10月22日 おはよう日本
多くの利用客が行きかう新千歳空港。
いつもにぎわっているのが土産物店である。
(旅行者)
「おいしいので
みんな喜ぶので買っていきます。」
「北海道原産さんの牛乳や小麦を非常によく使っているので
そういうものを選んで買いました。」
全国一の小麦産地 北海道。
しかしかつて北海道産の小麦はほとんどお菓子に使われてこなかった。
北海道産は主にうどん用のため
粘り気や弾力が強く
お菓子作りには向かないとされてきたためである。
こうした状況を大きく変えようと15年ほど前から取り組んでいる菓子メーカーがある。
主力商品のバウムクーヘン。
53年前に商品化されて以来これまで1億個売り上げた主力商品も
かつては外国産小麦で作られていた。
小麦産地にあるメーカーとして外国産から北海道産に切り替えたいと
製粉会社の協力も得て
小麦粉の開発に取り組んだ。
小麦の粒から菓子作りに向いた部分だけを取り出した特注の小麦粉を使うことにしたのである。
味や食感のテストを重ね
2005年から十勝産の小麦に切り替えた。
(柳月 七海武雄顧問)
「外国産の小麦に負けない
十勝産の方がおいしい商品ができるようになって
初めて切り替えた。」
このメーカーでは他の商品も含め十勝産の割合を全体の70%にまで増やしている。
一方 30%は外国産小麦である。
その1つがデコレーションケーキなどに使うスポンジケーキである。
外国産小麦の方がよく膨らみふんわりと仕上がるとして
使い続けている。
(柳月 七海武雄顧問)
「ケーキのようなくちどけの良い商品を作るには
まだ十勝産では無理がある。
3割は外国産を使っているが
ゆくゆくは可能な限り100%十勝産の原料で作りたい。」
地元産のお菓子専用小麦を作ってほしい。
メーカーからの要望の高まりを受けて新しい研究が進んでいる。
アメリカ産の菓子用小麦と
北海道産のうどん用小麦を交配してつくられた小麦で
「北見92号」という。
お菓子にするとくちどけがよく
北海道でも栽培しやすいのが特徴である。
「北見92号」はこれまでの道産小麦と何が違うのか。
小麦の種類が違うと含まれるたんぱく質の性質が異なる。
粉が試薬によく溶ければふんわりとした食感になる。
従来の道産小麦と「北見92号」では
従来の道産小麦は試験管の上の方まで粉が残っている。
一方「北見92号」は試験管の下に少し残っているだけである。
ふんわりとした食感になることを示している。
(道総研 北見農業試験場 研究主幹)
「生産者にも作りやすく
二次加工のお菓子メーカーにも作りやすい。
喜んでもらえるような品種を頑張って早く作りたい。
そういう思いで仕事を進めています。」
地元産の小麦で
これまでと遜色のない地元のお菓子を作る。
北海道のお菓子に新たな魅力を加えようという取り組みが加速している。
10月19日 国際報道2018
ベネチアのムラーノ島で作られているベネチアガラス。
美しく精巧な装飾で知られている。
その高い技術は門外不出とされ
長く地域の重要な産業となってきた。
しかしいまその伝統産業が危機にひんしている。
水の都ベネチア。
定番のお土産は1000年近い歴史を持つと言われるベネチアガラスである。
職人が1つ1つていねいに作り上げる。
しかしベネチアガラスをうたった低価格の偽物が市場に出回るようになっている。
その多くは中国や東ヨーロッパなどで作られているとみられている。
苦境に追い込まれているのが地元のガラス職人たちである。
この20年ほどで職人は40%近く減少した。
(地元職人)
「中国からの製品で
若いガラス職人たちの将来が失われた。」
伝統産業の衰退をくい止めたい。
そこで目を付けたのが現代アートとのコラボレーションである。
斬新な現代アートと融合した様々な作品をイベントで紹介し
ベネチアガラスの新たな魅力をアピールしようという狙いである。
(客)
「これほどの作品ができると走りませんでした。
変わった形ですが
とても美しい。」
現代アートの作家と連携して作品を制作しているガラス職人 アンドレア・サルバーニョさん(46)。
デッサンなどをもとに作家のイメージを作品にしていく。
この日はドイツ人の作家から依頼されたアルマジロのオブジェを制作。
ときには解釈が難しい現代アートを職人技で繊細に表現する。
ユニークな作品の数々が評価され
いまでは各国から注文が舞い込むようになった。
(ベネチアガラス職人 アンドレア・サルバーニョさん)
「現代アートの作家との仕事は
毎回 新たな経験です。
ガラスでうまく表現できないこともある。
だからこそ面白いんです。」
サルバーニョさんとともに作品を制作した現代アートの作家たち。
(現代アートの作家 アンドレア・ピッツォさん)
「私たちの作品にはエネルギーが満ちているんです。
触ると感じられますよ。」
ベネチアガラスの伝統ンシャンデリアを真っ白に。
