私たちは、話すことの効果を軽く考えすぎる点があるのではないでしょうか。
自分が仕事に対して感じていること。
わが子について疑問に思っていること。
自分の老後についての不安があること。
こんな教師を目指している。
子どもがこんな人になってほしい。
私たちは、ふつうこのような願いや思いを封印して、忙しく日常生活を過ごしています。
不満や不安、疑問、希望、願望などを、わざわざ他者に話すことは、あまり多くないのがふつうでしょう。
しかし、自分のことを話すことは大きな意味があることが多いのです。
人は自分の不満、不満、疑問、希望、願望などを話しながら、今まで自分が気づいていなかったことに気がつくことがあります。
漠然とした思考が明確になることもあります。
話すことで、相手の問題だと考えていたことが、自分の問題であると理解することもあります。
話さないこと、つまり黙っていることとどう違うのかといえば、人は自分の思っていることや思いを言葉にしているという点です。
人は、自分の思いを言葉にするとき、自分の声を自分で聞いています。そして、自分の思いを理解して、気づくのです。
平素は忙しさや慌ただしさにまぎれ、自分が何を感じているかもわからないまま時間を過ごしているのです。
これは大人だけではないのであり、教育・子育ての分野で、思春期の子どもも同じです。
つまり、親と話す中で、子どもは自分の声を聞き、自分の思いや考えを明確化して、自分の思いや考えを整理していくのです。
これにより、モヤモヤとしていた気持ちがスッキリとして、「よし、こうしょう」という意欲につながることもあります。
だから親が答えを出して、こうしなさいと言わなくても、思春期の子は自分のことは自分で考えることができます。
話すこと、親子の話は、やはり大切だと、あらためて思うのです。
また、思春期の子も大人にも当てはまりますが、自分が話すことで、今まで自分が気がついていなかった心の声を聞くこともあります。
ときには、スマホを置いて、世の中の喧騒から離れて、自分の声を聴いてみましょう。
雑多なものを取り除くと、そのもののありのままが見えます。
編集されたものではない、オリジナルが聴こえます。
気持ちの切り替えができ、あらたな勇気とやる気が湧いてきます。
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