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外国人旅行者急増 対応迫られる医療現場 

2016-11-29 07:15:00 | 報道/ニュース

11月11日 国際報道2016


日本に訪れる外国人旅行者が急増するなか
いま新たな課題が浮上している。

10月に東京新宿区の病院で開かれたコンサート。
演奏しているのは台湾の大学の楽団。
企画したのは楽団を率いる宋正宏さん。
宋さんは今年1月に出張中の日本で急性胆嚢炎を発症。
この病院で手術を受け
一命をとりとめた。
コンサートは病院への恩返しとして開いたものだった。
(宋正宏さん)
「私の命を助けてくれました。
 本当に感謝の気持ち 止まらないのです。」
外国人旅行者が急増するなか
いま外国人が日本滞在中に医療機関を受診するケースが増えている。
しかし医療現場の受け入れ態勢は十分とは言えない。
去年 全国660の医療機関を対象に行ったアンケート調査では
8割近くが「外国人患者を受け入れた経験がある」と答えた一方
95%以上が「言葉の問題が心配」と答えるなど受け入れに不安を抱えている。
宋さんの治療を行った国際医療研究センター。
患者の急増を受けて受け入れ態勢の強化を進めている。
去年 外国人患者専門の受け入れ部署の国際心労部を設置。
外国人患者の対応にあたる医療コーディネーター3人を配置した。
外国人が来院すると
受付から診療や医療費の支払いまでサポートを行う。
「手術の開始時間は午後3時ごろです。」
「今日?」
「はい今日です。
 大丈夫ですか?」
「はい 大丈夫です。」
しかし診察にあたっては医療の専門用語がわかる医療通訳が欠かせない。
患者から正確な情報を得られなければ誤診につながりかねないからである。
この日 喉の不調を訴えて訪れたネパール人の男性。
この病院では2年前から医療通訳専門の会社と契約。
11月から対応できる言語を増やし13か国語で対応する。
病状やアレルギーが無いかなど電話を通じて通訳がたずねる。
(医師)
「何か薬や食べ物とかにアレルギーがないか聞いていただけますでしょうか?」
(患者)
「もしもし。」
(通訳)
「あなたは食べ物のアレルギーはありますか?」
(患者)
「特に食べもののアレルギーはありません。」
(通訳)
「ないですね?」
(患者)
「はい ありません。」
(ネパール人患者)
「病院に行くとき日本語がわからないと大変です。
 このような通訳のサービスはとても助かります。」
(国際医療研究センター 国際診療部 堀成美さん)
「言葉がバリアならば
 やはり何らかの形で通訳を入れないと危ないと思うんです。
 患者さんからすれば不安ですし
 私たち医療者もわからないで検査や治療を進めていくこと自体困難ですので。」
この病院では全国の医療機関からの要望を受けて研修会を開いている。
この日は各地の医療機関から約40人が参加した。
参加者からは現場が抱える問題が次々に打ち明けられた。
(参加者)
「やはり院内組織がちゃんと整っていないというところはあります。」
「日本語が本当の話せるのかとか
 話してみるとあまり話せない外国の方もいらっしゃるので。」
(講師)
「予算ですが
 当院の電話通訳の予算は1時間で1万6,000円なんです。
 毎回外国人患者が来るたび通訳入れるとすごい金額になりますよ。」
そして大きな課題として浮かび上がったのが医療費の未払いの問題である。
「旅行でお金使っちゃったから帰り際に支払えないと言われて・・・。」
患者が医療保険に加入していない場合
医療費は全額自己負担になる。
医療費が数百万円にのぼることもあり
払ってもらえないケースが相次いでいるという。
(参加者)
「“なぜ日本人と違って先に支払わなければならない”と言われたら
 その違いを説明して・・・。」
「そうしたらきっと納得して“もう仕方ない”と
 受信するからには費用を支払わなければいけないと覚悟を決めて支払ってくれる。」
参加者たちは
コスト面など限界がある中でも体制の整備を進めていく必要性を確認し合った。
(滋賀県の病院関係者)
「コストがかけられないので
 まず始められることとしては問診票などを英語化することができると思いました。」
(岡山県の病院関係者)
「今日一日研修に参加させていただいて
 やはり組織として対応していくことが大切だと思いました。」

厚生労働省では実態を把握するため
10月から全国3,800の医療機関を対象に初めての大規模な調査に乗り出している。
また通訳や医療コーディネーターの人件費の半額を補助するなど支援を行っていて
外国人患者の受け入れの整備を進めていきたいとしている。




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