さらにロウソクや動物の頭蓋骨の装飾で“生と死”を表現した。
伝統の技術と現代アートのコンセプトをうまく融合できたと出来栄えに満足している。
(ベネチアガラス職人 アンドレア・サルバーニョさん)
「私たちが作る作品は工業製品ではなく“職人の仕事”なのです。
この職人の技こそ未来に引き継ぐべきだと思います。」
10月19日 キャッチ!世界のトップニュース
いま世界各地で猛威を振るう高潮。
今年7月 日本列島を東から西へと異例のルートをたどった台風12号では
相模湾一帯を高波が襲い走行中の車が次々と波にのまれた。
また9月の猛烈な台風21号では防潮堤を乗り越えた高潮で関西空港が浸水。
空港機能がストップするなど私たちの生活にも大きな影響を与えた。
アメリカでも「フローレンス」「マイケル」と大きなハリケーンが相次いで上陸。
各地で甚大な洪水被害をもたらした。
沿岸都市では高潮対策の議論が高まっている。
マイアミを巨大ハリケーンが襲うのはもはや時間の問題である。
フロリダ国際大学では巨大な送風機で防災力を高める研究が行われている。
「直径1,8m
そして700馬力もある送風機12台で
カテゴリー5に相当する風が作り出せます。」
土木・環境工学科の ヨアニス・ジシス准教授。
建造物の模型にハリケーンと同じ強さの風を当てる実験を行なった。
その結果
風に耐える建物がどう造られているのかが明らかになった。
(フロリダ国際大学 ヨアニス・ジシス准教授)
「私たちはこれらの建物が異常気象でどうなるのか調べています。
建築基準や風対策の基準などはこの研究結果に基づいています。」
きっかけはハリケーン「アンドリュー」だった。
1992年8月24日 カテゴリー5の嵐がマイアミ南部に上陸。
建築基準が不十分だったため被害が広範囲に及んだ。
(ヨアニス・ジシス准教授)
「90年代と比べると状況は改善されています。
現在の建築基準は当時よりかなり厳格です。」
しかし南フロリダではいま
水の脅威がエンジニアや防災担当者を悩ませている。
(マイアミビーチ市の防災担当主任 スージー・トリエンティさん)
「ハリケーン・アンドリューの教訓は
風対策という形で南フロリダの建築基準に生かされ
最終的に州の基準にも採用されました。
いまは洪水や海面上昇について考え
基準の見直しを進める時です。
過去から学び今に生かすということです。」
18kmのマイアミビーチ市は海に囲まれており
まるで海から陸を守る島である。
(スージー・トリエンティさん)
「美しいですが脆弱な土地でもあります。
洪水にも弱いし
海面上昇も明らかです。
最近では南フロリダでよくある午後の暴風雨がだんだん強くなってきているように感じます。」
春と秋
月の引力が強くなり潮位が1年で最高となるころ
青空と太陽のもと
深刻な洪水との戦いが待っている。
(マイアミ大学 ハロルド・ウォンレス教授)
「水面が1,8m上昇すると
マイアミ周辺は水路に囲まれた土手のようになってしまいます。
入り江になってしまう場所もあります。」
人口密度の高い南フロリダはこの地域特有の脆弱性とも戦わねばならない。
(ハロルド・ウォンレス教授)
「マイアミの石灰岩には穴が非常に多く
水の浸透がとても早いという性質を持っています。」
キャンパス内の採掘場でこの地域の特徴でもある穴だらけの石灰岩の地質を見ることができる。
(ハロルド・ウォンレス教授)
「この地層に雨が降るとすぐ海に流れ込んでしまい
海水面が上昇します。」
開発業者が案内する建設中の10億円を超える気候変動対応済みの豪邸。
海抜2,7mの土地に
床や壁 屋根は全てコンクリート製。
発電機も完備しており
窓はペアガラス採用。
これでも裕福な顧客にとっては通常使用だという。
(開発業者)
「できるだけのことはやっています。
いつまで安全に住めるかと言っても
30年経ったら沈むよ。」
このままだと30年後は海に沈んだ“お堀付高級物件”になってしまう。
10月18日 国際報道2018
雄大なヒマラヤ山脈を望むブータン。
経済的な豊かさよりも国民が幸せと感じる度合いを重視する国づくりを目指してきた。
GNH「国民総幸福」という指標があることで世界的にも知られている。
インドと中国に挟まれたブータンは
人口80万。
農業や観光が主な産業である。
長く鎖国状態を続けていたが
2000年ごろからワンチュク前国王が開かれた国へと徐々に政策を変え近代化を進めている。
インドなどの支援を受けインフラを整備。
水力発電に力を入れ
電力を輸出して外貨を獲得し
ITや製造業など新たな産業の育成に努めている。
これにより国民の所得が上がり消費が拡大。
教育水準も向上した。
しかし開国と近代化は弊害も生んでいる。
産業が育成途上のため若者の失業率は約13%に達している。
一方 開国によって違法な薬物が海外から流入するようになった。
