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子どもをほめることは、子育てや教育でやはり重要な行為です。
ほめることは、相手を認めることになり、「あなたの努力や取り組みを認める」=「あなたを認める」。よって子どもの意欲が高まる、となるからです。
しかし、中学生は一筋なわではいきません。
大人の言葉の裏を見ようとします。素直にとらないこともあります。
「ほめればいいってものではない」
「見え見えだ。そんなんで、喜ぶと思ってんの」
「なにか魂胆があるのでないか」
「ほめたあとで、何かしなさいというんじゃないだろうか」
このように感じることは、よくありますし、思春期の成長段階から考えると、むしろ自然なことです。
また、同じようにほめていても、「よくできる子」の場合は、大人にも、子どもにも、ほめる・ほめられるに「慣れ」が生まれてきます。
部活をしている子が試合で上手くシュートをきめました。「シュートがうまいね」と、大人が言ってほめました。
最初は、子どもも言われて喜びましす。しかし、シュートがうまい子は、同じようにシュートがきまります。
すると、子どもも大人も慣れてしまい、ほめても新鮮さがなくなり、ほめるのが難しくなってしまいます。
ほめられても、「いつものことやし・・・」と、子どもから返ってくるかもしれません。
この「慣れ」を越えるやりかたがあります。それはHOWを聞くことです。つまり、「どうやって」を問うことです。そうすると、子どもは結果に至るまでの話をしてくれます。
「あの決勝点になったシュートは、どのように打ったの」
「パスを受けて、前を見たらディフェンスの子が近づいてきたから、このままシュートを打ったら、きっとシュートをカットされるなと思った。」
「なるほど、で、どうしたの?」
「それで一度シュートを打つフェイントをかけ、ディフェンスを外し、ワンドリブルで右へ出てマークを外したらシュートが打てた」
「よく、冷静にプレーできたね。そうやって決勝点になったんだ」
この会話は、あまりほめることにはなっていませんが、十分に子どもを認めることになっています。部活でなくても、勉強のことについても、作品づくりでも、同じです。「どうやって」を聞くことで、子どもは工夫したことや心理面での状況を話してくれます。
ぜひ、子どもをほめるだけでなく、HOW(どうやって)を聞いください。「見てくれている」とか「認められている」と子どもは感じます。
また子ども自身が語ることで、自分の行為や取り組みをふりかえり、こう努力したから、あの結果につながったという整理をつけることもできます。