリジナルのDVDが教材である。
鉄板はとても熱いですよ
ザ・グリル・イズ・ベリー・ホット
shiso leabes(しそ)
yam(とろろ)
店主の1人 河口富晴さん(83)。
「箸のことどういうの?」
「Chopsticks」
「え?」
「Chopsticks」
「チョップ?}
「Chopstiks」
「あ~チョップスティックス。」
「ウェアーアーユーフローム?
いうのもええよ。
どこの国から来ましたか?」
「片言でも通じるんやけん。
使うてみよう これは。」
その夜 河口さんはさっそく覚えたての英語を試してみた。
「Where are you from?」
「スウェーデン」
この団体は日本で行われる音楽祭に合わせてツアーでやってきたと言う。
食事の後取り出したのは楽器。
お好み焼きのおいしさと河口さんの心遣いに感謝して演奏してくれたのである。
「サンキュー」
(お好み焼き店店主 河口富晴さん)
「お好み村全店が英語を話せるようにしたい。
外国人の方が来ても安心して
広島のお好み焼きを食べて
喜んで帰っていただけるようにしたい。」
飾らぬ姿で観光客をもてなすのが広島のスタイルである。
坂の街として知られる尾道市。
広島市から車で1時間半離れているが
外国人観光客がこの3年で2倍以上に増えている。
人気の理由は何気ない街の魅力を伝えてきたことだった。
市は2年前から外国人向けのPRビデオをインターネットで配信。
商店街のたたずまいや人々の暮らしぶりをアピールした。
すると
生活に使われる細い路地にまで足を延ばす旅行者が増えたのである。
(オランダ人観光客)
「汗をかいたけど坂道が素敵で
たくさんのぼっちゃったわ。」
「次は友人を連れてきたいよ。」
バックパッカーが入った建物は
昔ながらの家屋を使った宿。
NPOが空き家となっていた古民家を改修して作った。
身近な日本の暮らしを感じてもらおうとしている。
(スイス人観光客)
「以前に泊まった人の評価が高かったし
絶対に来るべきと聞いたの。
本当に素敵よ。」
(ゲストハウス運営のNPO 豊田雅子さん)
「日本の風情
和の雰囲気を楽しめる場所があったらいいと思っていた。
尾道の素の部分が見える宿
そういう感じで使っていただければ。」