全人口の約4割を占める若者の中には
急激な社会の変化に戸惑い麻薬依存になる人が出てきている。
ブータン社会にはいま経済成長という大きな波が押し寄せている。
街を歩くといたるところでインフラの整備が進んでいる。
外国からの投資が増えたことで国民の所得は上昇。
インターネットや携帯電話が普及して
生活はこの20年で様変わりした。
繁栄の陰で社会に暗い影を落としているのが若者たちに広がる薬物依存である。
薬物犯罪で逮捕される若者は年間約1,000人。
この5年間で3倍に増えた。
薬物依存症の男性(21)が持っていたのはブータンで流通しているカプセル型の合成麻薬。
国境監視のゆるい隣国インドから多く密輸されている。
経済繁栄をもたらした開国により
皮肉にも合成麻薬などが大量に流入するようになっていたのである。
(薬物依存症の男性)
「簡単に手に入るから
好奇心と出来心で手を出してしまったんです。」
14歳のときに興味本位で手を出したこの男性。
深みにはまるきっかけがあった。
高校を卒業しても仕事を見つけられなかったことである。
失業状態が続くにつれて薬物の摂取量が増えていったのである。
(薬物療法続く依存症の男性)
「ちゃんとした仕事も見つけられない。
今では毎日 最低でも10錠は必要になってしまった。」
一昨年の若者の失業率は13,2%。
全体平均の6倍にのぼる。
経済発展にともなって高等教育を受けた若者が増えたものの
受け皿となる企業は十分でないため
失業者が増え
薬物のまん延につながったと指摘されている。
(地元紙の記者)
「学校を卒業する若者がみんな職に就けるわけではないのに
多くの若者は肉体労働ではなくオフィスでの仕事をしたがる。
働いていない若者が薬物に軽い気持ちで手を出す傾向がある。」
若者たちに広がる薬物依存とどう向き合うのか。
依存症からの脱却を支援する民間団体のツェワン・テンジン代表。
自らも薬物に依存した経験があり
同じ苦しみを若者たちにさせたくないと5年前に団体を起ち上げた。
(薬物依存症患者の支援団体 ツェワン・テンジン代表)
「薬物によって楽しみや健康な精神 人間関係 金銭などすべてを失ってしまうんだ。」
これまでに約400人を更生させたテンジンさん。
薬物の悩みを話し合うグループカウンセリングの場を設けて
若者たちに社会に責任を持つことの大切さを学んでもらう。
(スタッフ)
「薬物を必ず絶つという強い意志を持ちなさい。」
2か月前に入所したドゥプトォ―・ワンディーさん(20)。
15歳で薬物をおぼえ薬物の所持で半年間刑務所にも服役した。
通っていた高校に戻り
いつか社会に復帰したいと考えている。
(ドゥプトォ―・ワンディーさん)
「どうにかしてやめたい。
苦痛から逃れたいと思ってここに来た。」
規則正しい生活で身心の健康を取り戻せば団体が仕事の世話もする。
失業こそが若者の薬物依存の根本だという考えからである。
(ドゥプトォ―・ワンディーさん)
「ここに来て僕は薬物を絶つ決心を持てた。
いつか僕もみんながしてくれたように薬物依存症患者を助けたい。」
(ツェワン・テンジン代表)
「若者が薬物などに走る原因の1つは失業だ。
政府は学校や地域で薬物依存を防ぐ対策を強化し国家の政策とすべきだ。
大事なのは人々の健康と幸福だ。
我々には国民総幸福の理念がある。」
開国と経済成長の陰で
そのひずみが社会をむしばみかねない現実。
「国民総幸福」という固有の価値観を守り切れるのか。
ブータンはその正念場に立たされている。
10月18日 おはよう日本
世界的なbストセラー「ホモ・デウス」。
9月 日本版が発売され幅広い人気を集めている。
(読者)
「視野がすごく広い。」
「未来の話を書いてる。
楽しみに待っていた。」
人類の未来を読み解くこの本は
あのビル・ゲイツやノーベル賞作家のカズオ・イシグロも注目。
著者はイスラエルの歴史学者 ユヴァル・ノア・ハラリ氏。
世界で800万部が売れた大ベストセラー「サピエンス全史」では
人類250万年の歴史を
“小麦に人間が家畜化された”などといった独自の視点で紐解き衝撃を与えた。
そのハラリ氏が私たちに示した未来の人類の姿とは。
歴史と宗教が複雑に絡み合う国 イスラエル。
ハラリさんは人類の歴史を振り返り
切れ味鋭い視点で世界を読み解く。
いまでは誰もが当たり前と考えている経済成長。
近代以前の人々は眼中になかったと指摘する。
(歴史学者 ユヴァル・ノア・ハラリ氏)
「中世の日本の将軍や中国の皇帝
ヨーロッパの王たちをみれば
“経済成長を促進すべき”とは考えていなかった。
ほかにやることがあったのだ。」
その後科学技術の発展によって人間は経済成長を手にすることができた。
ただ進化のスピードが速まることで深刻な問題が起きるのではないか。
「神の人」というタイトルにはその疑問や警告が込められている。
