箕面三中もと校長から〜教育関係者のつぶやき〜

2015年度から2018年度に大阪府の箕面三中の校長を務めました。おもに学校教育と子育てに関する情報をのせています。

痩せたいのです

2020年08月02日 14時00分00秒 | 教育・子育てあれこれ
いま、学校の保健室には、貧血や手足のしびれ、低体温などで倒れ、運びこまれる女子児童・生徒が少なくありません。

痩せたい、太っていることを気にするダイエット願望は、小学生にまで広がってきています。

脚が太い・細い、腕が太い・細い、目が小さい・大きい、鼻が低い・高い、眉毛の形が太い・細い・・・などを気にします。

ダイエットを始めたきっかけは、「好きな男の子や友だちから太っていると言われた」、「ファッションブランドの服をかわいく着こなしたい」、「オーディションを受けたいから」などさまざまです。

メディアや美容産業、医療業界は、「より美しく」と青少年をあおります。

さらに、つくられた理想のボディイメージに執着するダイエットには、さまざまな商品が加わり、からだはダメージを受けます。

そして、自分のからだを痛みつけ、場合によってはいのちにもかかわる深刻な例も出ています。

そもそも、人が自分のからだを意識して、いとおしく思う気持ちは幼児期から育まれるものだと思います。

たとえば、無意識のうちにかゆいところを搔くとか、刃物や熱湯を触ろうとして、親があわてて制止します。

こういうことの繰り返しで、子どもは自分のからだに対する愛着や愛情が深まっていきます。
こういった経験の少ない子が、過度なダイエット願望により、自分のからだを痛みつけるようになるように思います。

自分のからだのメカニズムの精巧さや生命体としての存在感を体感させる保健の指導や保健の教育が必要かと思います。

母校の意味

2020年08月02日 08時00分00秒 | 教育・子育てあれこれ


新型コロナウイルス感染防止のために、国と国の渡航を遮断するのは当然としても、その前から移民の受け入れに反対したり、自国の利益を最優先に考える「ブロック主義」が、世界で横行していました。

罪の中でも、もっともよくないのは、人を分断する罪でないでしょうか。

分断に含まれるのが、人が人を排除することです。

今回アメリカで起きている黒人差別反対の運動は、人種差別が人と人のつながりを分断することに反対しているのです。

分断は、恐怖や非難、敵対心、怒り、嫉妬などの形で現れます。
つまり、人への悪意です。

学校は、人が人とつながることを学び、体得する場所です。

また集団のなかで生きることを学ぶ場所です。

そこで身につけた力は、児童生徒が社会へ出ていかされるのです。

授業がオンラインでできるからといって、学校の役割を代用できるものではありません。

多くの人が、学校や学級の同窓会に集うのは、そこでつながることを学んだ大切な、思い出の詰まった場所だからです。

社会で失敗したり、うまくいかなくて落ち込んだりしても、自分の無力感を味わったとき、一度歩んできた道を引き返し戻る場所は学校(母校)なのです。

そして、「もう一度やり直そう」と、気持ちを新たにできるのです。


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