箕面三中もと校長から〜教育関係者のつぶやき〜

2015年度から2018年度に大阪府の箕面三中の校長を務めました。おもに学校教育と子育てに関する情報をのせています。

ステイホームの実際

2020年08月03日 07時30分00秒 | 教育・子育てあれこれ

今回の新型コロナウイルス感染防止策の一つである「ステイホーム」は、家庭への負担がたいへん大きいものでした。

これにより、家事や育児の負担感が高まり、家族関係が悪化するという影響が出た家庭もあったようです。

そして、その負担感は父親よりも、とくに母親に大きかったと聞きます。

まず、テレワークと言っても、父親は自分の部屋(あれば)で仕事に集中します。
でも母親は、子どもが休校中で家にいて、手間がかかる、または家事があるので、夜間にしか仕事ができにくい(ことが多い)。

その点で、今回の「ステイホーム」は、母親にしわよせが集中したのです。

でもこれは、従来から子育てや家事を男性が女性に押しつけるという対等でない男女の関係が存続する土壌があることに目を向けるべきです。

OECDの2019年統計結果では、日本の男女間賃金格差は依然として大きく、約23%であり、これは世界の国々の中でワースト2位です。

女は家庭で家事に勤しめという日本古来の習慣意識が今も影響しているからです。

世界経済フォーラムが示した男女間格差を表すジェンダーギャップ指数は、153の国のうちで、日本は121位です。

そのような土壌がある中に、テレワークや休校が命じられ、家での過ごし方は、各家庭に「お任せします」と、丸投げされた結果です。

それなのに、社会で解雇や雇い止めになる真っ先の対象者は、非正規雇用の中でも、女性であるという皮肉。

今後ステイホームの2回目がきたとき、家族に過度の負担を背負わせない、困難を抱えた家庭をサポートする対策が強く求められます。