(ユヴァル・ノア・ハラリ氏)
「ホモ・デウスは神の人 神聖な人という意味です。
ラテン語でホモは人間
デウスは神
いま人類は神へとアップグレードしているのです。」
(ユヴァル・ノア・ハラリ氏)
「21世禁錮主要製品は繊維や自動車・兵器ではなく
身体や脳
そして知能だ。
その生産方法を知れば
ある意味あなたは神なのだ。」
急速に進化するAIとバイオテクノロジー。
牛肉の成分を含むトマト。
2倍のスピードで成長するトラフグ。
どちらもDNAの書き換えによって生まれた。
人類は歴史上初めて神だけが許された領域に踏み込んで
その力を使って自らを作り変えようとしているのだという。
「人類は神の力だと信じられてきた能力を手にしようとしています。
これまで私たちは技術によって周りの環境を変えてきましたが
自分自身を変えることはありませんでした。
バイオテクノロジーとAIは私たち自身を変える可能性があるのです。
身体や脳
考えを変化させ
新たな人類が生まれようとしているのです。」
一方ハラリさんは
テクノロジーの進化によって人間は単にAIにデータを提供するだけの存在になると警鐘を鳴らしている。
将来人間社会にはこれまでにない格差が生まれ
一部のエリート
ホモ・デウス以外は社会的な価値を持たない“無用者階級”と呼ばれる層に落ちぶれてしまうという。
ハラリさんは本の中で次のように語っている。
私たちは新しい巨大な非労働者階級の誕生を目の当たりにするかもしれない。
社会の繁栄と力と華々しさに何の貢献もしない人々だ。
この「無用者階級」はしているだけではない。
雇用不能なのだ。
(ユヴァル・ノア・ハラリ氏)
「AIを使えばコンピュータによって多くの作業が行われるため
人間は労働市場から追い出され
多くの人が経済的価値や政治力を失い
“無用者階級”となります。
バイオテクノロジーによった経済的でなく
はじめて生物学的な不平等が生まれるのです。」
(ユヴァル・ノア・ハラリ氏)
「人類はいま変化の時を迎えている。
もしこの列車を逃したら
決して追いつくことはできないだろう。
これまでの技術開発
例えば産業革命での列車の発明自体は我々の身の回りを変えたが
人間を変えることはなかった。
ところが新しい革命は
もしこれを逃せば決して追いつくことはできない。
なぜならこの革命は人間自体を変えてしまうからだ。」
この革命的な変化に私たちはどう備えればいいのか。
(ユヴァル・ノア・ハラリ氏)
「もしあなたが自分を知る努力をしなければ
あなた自身よりも機械があなたのことをよく知ることになる。
機械はあなたの“選択”を予測するだけでなく
あなたの“欲望”を操作できるようにもなり
製品であれ政治家であれ
彼らが望むものを売ることができるのです。」
(ユヴァル・ノア・ハラリ氏)
「最も大切なことは自分自身を知ることです。
自分が何者であるのかを理解することです。」
自分を知る努力を怠ると
日々の選択をAIに支配され
欲望すら操作されるようになってしまう。
それを防ぐには自らを知り判断することだとハラリさんは言う。
さらにこれからの未来を生きる子どもたちはより厳しい自己変革が求められるという。
現在子供たちが学校で習うことの大半は
彼らが40歳の誕生日を迎えるころにはおそらく時代後れになっているだろう。
人間が取り残されないためには一生を通して学び続け
繰り返し自分を作り変えるしかなくなるだろう。
(ユヴァル・ノア・ハラリ氏)
「今一番大きな問題だと感じているのは子どもたちのことです。
彼らは歴史上はじめて
自分が成長したときの世の中を予測できない世代となります。
彼らに伝えたいことは人生を通じて変化すること。
そのため柔軟な心を持つことがとても大切だということです。」
10月18日 おはよう日本
平田恵依さん(34)。
10月上旬
NBAの開幕に向け都内のジムでトレーニングを続けていた。
(平田恵依さん)
「4年ぶりに復帰して
ことしは自分らしさ
自分の強みを生かして頑張っていきたい。」
平田さんは2012年
憧れ続けていたNBAの舞台に立つ。
オクラホマシティーのThunder Girlsに所属し
夢をかなえた達成感と充実感をかかえ
第一線を退いた。
帰国後
スポーツ団体のプロジェクトの一環で全国の小学校で夢を語る授業を行なっていた平田さん。
子どもたちからの何気ない言葉が自らを見つめ直すきっかけになったという。
(平田恵依さん)
「『恵依ちゃん先生 もうチアやらないの?』
『サンダーガールズになったところもう1回見てみたいな』と言われたとき
この子たちのためだったらもう1回頑張れるかも
そんな気持ちにさせてくれた。」
まだ自分にはやれることがあったのではないか。
再挑戦を決めた平田さんに子どもたちからの寄せ書きが贈られた。
あきらめないすがた すてきです
自信を持てば絶対できます!!
