菜の花がきれいな頃となりました。
先日、菜の花畑をみかけました。
鮮やかな黄色の花が一面に咲いており、見事な光景でした。
菜の花に関して、以前に読んだ本の内容を思い出しました。
ある男の人が、生きることに絶望して、死に場所を探して、東京の界隈をさまよっていました。
「もう死ぬしかない」という思いで、ふらふらと歩いていて、四谷駅までたどり着きました。
ふと駅の裏手にまわりました。
すると、目の前に開けたのは、当時の四谷駅の裏手一面に咲く黄色の菜の花でした。
このとき、その美しさに目をカッと見開き、足を止め、しみじみと見事な黄色の菜の花を眺めました。
突然、荒(す)さんでいた心に希望の光が射し、「やっぱり、生きよう」と気持ちが変わりました。
そのような内容でした。
自死を考える人の気持ちは、死ぬことしか浮かびません。それしか選択肢はないのです。
死に向かう振り子のようなのです。
しかし、壮大な美しい自然に接した時、振り子は死に向かう揺れから、急に生きる方へ振り始めるのです。
私は、これが大自然の力だと思います。
大自然の美しい景色は、時として、人に生きる勇気をもたらしてくれることがある、とわたしは信じます。
もし、今回のコロナ禍で自死を考えている人がいるなら、なんとかして生きる方向に心の振り子が振りだすことを願います。
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