その言葉を胸にオーディションに臨み
合格。
切符をつかんだ。
開幕に向け平田さんが重点的に鍛えているのは上半身。
前回 体格の違いから生まれる存在感の差に圧倒されたという。
アメリカ人のダンサーたちに負けないダイナミックな踊りを目指している。
10月 アメリカに渡る直前
平田さんは夢を語った子どもたちを訪ねた。
(生徒)
「恵依ちゃん先生から諦めないことを学んで
サッカーでできないことでも一生懸命スキルを取得しようとした。」
「こっちも負けてられないと算数を猛特訓した。」
きっかけを作ってくれた子どもたちのために。
平田さんはもう一度自分の力を信じ
最高峰の舞台にのぞむ。
(平田恵依さん)
「やっぱりやりたいもの好きなもの
何でもいいと思うけれど
情熱を感じられるものに関してはとことん挑戦するべき。
その部分をお伝えできたらと思う。」
10月17日 キャッチ!ワールドEYES
「東洋のラスベガス」とも呼ばれるマカオ。
約60万人が暮らす東京板橋ほどの小さな町に年間に3,000万人以上の人が訪れる。
その多くがカジノ目当ての観光客である。
町の堅調な経済発展はカジノ産業が支えてきた。
そのマカオでは近年
カジノへの依存を減らす動きが加速している。
カジノ以外のエンターテイメント施設を備えたIR施設の拡張である。
いまは合わせて9つのIR施設群栄されている。
マカオでもトップクラスのカジノを有するIR GALAXY。
不動産開発などを手掛ける香港の会社が7年前から運営。
敷地の大きさは100万㎡。
東京ドーム21個分に相当し
これを倍に拡大する計画もある。
中央には核となるカジノ。
それを囲むようにしてショッピングモールや
高級店から庶民的な店まで取りそろえた約120のレストラン。
6つのホテルに
レジャープール。
そして映画館も。
1つのリゾート地のようなIRは
カジノには興味がない女性や子ども
それに地元の人たちにも気軽に利用してもらうことを目指しているという。
このIRを訪れる人は1日7万人以上。
そのほとんどは中国本土からである。
今年6月までの半年間の売り上げは約280億香港ドル。
日本円で約4,000億円にのぼった。
このマカオの企業がいま注目しているのが日本である。
今年7月に日本で成立した「IR整備法」。
今後IRの開発が行われる場所と事業者が選定される予定である。
日本では初めてとなる事業なだけに
経験とノウハウのある自分たちのような企業の力が必要とされるはずだと
日本進出に意欲を見せている。
4年前に東京事務所を設立し
各地の企業や自治体と接触するなど
日本に合うIRのあり方を検討してきた。
さらにこの夏から始めたのは日本からの研修生の受け入れ。
研修を通じて将来日本でのIR事業を率いる人材を育成する狙いである。
初年度の今年は観光学を生部4人の学生を招いた。
教育分野で貢献することで日本参入に向けた実績作りにもつなげたいと考えている。
4人は4週間 実際にIRで働く人の現場を視察。
どのように顧客のニーズをつかむのかや
IR内の企業が必需品を一括調達してコスト削減を図ることなどを学んだ。
(研修の担当者)
「わが社にはIRの開発・運営で長年の経験と培ったノウハウがあり
それを日本に提供できると思います。」
学生たちはこの日 劇場で行われるショーを体験した。
スタッフの支持を受けて照明や音響の操作を試したり
本物の衣装を身につけて実際の舞台に立ってみたりする。
(研修の学生)
「IRは日本には無いもので
カジノという文化も無い。
日本では学べないのでマカオに来てみないと本当のIRは分からないと思った。」
(IR企業 国際開発担当 ジェレミー・ウォーカーさん)
「日本はIRをつくることができる世界で最後のGDP大国です。
我々には日本政府が求める目標を達成するチャンスがあると思います。」
日本への進出を目指すマカオのIR企業。
新たな市場となる日本の動向に熱い視線を注いでいる。
10月17日 おはよう日本
部活動でおなじみの吹奏楽。
全国の中学生・高校生のあこがれの舞台が
名古屋国際会議場センチュリーホール。
平成2年にオープンし
名古屋では馴染み深いこの場所。
全国から熱い視線が注がれる。
戦前から続き
現在4,000を超える中学・高校が出場する全日本吹奏楽コンクール。
この全国大会の会場が名古屋のセンチュリーホールである。
今年は中学校の部が10月20日
高校の部が10月21日に開催される。
この舞台に立てるのは中学・高校それぞれわずか30校ずつ。
出場をかなえた各地の学校に意気込みを聞くと
(福岡 精華女子高校)
「名古屋に行くぞ!
精華ファイヤー!」
(北海道 北海道遠軽高校)
「行くぞ道産子!」
(東京 東海大学付属高輪台高校)
「全国大会 頑張るぞ!」
いわば “吹奏楽の甲子園”。
名古屋の存在感を高めたのがこの小説。
「響け!ユーフォニアム」シリーズ(宝島社)。
吹奏楽に青春をかける高校生たちが
受験や恋
友人関係などに悩みながら
全国大会金賞を目指すストーリーである。
登場人物たちの目標の場所として名古屋コンサートホールが登場する。
ただ もともとの構想では別の場所が舞台になる予定だったという。
著者で
自身も吹奏楽部員だった武田綾乃さん。
(武田綾乃さん)
「私が現役だったころって全国大会の舞台が“ふもんかん”。」
ふもんかん(普門館)とは東京杉並区にあるホールである。
40年以上にわたって全国大会の会場になり
“吹奏楽の聖地”とも呼ばれたが
東日本大震災後 耐震不足が指摘され取り壊しが決まった。
(武田綾乃さん)
「作品の中だけで“普門館”のままにすることは可能ではあったんですけど
名古屋のセンチュリーホールに実際 変わると
それが新しい聖地になって
今の学生たちはそこを目指してずっとやっているので
どんどんこういうふうに時代とともに変わっていく。」
その後アニメ化され
その中ではモニュメントやエントランスも
センチュリーホールを忠実に再現している。
来年春には映画化も決まったこの作品。
登場する場所を実際に尋ねる人たちも現れている。
またホール側も今年4月舞台裏ツアーを企画してPR。
好評を博した。
(中谷務館長)
「これだけ有名になったかと改めて感じました。
いわゆる吹奏楽のまちとして名古屋を発信していきたいと思います。」
おひざもとである名古屋で強豪校を迎え撃つ高校のひとつ
愛知工業大学名電高校。
野球の応援でも知られ練習は大詰めである。
(部員)
「自分たちの“庭”としてよく演奏会もしているので
ホールにも恩返しという意味で演奏できたらと思います。」
(愛工大名電 吹奏楽部 伊藤宏樹顧問)
「愛知県は吹奏楽が盛んで
日本の真ん中でもあります。
いろんな学校が名古屋にやってきて
コンクールするなんて最高じゃないですか。」
仲間たちと奏でるハーモニー。
全国の中高生が青春をかけて名古屋の舞台にのぞむ。
10月16日 キャッチ!ワールドEYES
内戦が続くシリアなどから逃れる移民や難民。
ピークだった2015年には1年間で100万人以上がヨーロッパに渡った。
当初ヨーロッパ各国は人道的な立場から積極的に受け入れたが
いまでは寛容だった国でも世論は変化。
各国が押し付け合う状況すら生まれている。
なかでも問題になっているのが
難民申請をする人は最初に到着した国で行うという制度である。
移民・難民にとってヨーロッパの玄関口となっているギリシャやイタリアなどは
“自分たちばかりが負担が大きい”と不満をつのらせている。
このためこの制度の変更に向けた議論が始まっているが
各国の意見が対立し
思うように進んでいない。
そのしわ寄せが受け入れる側に重くのしかかっている。
ギリシャ東部に位置するレスポス島。
対岸に見えるトルコとの距離はわずか10km。
ピーク時に比べて海を渡る人の数は減ったが
いまでも1日100人近くが海を渡って来ることも少なくない。
島の中心部の人口は約3万人。
これに対して到着した移民や難民の数は約1万人にのぼる。
昔から島で暮らす人たちの不満も蓄積している。
(市民)
「どこに行っても難民だらけ。
周りを見てごらんなさい。
外国人ばかり。」
「歓迎したいけどギリシャは課題山積です。
彼らを受け入れるのは難しい。」
このためEUが乗り出しているのが沿岸警備の強化である。
それを担うのがヨーロッパ国境沿岸警備機関。
通称“フロンテックス”である。
ギリシャにあるフロンテックスの事務所。
イギリスやドイツ クロアチアなど15か国が担当官や警備船を派遣。
密航船の摘発などに力を注いでいる。
なかでも午前0時から午前6時のパトロールを強化している。
見つからないよう暗いうちに海を渡ろうとする人たちが後を絶たないためである。
この日はポルトガルから派遣された部隊が
暗闇のなか手探りで漂流している船はないか警戒していた。
見通しがきかないくらい海。
サポートのため別の部隊が
山の上などから音頭を検知する双眼鏡などを使って不審船の情報を船に伝えている。
しかし仮に摘発しても本人たちが難民としての保護を申請すれば
強制送還せずに
難民審査をすることが国際法で定められている。
このため一旦はEU域内に保護する必要がある。
その結果“ヨーロッパの玄関口”のギリシャなど沿岸国の負担が増え続けているのである。
レスポス島で最大の難民申請者収容施設 モリア・キャンプ。
収容されている人たちの国籍は
シリア アフガニスタンなどのアジアやアフリカ諸国など60カ国以上。
難民申請の結果が出るまでここで暮らしている。
本来の収容人数は3,000人余だが
今ではその2倍を超える7,000人。
図らずも島で2番目に大きい町と化している。
EUなどの援助でプレハブが設置されているが
中はごく狭く
仕切りは布1枚である。
増え続ける収容者にプレハブの設置が追い付かず
狭いテントでの生活を強いられている人も少なくない。
食事も毎回4~5時間並ぶ必要があるという。
ようやく食事にありついても
食べ終わったらすぐに次の食事の列に並ばなければならない。
こうした過酷な環境のなかでの生活は短くても1年程度。
長い人は3年過ごしている。
(収容施設で暮らす男性)
「トイレや食事の列などひどいものです。
祖国のアフガニスタンと変わらないよ。」
こうした人口過密の結果
特に懸念されているのが衛生状態の悪化と病気のまん延である。
ひとたび病気が発生すれば一気に感染する危険が高まっている。
厳しい現状を軽減しようと
施設の向かいではNGO国境なき医師団が仮のテントで診療所を開き
医療支援を提供している。
毎日100人ほどが助けを求めて訪れる。
2年前にアフガニスタンから来た男性は1歳の娘の診察に来た。
数週間前から熱が下がらないという。
医師は「収容所の環境悪化は深刻だ」と指摘する。
(医師)
「水と食料は質が良くありません。
収容施設の衛生状態も悪いです。」
さらに深刻なのが若い世代の精神状態だという。
ここでの生活に希望を見い出せず
自殺未遂や自傷行為に出る若者が急増しているというのである。
(国境なき医師団 広報担当)
「私は5年間アフリカで働きましたが
こんなにひどい状況は初めてです。
この難民キャンプはまさに地獄です。」
増え続ける収容者。
受け入れはもう限界を迎えている。
(収容施設の責任者)
「EUの各国に助けてもらいたい。
それがここにいる彼らのためなのです。
収容施設にいる家族や子どもたちは新たな生活を送らなければなりません。」
10月16日 編集手帳
富士山について、
気象庁の関係者に伝わる小話がある。
山頂付近で気象を観測する職員が同窓会に出席すると、
みんなに言われた。
「景色のいい所で仕事ができて、
じつにうらやましい」
職員は頭をかきかき答えたらしい。
「しかし、
ぼくのいる所からは富士山は見えないんだよ」。
富士山といえば、
そこからの見晴らしがいかにすばらしくとも、
麓から眺める山そのものの美観に勝るものはないにちがいない。
山麓に位置する山梨県富士吉田市がきのう、
「初雪化粧宣言」を発表した。
昨年より11日早い。
7合目から山頂まで雪に覆われたことが確認されている。
気象庁が発表する初冠雪(今年は先月26日)とはやや趣旨がちがう。
美しく雪化粧をしましたよ、
というお知らせである。
内陸側からの報告だが、
歌集も出している詩人の堀口大学に次の歌があるのを思い出した。
<正面を探して置けと言い置いて天人去りし富士の山かな>。
いわれてみれば、
どこからでも富士山は富士山の姿をしている。
眺める人のいる場所こそ、
正面なのだろう。
ここ数日、
朝の空気が冷たい。
白に染まる頂が冬ちかしと告げる。
10月11日 おはよう日本
宮城県大崎市 三本木のひまわり
仙台市 天文台の天体キャンディー
伊豆沼・内沼のハスの花
インスタグラムに投稿されたこれらの写真。
写真の説明はすべて中国語で書かれている。
宮城の夏へようこそ!伊豆沼・内沼はすまつり
松島では日本三景
栗原ではハスの花を船でお楽しみください
アカウントの名前は東北女子。
この東北女子として発信しているのは台湾から来た邱文心さんである。
邱さんは好きな文学作品にたびたび出てくる仙台に魅力を感じ
一昨年 台湾から仙台に移住した。
(邱文心さん)
「東北は自然の風景がすごく良くて
どこに行っても
街を歩いても気持ち良くて。
ゆっくりできるのが東北の一番の魅力だと思う。」
現在は広告代理店に勤めている邱さん。
ふるさと短腕の人たちにも東北の魅力を伝えたいと
SNSで発信を始めた。
(邱文心さん)
「東京とか大阪などはよく知られているが
東北のことはあまり知られていないのがもったいないと思い
SNSを使って東北の魅力を発信しようと思った。」
こうした邱さんの活動に勤務先の広告代理店も注目。
会社のインスタグラムを開設し
台湾の観光客向けに情報発信を始めることにした。
この日は次に投稿する宮城県内の場所を決める打ち合わせ。
邱さんは
台湾で人気のテレビゲームでモデルとなっている真田幸村にゆかりのある場所を提案した。
(邱文心さん)
「日本の歴史が好きな人は多い。
ゲームをやっている人は特に多い。
真田家にゆかりのある場所に行きたい人は多い。
白石城はいいと思う。」
打ち合わせ後 邱さんはさっそく白石市へ。
海外から来た観光客が楽しめそうな
白石城や地元のグルメを紹介した動画を投稿した。
(邱文心さん)
「日本のきれいな食べ物や
台湾にはない風景など
この場所だけ
この瞬間だけのものを伝えたい。」
今では3,000超のフォロワー数となったこのアカウント。
邱さんの投稿写真を見て実際に台湾から仙台に来た女性もいる。
(台湾から仙台に来た女性)
「東北に来るのは初めてです。
すごく期待しています。
投稿された写真がすごくきれいで
楽しみにしている。」
邱さんが案内したのは仙台市太白区の秋保大滝。
この日は邱さんがSNSに投稿した2つの場所を案内した。
(台湾から仙台に観光に来た女性)
「東北は震災があったのでみんなまだ心配していた。
大丈夫かなと。
写真より自然が多くて気分が良かった。
東北に来てよかったと思う。」
邱さんは投稿を通して
より多くの海外の観光客に東北の魅力を伝えていきたいと思っている。
(邱文心さん)
「東北はまだ認知度は低いが
東北の魅力はたくさんあるので
これからも東北女子としてインスタグラムで発信をして
台湾と日本・東北の懸け橋になりたい。」
10月10日 編集手帳
洗練された男のおしゃれを売り言葉に、
資生堂が微香性化粧品「アウスレーゼ」を発売したのは1980年になる。
翌年、
整髪剤のCMがあっと言わせた。
初代貴ノ花と輪島が橋の上でばったり出くわす。
ともに引退し、
髷(まげ)をやめたばかり。
貴ノ花はきれいに整えた輪島のパーマをしげしげと眺め、
尋ねる。
「それ、鬢(びん)付け油?」
「ノー、アウスレーゼ」
険しい顔で花道をずしずしと歩くのに、
笑うと目じりが下がり、
ひょうきんな人柄をにじませた。
それでいてめっぽう強い。
昭和の大相撲を華やがせた元横綱、
輪島大士さんが亡くなった。
数年前に咽頭がんの手術を受けた。
享年70歳。
「黄金の左」にしびれた世代は早すぎないかという思いだろう。
名勝負を何度も演じた大関の貴ノ花とは、
土俵の外では「親友」を互いに自任する仲だったという。
いろいろあった人である。
金銭問題で昭和の末頃に角界を去り、
プロレスラーなどを経て解説者として大相撲の舞台に戻ったのは2009年になる。
そのとき審判部で出迎えたのが親友の息子さんだった。
最近までのいろいろを、
どんな思いで眺めていただろう。
10月9日 おはよう日本
大津市の醸造所代表の山下友大さん。
香りが特徴の発泡酒。
何年の熟成させたチーズのような濃厚な風味。
ふなずしでつくられている。
ふなずしは滋賀の郷土料理。
びわ湖でとれた二ゴロブナを塩漬けにし
さらにごはんに漬け込んで発酵させたもので
独特の香りが特徴である。
この香りが発泡酒の味に深みを与えている。
山下さんは今年4月にバーを併設した醸造所をオープンしたばかり。
東京でビール作りを学び
これまで地元の食材でビールや発泡酒を作ってきた。
そんななか新たに挑戦したふなずし発泡酒。
古くからふなずしづくりが行われてきた来た野洲市から
グルメイベントの呼び物にしたいと開発を依頼された。
(山下友大さん)
「“おもしろ おいしいビール”を造ろうというモットーでやっている。
ふなずし発泡酒の話をいただいたときに
おもしろいじゃないですか。
なんとかしておいしくしたいと思った。」
そして始まったふなずし発泡酒造りだが問題が潜んでいた。
それが発酵食品であるふなずしに潜んでいる乳酸菌。
ビールや発泡酒では
麦芽を入れて作った麦汁にイースト菌を入れて発酵させることでアルコールを生成する。
しかし乳酸菌はこの働きを邪魔してアルコール生成を妨げる。
(山下友大さん)
「乳酸菌はビール屋からしたらできるだけ排除したい。」
そこで山下さんが工夫したのが
ふなずしを入れるタイミング。
アルコールが生成された後に投入することで
乳酸菌に邪魔されず発泡酒にふなずしの風味を加えることに成功した。
こうしてできあがったふなずし発泡酒。
この日発泡酒づくりを依頼した野洲市の担当者 松井健作さんが訪ねてきた。
ふたりで味を確認する。
松井さんは実はふなずしが苦手だそうだが
「これだったらふなずし嫌いな人もいける。
“ちょっとフナさんがいらっしゃる”という感じ。」
松井さんも手ごたえを感じている様子である。
(野洲市担当者 松井健作さん)
「ふなずしのにおいも残っているけど
かなり飲みやすくでき上がっている。
野洲市に来ていただいて“こんな発泡酒あるんだ”と発見してもらって
野洲市の名前を売りたい。」
「楽しみ お客さんにどんな反応をしてもらえるか。
キャーキャー言ってほしい。」
滋賀県特産ふなずしの新しい楽しみ方が生まれている。
(醸造所代表 山下友大さん)
「罰ゲームに出てくるものではなくて
本当に楽しんでもらえるものにしていきたい。」